カテゴリーアーカイブ:人生の達人

ジョブ型雇用、日本への導入

2020年8月26日   岡本全勝

このホームページでもしばしば取り上げている、日本と諸外国との雇用慣行の違い。メンバーシップ型とジョブ型との違いを、8月17日の日経新聞夕刊が、簡潔に説明していました。「働き方ジョブ型って何? 職務・報酬明示し適材適所

記事を読んでもらうとして、簡単にいうと。
メンバーシップ型は、雇用契約は会社の一員になる資格(メンバーシップ)を得るのに対して、ジョブ型は、ある職務(ジョブ)について雇用されます。メンバーシップ型は、会社が従業員に仕事を割り当てます。ジョブ型は、仕事に人を雇います。

かつて、世界から称賛された日本型経営の一つがこのメンバーシップ型雇用慣行でした。発展途上社会、目標とお手本が明確で、集団で取り組む際には、効果を発揮しました。また、ムラ社会から切り離され、家族労働から離れて一人になった労働者たちに、会社は第二のムラ社会として機能しました。
ところが、日本経済が停滞すると、この雇用慣行がやり玉に挙げられました。そして、日本企業でも、ジョブ型の導入が試みられています。日本企業でも海外に進出している会社は、現地ではジョブ型です。

私は、今後日本でも、ジョブ型が進むと思います。ただし、メンバーシップ型の長所もあります。すると、経営者や管理職にはジョブ型が適用され、一般社員にはメンバーシップ型が適用されるでしょう。そして一般社員も、「何をするか」職務と目標が明示されるようになるでしょう。「組織構成員の分類その3。階級の区別

お役に立ちました。脳力の浪費

2020年8月14日   岡本全勝

このホームページの読者の方から、お便りをいただきました。次のような趣旨です。一部改変してあります。

・・・「あなたの限りある一日」、とても納得できました。
自分の経験からもそう思っていましたが、この記事を読んでスッキリしました。
早速、中学生の息子二人に読ませました。おかげさまで、ちょっと、変わった感じがします・・・

お役に立てたら、うれしいです。
どこのお家も、子どもの長時間テレビ視聴や、スマホとゲームに悩んでおられると思います。スマホの画面(番組)もゲームも、好奇心をそそり、引き込むように作られています。一種の中毒になります。子どもへの悪影響は大きいです。

実は、私もこの文章を書いていて、考えが整理できました。かなり前に書き始めていたのですが、なかなかうまく整理できなかったのです。体の疲れと、頭の疲れが違うことは分かっていたのですが、頭を使う疲れに2つのものがあることに気づき、また教えてもらったのです。パスワードを思い出そうとして難儀していると、家族から「そんなことで、限りある記憶力を浪費しているのか」と笑われ。医者である友人に助言をもらったりして。
それで、「あなたの限りある一日」と「3つの疲れ」に整理できました。

3つの疲れ

2020年8月13日   岡本全勝

あなたの限りある1日」の続きにもなります。
「疲れる疲れる」と言いますが、私たちの疲れには、3種類のものがあるようです。体(肉体)の疲れ、頭(脳)の疲れ、心(精神)の疲れです。

体の疲れは、わかりますよね。運動したり農作業をすると疲れます。頭の疲れは、勉強をしたり文書事務をしたときの疲れです。いすに座って、体を動かさないのに疲れます。この二つはわかりやすいです。しんどくなって、やめたくなります。眠くなります。

三番目の心の疲れは、少々わかりにくいです。対人関係などに疲れ、心の病になることがあります。同じ仕事でも、淡々とこなしているのと、上司のプレッシャーがあるときでは、疲れ方が違います。同じ内容を話すとしても、大勢の前で話す場合や、厳しい上司の前で話す場合は緊張して疲れますよね。緊張や不安がストレスになり、それが原因になるようです。

