日経新聞「私の履歴書」9月は、元伊藤忠商事会長の室伏稔さんです。9月17日と18日に、瀬島龍三さんの思い出を、書いておられます。
・・重要な部署ほど少数精鋭が、瀬島さんの考えだった・・
・・総合商社にとって強さと弊害の両面性を持つ「部門縦割り」に、部門横断的な総合調整機能という「横ぐし」を通すことの重要性を、瀬島さんは耳が痛くなるほど強調された・・
・・戦略は戦術をカバーするが、戦術は戦略をカバーできない・・
・・日常業務で指導されたのは、①報告書は必ず1枚にまとめる、②結論を先に示す、③要点は3点にまとめる―の3点だ。3枚以上の報告書は絶対に受け取らず、突き返していた。また、「どんな複雑なことでも要点は3つにまとめられる」が口癖で、我々に物事の本質を見極め、整理する習慣を身につけさせた・・
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幹事大好きな友人
先日の「お任せ民主主義と飲み会の幹事」(8月15日の記事)を読んだ、友人M君からのメールです。M君は「慰労会をするから、早く夜の時間を空けろ」と、しょっちゅう催促してきます。
・・面白く読みました。最近、この手の話も入っているところを見ると、貴兄のお仕事もちょっと落ち着いてきたのかなって感じます。ご存知の通り、私もよく「飲み会の幹事」を引き受けます。私の場合は、「こんなお店は嫌だ」と文句をつける人は、「無視」する。日にちが合わなくても、「無視」する。ドタキャンならまだ良いほうで、「ドタサン(参加)」でもいいようなお店を選ぶ。貴兄が言う「幹事の大変さ」は、微塵もありません。したがって、今回の貴兄の意見には、賛同しかねます・・
ははは。M君、みんながあなたのようだったら、お任せ民主主義ではありませんよ。
慰労会は、もう少しお待ちください。明日から4日間、被災地への出張です。
お任せ民主主義と飲み会の幹事
先日、あるところでの会話です。戦後の日本政治(国民の政治参加)の欠点は、「お任せ民主主義」であるという説に、多くの人が賛成してくれました。
これは、難しいこと(嫌なこと)は誰かに考えさせて、本人は批判だけするという立場です。批判はするのですが、代案を考えたり、代案を提示することはしません。これは、まことに身勝手な立場です。
増税をはじめとする負担増や、ゴミ処理場など嫌な施設の立地決定の際に、端的に表れます。
その人曰く「負担増は、けしからん」
責任者曰く「じゃあ、どうするのですか。歳出削減は、もう限界ですよ」
その人曰く「それは、あなたが考えることだ」
その人曰く「みんなが嫌だという施設を、なぜここに作るのだ」
責任者曰く「じゃあ、どこに作るのですか」
その人曰く「どこか県外に、持っていくべきだ」
責任者曰く「どこが、受け入れてくれますか。どこも、嫌がっていますよ」
その人曰く「それを、あなたが考えるべきだ」
その議論の場では、これに対する対応策も、提案されました。「飲み会の幹事をさせること」だそうです。飲み会を設定すると、メンバーの中には「こんな店は嫌だ」とか、いろいろ文句を言う人が出てきます。そんな人に幹事をさせて、幹事がいかに大変かを体験させるのです。
店を決めるのに、みんなの意見が合わない。日にちが合わない。さらには、当日にドタキャンする。そのような身勝手な人に、幹事をさせると、幹事の大変さが分かるというのです。
そして、その結果は。
まず、そのような人は、幹事を引き受けない。あるいは、それ以降参加しない。ははは・・。
今日の日記・支援本部での一日
朝、8時過ぎに出勤。この仕事に就いた最初のころは7時過ぎに出勤していたので、最近は遅くなりました。霞ヶ関では、これでも早いようです。でも、世間ではこれは遅い方ですよね。例によって、職員が昨夜のうちに作って、机の上に置いてくれた書類に目を通し、加筆。静かな時間帯に、これからの課題を検討。次々と出勤してくる職員を捕まえては、「あれ、どうなっている?」と確認。
9:30から、毎日の事務局班長会議。みんなで、しなければならない仕事を確認します。また、今日は金曜日なので、事務局の課題を更新しました。事務局内だけでなく、政府部内、自治体関係者にこれらの情報を知ってもらうことが、これからの取組に効果的だと考えています。
