カテゴリーアーカイブ:人生の達人

松永真さん、条件を無視して勝つ

2020年9月24日   岡本全勝

9月15日の朝日新聞「語る 人生の贈りもの」、グラフィックデザイナーの松永真さん第9回「負けてもいい、作り替えたロゴ」から。

―1986年にはティッシュ「スコッティ」のパッケージをリニューアルするための国際コンペティションに参加しました。
このコンペには二つの条件がありました。花柄であることと、指定のロゴを使用することです。納得できずに大いに悩みました。

―コンペの条件なのに。
ティッシュといえば生活必需品の最たるものです。狭い家の小さな部屋ごとに置かれるものがなぜ花柄でなければならないのか。白い箱に小さくロゴがあればいいじゃないかと。でも「ロゴを作り直していいですか」と聞いたって、どんなロゴを作るか分からない相手にオッケーしてくれるはずがない。僕は負けてもいいから自分の信じる通りにやろうと決断し、半年かけてロゴを作り替えました。そして花柄をストライプに置き換えたデザイン案を提出しました。

―ルールを無視したのに、国際コンペで優勝したんですよね。
担当者が電話で「あなただけ花柄がない」と言うので、「このストライプが私の花です」と答えました。後で聞くと、1次、2次、3次と続いた審査では毎回得点が低かったようですが、「ここでは落としたくないので、次の段階で」と結局、最終段階まで残ったそうです。必須条件を二つとも無視したのですから大学の試験だったら0点で不合格ですよね。最後に社長決裁で優勝となりました。
当時「山陽スコット」だった会社は合併で名前も変わりました。うれしいことに、コンペから34年経った今もこのデザインは健在です。微調整を続けて進化させていますけどね。

よい仕事をするために筋肉トレーニング

2020年9月23日   岡本全勝

9月9日の日経新聞、「企業トップ 心身を最高の状態に」から。
企業のトップで、筋肉トレーニングに励む人がいるとのことです。
確かに、悩み事があったり、他のことを考えていると、よい判断ができません。そして、健康でないと、これまたよい仕事や判断はできないでしょう。
「健全な精神は健全な肉体に宿る」という金言も、ありますよね。

ところが、その人たちを指導するトレーナーによると、それだけではないようです。
重要なのは、きついトレーニングで筋肉を大きくすることではなく、「自分がどうありたいか」だそうです。
指導を受ける企業のトップたちは、「自分が筋トレでどうありたいのかというビジョンとそれを伝える言語化力がとても高い。マネジメント力を垣間見ているような気がする」とのことです。

在宅勤務で問われる管理職の指導力

2020年9月22日   岡本全勝

9月15日の日経新聞「テレワークできてますか(3)」は「受け身の上司はいらない 「在宅」で問われる指導力 進む管理職改革、降格も」でした。
・・・できる上司とできない上司――。テレワークの広がりは、管理職の優劣も浮き彫りにした。リモートでも仕事を適切に割り振った管理職がいる一方、目の前に部下のいない状況に戸惑い業務が滞った人もいた。新型コロナウイルス後をにらんだ管理職改革が広がっている・・・

・・・「自己の役割ランクに応じた具体的な『役割』と『業務内容』を明記し、提出願います」。中堅機械メーカーの中西金属工業(大阪市)は7月中旬、全管理職約150人に通達した。管理職の役割を改めて自己分析してもらう狙いだ・・・まずは日報提出と部署内での共有を義務付けた。
日報を基に上司が部下に適切な助言をできれば。そんな思惑だった。ところがむしろ管理職の課題が明らかになった。例えばある管理職は「午前メール処理、午後資料作成」と書いた。実際に何をしているのか分からない。中西竜雄社長は「2割は部下への指示・助言も不十分で役割を果たしていなかった」と漏らす。
出勤していれば部下の様子は目に入る。誰かしらが相談や報告にやってくるし会議も多い。主体的に動かなくても一日が終わる。受け身の姿勢が染みついた管理職は、テレワーク環境で機能停止していた・・・

