カテゴリーアーカイブ:人生の達人

人生の下り方を考える

2023年8月7日   岡本全勝

7月28日の日経新聞「私見卓見」、石飛幸三・世田谷区社会福祉事業団顧問医師の「人生の下り方をデザインせよ」から。

医療と介護は人々の人生を側面から支えるという意味においてはひとつである。しかし、一般に認識されているのは、老いて生活に支障が生じるようになったら介護制度を、病気になった時は医療を受けるという使い分けだ。この場合の病気の中には、老化にまつわる諸症状まで含まれている。
私は医療と介護の両方を長年経験してきた者として、この認識を見直してほしいと願っている。なぜなら、この認識のせいで、本来は穏やかであるはずの老いの終末が苦痛の多いドタバタに変わりかねないからである。

かつて私はがんを取り除いたり、古くなった血管をつぎ直したりしてきたが、「部品を修理しているにすぎない」と思うことが増えた。それをはっきりと認識したのは特別養護老人ホームの常勤医となって、私と年齢の変わらぬ老いて認知症もあり、食べられなくなっていく入所者の健康を見守る役を与えられてからである。
病んだ器官や組織に強い薬を使ったり、新品の人工パーツに置き換えたりしたところで、身体は老いて既にガタがきている。となると、手術や治療は回復を約束してくれるどころか、苦痛や負担を無駄に与えることになる。過度な医療が責め苦となって身体は悲鳴を上げていないだろうか。「病気になったらすぐ医療」という認識を改め、老いていく身体の声にもっと耳を澄ませてほしい・・・

・・・老いは自然の摂理で、治療で元には戻せない。いよいよ終わりが近づいてくると食べられなくなり、管で栄養を入れても身体はそれを受けつけなくなる。だが、慌てることはない。それは終点へ向かって坂を下っていく自然の経過なのであり、穏やかな最後を迎えるための準備をしているのである。やがて眠って、眠って、そして穏やかに旅立つ。自分らしく最後の坂をいかに下っていくか。下り方を自分でデザインする文化を超高齢多死社会の日本に求めたい・・・

夫婦の倦怠期

2023年8月6日   岡本全勝

『明るい公務員講座』番外編です。仕事がうまくいく条件として、健康と家庭が重要です。
8月5日の朝日新聞別刷り「be」、「サザエさんを探して」に、夫婦の倦怠期が載っていました。原文を見ていただくとして、抜粋します。

・・・みなさんは、倦怠期を感じていますか? 過去に感じたことはあるが、いまは大丈夫という方もいらっしゃるでしょう。あるいは、まさにいま、倦怠期の真っ最中だという方もいらっしゃるでしょう。わが家は……ノーコメントにさせてください。
そもそも倦怠期とはなにか? 22年間で約2千件の夫婦問題に関するカウンセリングをしてきた東京メンタルヘルスのカウンセラー、国広多美さん(61)によると、「夫婦の新鮮味がなくなり、一緒にいることに飽きてきて、マンネリ化してくること」だという。個人差はあるが、結婚して5~7年後に訪れることが多く、その後も周期的に訪れることが多いようだ・・・

・・・国広さんによると、倦怠期がひどくなると、大きく(1)離婚(2)婚外恋愛(不倫)(3)アイドルなどの推し活、の3パターンにつながっていくという。そうならないためには、どうしたらいいのか。日常生活にちょっとした変化を持たせることが大事だそうだ・・・

・・・中高年の倦怠期については、どうか? 「あゝ定年かぁ・クライシス 男のロマン 女の不満」の著書があるキャリアコンサルタントの原沢修一さん(72)に聞いた。問題が多いのは、会社員の夫と専業主婦の妻のケースだという。
「漫画の老夫婦の場合は、『倦怠期』というより『クライシス(危機)』だと思います」。こうならないように、40~50代から、夫婦間のコミュニケーションを密にするように気をつけた方がいい、特に夫の側が気をつけた方がいいという。
原沢さんは、「倦怠期を乗り越えるためのコツ」として(1)ちゃんと言葉に出して伝える……言わなくてもわかってくれるだろうはNG(2)「ありがとう」は魔法の言葉、「ごめんなさい」は譲歩の言葉……男性の心の4大生活習慣病「見え・意地・プライド・嫉妬」を捨てる(3)不毛な夫婦げんかに勝っても意味はない――などを挙げる・・・