11:00から、大臣らと事務局幹部が集まって、定例の「運営会議」。いくつもの報告と課題の指摘があり、50分もかかりました。まあ、いつものことですが。松本大臣、片山大臣、仙石副長官、平野副大臣、松下副大臣、それぞれ論客ですから、最も緊張する時間です。その場で回答できないものは、宿題にしてもらって終了。
12:00から、官邸で各府省連絡会議。今日は総理出席で、公務員の給与削減の指示が出ました。その後、被災者支援の議題に。大臣や副長官からの指摘があり、引き続き各府省次官から進捗状況の報告。私は、途中から弁当を開いて、食べながら聞いていました。
13:00過ぎに終わり、道路をはさんだ内閣府庁舎に戻りました。そこで、もらったばかりの宿題を、職員に「転送」。
その後、若手職員(シャンポリオンS1くん、S2くん)を誘って、内閣府前の道路の草引きに。毎朝通る道ばた(官邸前交差点から内閣府庁舎まで約20メートル)の雑草が伸びているので、草引きをしたかったのです。一人では恥ずかしいので、シャンポリオンさん二人を誘って、決行。昨日する予定が、雨で今日に延期しました。
歩道のアスファルトや敷石の隙間に生えるだけあって、手強いです。引っ張っても葉っぱだけちぎれて、根っこは抜けないのが多いです。アザミはトゲだらけで、3人ともギブアップ。靴で踏んだらトゲが取れて、抜くことができました。3人で、うろ覚えの岡本真夜の「トゥモロー」を口ずさみながら。「・・アスファルトに咲く花のように♪♪・・これは強いわ」と。3人で、レジ袋5つに満杯になりました。
仕事場に戻ると、「ちょっと良いですか」という、M、E、M参事官の「波状攻撃」を受けつつも、次々と指示を出して「撃退」。別途、ゲリラ的に攻撃に来る、Y、F参事官の「あれ、どないしますねん」という攻撃には、たじろぎつつも「あんたの案は何や」と「反撃」し、その案を採用して「防戦」。
16:30から、午後の班長会議。17:00から副大臣の記者会見同席。その後、記者さんの質問に受け答え。
明日4日は、福島市で、原発事故関係市町村長との意見交換会。6日は、仙台市で宮城県内市町村への説明会。さらに11日からは、岩手、宮城両県で市町村との復旧復興に向けての意見交換会です。
帰ろうと思ったら、H参事官が最後の攻撃に来ました。「次長が急がせるので、次のようにしたいのですが。できれば今日中に・・」。そこで、私も電話をかけることに。時間外を承知で、いくつかの市役所の秘書課に電話をしました。金曜夕方に電話するのと、月曜の朝では、2日違いますよね。
19:00から都内某所で、事務局を卒業した中堅幹部職員の慰労会。一時120人いた職員は、現在40人まで縮小しました。苦労をかけた職員に、お礼を言いつつ、反省すべき点を聞くのが目的です。
みんな、お世辞半分で「大変だったけど、勉強になりました」と言ってくれるのが、嬉しいです。
以上、今日の日記です(小学生みたい。笑い)。
決断が不足した組織
沼上幹『組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために』(2003年、ちくま新書)に、組織が疲労した場合の一つとして「決断不足」が挙げられています。そして決断が不足すると、次のような徴候が現れると指摘されています。
第一は、製品開発プロジェクトなどで、フルライン・フルスペックの仕様書が多数出てくることである。コストは他社より低く、すべての性能に関して他社競合製品を上回るものを、他社よりも早く市場に導入せよ、というような要求が出てきたら要注意である。これは何も考えていないことの証である。問題は、時間や予算の制約があるから、すべての点で競争相手を上回ることは簡単にはできないというところにある。だから、一部については目をつむってもらうといった決断が必要なのである。
二つ目の徴候は、社内で多様な経営改革検討委員会が増えることである。もし本当に必要だと判断したのであれば、検討などさせずに即座に導入すればよい。各部署から人を出させて検討委員会を作るのは、経営者たちに思慮が欠けていて、決断できていないことを疑わせる。あるいは衆知を集めて民主的に経営している見かけを作りすぎなのかもしれない。
三つ目の徴候は、人材育成である。人材育成はどのような時にも必要だから、誰も批判しない。しかし問題は、現在直面している課題の解決には、人材育成が時間的に間に合わない、というところにある。