・・・内閣府の調査では、テレワークで生産性が落ちたとの回答が約半数を占めた。一因は上司と部下のコミュニケーション不全だ。
アデコが管理職と一般社員を対象に7月実施した調査によると、テレワークで部下とのコミュニケーションが減ったとの回答が約4割に上った。具体的な課題(複数回答)は「チーム間でのコミュニケーション不足」33%、「部下とのコミュニケーション不足」31%、「部下の仕事ぶりが分からない」22%など。部下側も「上司とのコミュニケーション不足」31%、「さぼっていると思われないか」28%など、上司と部下双方の不満がうかがえる・・・

・・・これまでのやり方を見直すのは楽ではない。中西金属工業も、すべての管理職が自分の役割を見いだせてはいない。会社は各自がまとめた「役割」「業務内容」などを基に全管理職と面談中だ。ベテラン社員が指導役になり、業務を「将来につながる仕事」「現状の業務に不可欠な仕事」「なくせる仕事」に分類し、将来につながる仕事の比率を高めるよう促していく・・・

日報と役割シートについて、よい記入例と悪い記入例も、載っています。これは、わかりやすいです。参考にして下さい。

大学は通信教育で成り立つか

2020年9月21日   岡本全勝

これも笑い話なので、まじめに考えないで下さい。先日、大学の教授数人と話をしていました。

全勝:先生のところも、オンライン授業ですか?
教授:そうですよ。すべて、オンラインでやっています。いくつか問題があるけど、やれています。
全:本当にそうでしょうか。私も先生も学生時代に、授業を受けに本郷の教室に行きましたか? 授業では居眠りをして、終わったら友達としゃべるか、麻雀の仲間を探していませんでしたか?
教授:そう言われれば、そうだなあ。
全:でしょ。いまの学生も、その多くは、勉強のために学校に行っているのではないのですから。授業がオンラインでできているといっても、それでは大学の使命を果たしたことになりません。学生は、かなり不満を持っていると思いますよ。

職場も同じで、みんなが、仕事だけをするために、行っているわけではありません。「遅れず、休まず、働かず」という社員もいます。仕事に精を出す人でも、昼の同僚とのランチが楽しみな人も、夜の居酒屋が好きな人もいます。でなければ、女子会や赤提灯があれほどまでに、はやりません。同僚とのおしゃべりのない職場は、つまらないです。

広報の家庭教師

2020年9月21日   岡本全勝

9月14日の朝日新聞夕刊「凄腕しごとにん」は、「広報の家庭教師」を自称する、舩木真由美さんでした。「広報担当者を育てた企業、約120社

・・・小所帯のベンチャー企業は、当初は広報担当者がおらず、メディアに情報を伝えるプレスリリース(発表資料)作成や情報提供自体をPR会社に外注することが多い。自身も、かつてPR会社で働いていた。
しかし、そこでたどり着いたのが「広報は、伝言ゲームのようになるよりも、企業理解や商品愛がある社内の人間がやった方がいい」という「自走」の思想だ。そのため、いつまでも黒衣として広報活動自体を手伝うのではなく、約1年で独り立ちできるように「広報の仕方」を伝えている。
広報の仕事と言えば、一般に思い浮かべられるのが、プレスリリースづくりやメディアの記者との関係づくり。でも、それ以上に難しいのが「どのネタをどう打ち出すか」という企画づくりだという・・・

・・・よく伝えるのが「米国の大手IT企業では、新規事業の決裁文書がプレスリリース形式になっている」という話。プレスリリースには、事業概要や立ち上げの背景、ターゲット層などをA4一枚で書くのが一般的だ。企画段階でプレスリリースを書けるか否かで、それが社会で必要とされている事業かどうか見極められ、本当に顧客や社会の求める事業につながると説いている・・・

・・・広報の指南役として社会の課題を知り、情報の目利き力を養うために「インプット」を大事にしている。毎朝、主要各紙をチェックし、ニュース検索のキーワードに「法改正」を登録して社会の変化をつかむ。ツイッターでは多様なアカウントを追いかけ、本を読み、評判の映画を月8本は見る。そうやって培った視点やノウハウも支援先に伝授する・・・

仕事をする上でのコツが、書かれています。広報担当者だけでなく、社員と職員に有用です。全文をお読み下さい。