省庁改革本部減量班同窓会25年

2023年8月1日   岡本全勝

先日、省庁改革本部減量班の同窓会をしました。
2001年に実施された省庁改革の作業のために、私たちが事務局に集められたのは、1998年6月でした。今年は25年です。よく続いているものです。「20年の記事

ちょうどアフリカから一時帰国中の大使、イギリス勤務を終えて帰国した官僚、熊本や大阪勤務から帰ってきた人、すでに第二の職場にいる人などなど。都合がつかない人以外が集まりました。
皆さんそれぞれに歳を取っていますが、元気で活躍中です。

部下に慕われる上司

2023年7月28日   岡本全勝

霞が関の定期人事異動が行われ、異動した人とともに、退職した人もいます。そのお祝い会やら、送別会が続いています。
ある後輩の送別会で、彼の仕事ぶりが話題になりました。仕事もでき、部下からの信頼が厚かったのです。仕事はできて当たり前なのですが、部下から慕われる人と、そうでない人がいます。何が良かったのか。本人は気がつかないので、その部下だった出席者に聞きました。いくつも長所が挙げられましたが、要約すると次のようなことでした。

・判断が速い
部下が相談に行くと、その場で方向を決めてくれたことです。「よし、これで行こう」とか「これは、××さんに相談に行こう」とです。必ずしも結論が出るわけではないのですが、次への段取りを示してくれます。すると、部下は次の段階に進むことができます。それがないと、もやもやが貯まります。

・話を聞いてくれる、一緒に考えてくれる
部下が相談に行くと、まずは話を聞いてくれます。多くの上司は部下の話を聞きますが、たぶん彼は、部下の目線まで降りて、相談に乗って、一緒に考えてくれるのでしょう。すると部下は、どんなことでも相談に行くことができます。「こんなことを相談して良いのだろうか」と、悩まなくてもすむのです。

・別の上司の前で助けてくれる
別の上司に案を持っていったときに、その上司は厳しい質問をするときがあります。部下たちは、立ち往生してしまいます。そんなときに、彼は、横から助け船を出してくれるのです。これは部下たちは助かりますよね。

顧客からの迷惑行為

2023年7月23日   岡本全勝

7月3日の日経新聞に「カスハラ封じ、企業も責任 都は「警察通報」指導も」が載っていました。

・・・顧客や取引先からの迷惑行為、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の被害を、法の力で防ごうとする動きが広がっている。東京都は中小企業向けの専門の支援窓口を置き、悪質事例は警察に通報するよう助言。裁判所では加害者の勤務先企業に使用者責任を認める判決も出ている。企業には、従業員をカスハラから守るために十分な措置をとる法的義務が今後重視されるとの見方も強まる。

「暴言を繰り返し、店頭に居座る客に困っている」。東京都は4月、都中小企業振興公社(東京・千代田)にカスハラ専門の相談窓口を設置。中小企業からの被害相談などを受け始めた。必要に応じて中小企業診断士や社会保険労務士の相談員を4回まで派遣して対応を支援する取り組みを中心とする。
都は被害に遭った従業員だけでなく、企業の事業活動への影響も懸念。左古将典・都振興公社総合支援課長は、相談員と企業が対応しても改善しないような悪質なケースについて「(刑事事案として)被害を警察に通報するよう企業に勧める」と言い切る。

飲食店などを中心に近年、カスハラの被害が目立っている。厚生労働省が20年秋に全国8000人を対象に実施した調査では、過去3年間でカスハラを経験した労働者は15%で、セクシュアルハラスメント(約10%)を上回った。「長時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレーム」や「ひどい暴言」などの内容が多かった。飲食店情報サイト「飲食店ドットコム」の20年の調査では、約490人の飲食店経営者のうち64%がカスハラ被害の経験があると答えたという。

被害が増える一方、カスハラの法的な位置づけは曖昧だ。セクハラやパワーハラスメントの防止策は労働施策総合推進法などで次々に法制化されたが、社外の第三者が加害者となるカスハラを直接禁じる法律はまだない。どんな行為が該当するかの具体的な定義も定まっていない。
ただ悪質なカスハラは、暴行や強要、威力業務妨害など刑法上の罪に該当する行為を伴うことがある。都はここに着目し、刑事事案として警察に相談することで被害の歯止めを目指す指導につなげている・・・

行政にあっては、行政対象暴力があり、議員からの無理な要求も問題になっています。