カテゴリーアーカイブ:人生の達人

タマネギの皮を増やす

2023年7月9日   岡本全勝

立命館大学法学部「公務行政セミナー」講師2」の続きにもなります。
「人生とはタマネギの皮を増やすことだ」という話が、たくさんの学生から反応がありました。皮と言っても、外側にある茶色い薄い皮でなく、内側の食べる部分(鱗茎)です。あの1枚ずつも皮と呼ぶのでしょうが、茶色の皮と区別する際には、なんと呼ぶのでしょうか。

人は、自分が何者であるかを知りたくなります。特に若い人が「自分探し」をします。就職活動に当たって、自分は何にむいているかを考えるときなどです。私は、それは無駄だと助言しています。「ラッキョウの皮をむく」という、ことわざがあります。むいてもむいても皮ばかりで、実がでてきません。若いうちは、経験も少なく、自分が何者かを考えても、よい答は見つかりません。

私も若いときにそのようなことを考えたのですが、ある教育者から「人生とは自己実現だ。その過程だ」と教えられて納得しました。その趣旨を『明るい公務員講座』にも書きました。自己実現は自己発見の過程でもあります。ラッキョウの皮にたとえれば、むいていって芯に何があるのか探すのではなく、タマネギのようにいろんな経験の皮を加えていって太ることでしょう。
自己実現というと、少々難しいです。何が自己かは、人生の終盤にならないと分からないのです。

私の人生を振り返っても、学生時代はもちろん、就職した頃も、現在の私になるとはとても想像がつきませんでした。たぶん、神様もご存じなかったのかも。
神様がその時々にサイコロを振ってくださって、私もそれに応えるべく努力して、さまざまな経験を積んで、今の私ができたのでしょう。タマネギの皮を増やす人生でした。

川北英隆先生のブログ

2023年7月8日   岡本全勝

川北英隆先生のブログ、興味深い話や勉強になる話を、書き続けておられます。前にも紹介したことがあります。「日本的思考パターンへの苦言

先生の専門である投資の話「投資にうまい話は絶対ない」や社会批評「銀行窓口の変貌に驚く」も勉強になりますが、なんと言っても楽しみは山歩きの記です。精力的にいろんな山を歩いておられます。

本格的な高山の登山ではなく、近場の歩きやすい山のようです。京都の近くに、こんなところがあるのだと驚きます。私にも、行けそうですが。「湖南アルプス堂山
山の写真とともに、花や木の写真が楽しみです。例えば「虚空蔵山の花」。
京都も暑いそうです。

職場での面談、2つの場合

2023年7月5日   岡本全勝

公務員の業績評価に際し、期首と期末に上司との面談が行われます。私は、この仕組みはよいことだと評価しています。
導入当初は「面倒だ」と思いましたが、部下に今期の仕事の目標を確認する、そして達成度を確認する上で、必須です。「ふだん一緒に仕事をしているから大丈夫」ではないのです。

他方で、上司には言いにくいことがあります。上司と部下がうまくいっていない場合、その面談は形式的になります。
極端な例が、上司が原因となって部下が心を病む場合です。上司は、自分は正しく、部下ができが悪いと考えます。しかし実態は、上司が悪く、部下が被害者の場合もあります。
さて、このような場合に、面談をどのようにしたら機能するようになるのか。難しいですね。

突然の病、死と向き合うには

2023年7月4日   岡本全勝

6月14日の朝日新聞夕刊「こころのはなし」、鎌田東二・京大名誉教授の「突然の病、死と向き合うには」から。

 最近、記者(42)の周りでは病気で手術を受ける人が増えた。30、40代のがんも多く、ひとごととは思えない。突然、死を意識せざるを得ない病が降りかかったとき、どう向き合ったらいいのだろう。心の痛みを対話などで癒やすスピリチュアルケアの専門家で、宗教学者の鎌田東二(とうじ)・京都大名誉教授(72)は自身もステージ4のがんが見つかり、治療を続けている。京都の自宅を訪ねた。

――スピリチュアルケアの専門家として、どんなことを考えましたか。
「がんを受け入れて生きる」とは、どういうことか考えました。アメリカの精神科医のキューブラー・ロスが1969年、死にゆくプロセスを科学的にとらえています。
病を告げられてから五つの葛藤があり、最初は「否認」です。頭では理解しようとしても、何かの間違いだと否定します。次に「怒り」です。もっと悪いことをしている人はいるのに、なぜ自分が、と考えます。
3番目は「取引」です。信仰心がなくても神仏にすがり、これをやり切るまで生かして、と取引します。4番目が「抑うつ」です。もうだめ、神も仏もいない、とあきらめの気持ちになります。
最後が「受容」です。死は自然なことと考えられるようになり、静かな時間を過ごすことができます。

――ご自身はいかがですか。
宗教や死生観を50年近く研究し、普段から死を意識してきました。そのせいか、5段階目の「受容」が強いんです。いきなり「受容」したという感じです。
それでも健康を失うと、絶望したり、うつになったり、負の感情が連鎖します。私は合併症による2週間の絶食療法がきつかった。このまま体力が落ちて死ぬかもしれない。治っても今までのように動けるのか。患者が抱く不透明感に直面しました。
このとき、詩を作りました。自分のなかに起こる心の叫びを言葉にすることで、自分自身を支えることができました。
生きていれば必ず逆境が訪れます。逆境は暗く長いトンネルです。しかし、トンネルは必ず抜けられます。抜けたら、大きな光が与えられ、その人の人間性に強い力が加わります。
ただ、信仰心のある人のほうが逆境に強いことは間違いありません。

近藤和彦先生、自宅の改装

2023年7月1日   岡本全勝

近藤和彦先生のブログを紹介します。先生が雑誌『図書』に連載されている「『歴史とは何か』の人びと」は、楽しみにしています。今日紹介するのは、そちらの方ではなく、「〈リフォーム〉ほどではないけれど」(6月3日掲載)です。

・・・じつは現在の集合住宅に入居して、この春でちょうど20年。同居人の構成も変化したうえ、いろいろなモノが貯まり堆積して、自宅がまるで考古学遺跡のようになってしまいそう、と心配してくれた娘の提言で(準備のメールとZoom会議をへて)、4月から夏まで数次に分けて、部屋の使いかたを多少とも転換中です・・・
・・・久方ぶりに床のフローリングがしっかり見えるのは、感動的です!
(とはいえ、ぼくの書斎、図書・ファイルにかかわることについては、さすがの娘も関与を諦め/謝絶し、お父さんが自分で考えてやって、と引導を渡されました!)・・・

同じように荷物と本に埋まった我が家を見て、身につまされます。私は、いつになったら着手するのやら・・・。