最初の二つは、自分でも疲れたとわかり、休憩を取り回復させます。難しいのは、三番目の心の疲れです。休憩を取っても、回復しないことがあるのです。常に頭の隅に残って、本人に負担をかけます。そして、自分では気づかない。何が原因か、周囲の人はわからない。また、同じような原因でも、心の病になる人とならない人がいるのです。
参考「疲労の原因は脳

あなたの限りある1日

2020年8月12日   岡本全勝

このホームページ定番の、スマホ批判です。
毎日、地下鉄を待つ間も乗ってからも、学生や会社員が熱心にスマホを操作しているのを見ます。ドラマや漫画を見たり、ゲームのようです。朝から、そのようなことに体力と脳力を使って、もったいないですね。
「隙間時間に、何をしようが自由だ」と言われそうですが、そうではないのです。

私たちの1日で貴重なもの。それは、時間、体力、脳力です。これらは、限りがあるのです。
時間に限りがあることは、明確ですよね。みんなに同じように24時間が与えられています。それをどのように使うのか、何に使うのかで、有意義な1日かそうでないかが決まります。そして、あなたの人生も変わってきます。

体力も、わかるでしょう。時間と違い、体力には個人差があります。そして、体力は鍛えることができます。しかし、24時間走り続けることはできず、24時間働き続けることもできません。限りがあります。時間と同じように、あなたが何に体力を使うかが重要なのです。

脳力は、少し説明が必要でしょう。人間の脳の機能にも、限界があります。体力と同じで、1日中勉強をしたり、仕事をすることはできません。子どもも私たちも、根を詰めて勉強すると疲れて、嫌になります。また、そのような知的活動でなくても、映画を見続けると疲れますよね。ゲームも同じです。疲れると、眠くなります。脳力が限界に来ているのです。そのようなときは、寝なくても、ボーとしているだけ、あるいは気分転換と称して散歩したりすることで回復します。
もう一つは記憶力です。一度に覚えることができること、あるいは1年間覚えていられることには限界があります。つまらないことに脳の機能を使うと、重要なことを覚えることができません。

体力も脳力も、朝が一番さえています。貴重な時間と脳力を朝から浪費している人を見る度に、もったいないなあと思います。そして、このあと、学校や職場で勉強や仕事に集中できないのではないかと、心配になります。この項続く

階統制組織と平等的組織、その2

2020年8月8日   岡本全勝

階統制組織と平等的組織」の続きです。組織には、構成員が平等な組織と、上下関係をつくる組織があります。前者がホラクラシーで、後者がヒエラルキーです。

会社や役所では、ホラクラシーではなく、ヒエラルキーが採用されます。あわせて、各人の任務が明定される官僚制が用いられます。それは、次のような理由です。
全体の方針を決める、あるいは課題が生じた際に、全員が集まって議論をして結論を出す必要があります。これは、時間がかかります。議会がそうです。また、組織が大きくなると、全員集会はさらに時間がかかります。
方向性が決まれば、ホラクラシーでは構成員の自主性によって、よい成果が出ることが期待されます。ヒエラルキーでは、上司の命令によって、嫌々仕事をする場合もありますから。しかし、各人の任務が明確に規定されていない場合は、どこまでやれば達成したことになり、どの程度では不十分なのかの評価もあいまいになるでしょう。不熱心な構成員がいると、うまく機能しません。各選手の自主的行動が重要なサッカーとの違いです。

ホラクラシーは、各人の参加意識を高めることで業務執行に有効なのですが、それが機能するためには少人数であること、参加者みんなの参加意識が高いことが必要です。また、方向性を参加者が決めることができるような組織でないと、機能しません。
日本型職場の、全員一致・社員平等慣行は、ホラクラシーに近いのです。前例通りなど方向性が共有されている場合は効率的なのですが、決定に時間がかかる、方針転換ができない、職員の任務と評価があいまいなどの欠点を持っています。

なお、ここでは触れませんが、議会や同好会のような平等組織は、議長や会長を構成員が選ぶので、構成員によって解任される恐れがあります。「みんなに選ばれた」という強固な基盤とともに、「いつ解任されるかわからない」という不安定性があります。