カテゴリーアーカイブ:明るい課長講座

転職希望者1000万人

2023年12月5日   岡本全勝

11月28日の日経新聞に「転職希望者1000万人突破 転職実績は横ばい」が載っていました。
・・・転職はしたいが、実際にはなかなか踏み切れない。総務省の労働力調査によると、そんな就業者の実態が浮かび上がる。2023年7〜9月平均の転職希望者は初めて1000万人を上回った。一方、実際に転職した人はほぼ横ばいだ。人手不足は深刻だが企業もやみくもに採用に走っているわけではない。
労働力調査によると、23年7〜9月平均の全国の就業者が6768万人。このうち15%にあたる1035万人が転職希望者だ・・・

しかし次のような指摘もあります。
・・・リクルートワークス研究所の調査によると、転職希望者の1年後の転職率は2割未満だ・・・

世界の転勤事情

2023年12月4日   岡本全勝

11月27日の日経新聞夕刊「ニッキィの大疑問」に、「転勤、必要なの? 本人同意・説明が大前提に」が載っていました。

当たり前だった転勤を見直す動きが出ています。ある会社では、一般社員について同意のない転勤を廃止しました。転勤辞令を出すにしろ、必ず本人の意向を確認します。詳しくは記事を読んでいただくとして。

各国の事情が図になって紹介されています。
日本は、本人同意がなくても業務命令で転勤があるが約2割、本人同意があれば転勤があるが約2割で、合計約4割です。
アメリカでは、同意なくても転勤があるが5%未満、労働組合が同意すれば転勤があるが1割近く、本に同意があれば転勤があるなどが5割で、合計6割です。フランスは、本人同意なしで転勤ありが1割近く、労組の同意あればが1割、本人同意があればが5割近くで、合計7割です。(リクルートワークス研究所2020年「5カ国リレーション調査」)

日本は本人同意なしでの転勤が多いですが、転勤そのものはアメリカやフランスなどの方が多いのですね。ただしこれは制度であって、実際の社員が何人、何割くらい移動しているのでしょうか。

法令順守疲れ

2023年11月30日   岡本全勝

11月20日の日経新聞に、「不正対策 絞って強化 「コンプラ疲れ」解消」が載っていました。これは、多くの職場で役に立ちます。何か不始末があるとそのたびに確認や対策が積み重ねられる役所では、よくある話です。詳しくは原文をお読みください。

・・・コンプライアンス(法令順守)対策を効率化し、不正防止の効果を高めようとする企業が増えている。三菱電機は品質不正問題を機に、社内監査の質問数を大幅に減らし、リスクが高い項目に絞る手法に転換した。イオン銀行は営業員の報告書チェックに人工知能(AI)を活用している。法改正や不祥事の度に増える社内規定や研修を負担に感じる「コンプラ疲れ」を解消する狙いもある・・・

・・・社内の雰囲気を一変させたのは、21年に発覚した長崎県の工場での大規模な品質不正問題だった。不正検査やデータの虚偽記載が判明した。外部の弁護士らによる調査は約1年4カ月に及び、不正は最終的に同社単体だけで197件見つかった。
三菱電機の経営陣にとって衝撃だったのは、21年の品質不正問題が「再発」だったことだった。18年度に発覚した子会社の不正を受けて、他に品質不正がないかを点検してグループ全体で再発防止策を講じたばかりだった。その前の16、17年にも他社の品質問題を受けて品質不正の有無をチェックしていた。
3度にわたって徹底的に点検したのに、なぜ不正が見つけられなかったのか――。再発防止策の機能不全や対応する中間管理職の疲弊などの問題も浮かんだ。日下部聡常務執行役は「やり方を抜本的に変える必要を痛感した」と振り返る。
たどり着いたのが社内リスクを調べ、重要な事象を優先して対応する「リスクベース・アプローチ」だ。不正を受けて設置したガバナンスレビュー委員会にも同様の提言を受け、正式に方針を決めた。本体の各部門や子会社に想定リスクを尋ね、リスクの高い部門や事業を特定して先に対応にあたるやり方に改めた・・・

・・・コンプラ強化を目指す企業は多いが、一方で社内ルールや研修の負担が業務を圧迫する「コンプラ疲れ」の問題も指摘される。一橋大学経済研究所の森川正之特任教授が21年、政府の規制や社内、業界も含むルールが過剰だと思うかどうかについてネット上でアンケート調査を実施したところ、回答した20歳以上の労働者5707人のうち29.7%が「過剰感がある」と回答した。業種別にみると、金融・保険業(40.6%)や情報通信業(36.9%)で、過剰感が高かった。
調査では、就労者全体で労働時間の約20%がコンプラ業務に費やされるとの結果も出た・・・

話を聞いてくれる先輩と上司

2023年11月14日   岡本全勝

拙著『明るい公務員講座』にも書きましたが、いろんな上司や先輩のおかげで、ここまで来ることができました。素晴らしい上司や先輩に巡り会ったのですが、その中でも「特にうれしかった」人を考えました。

何が違うか。皆さん仕事ができて、部下にも優しく、甲乙つけがたいのです。一つ差を見つけました。相談に行くと直ちに正解を教えてくださる方と、しばらく話を聞いてくださる方の違いです。効率的に考えると前者の方が良いと思えるのですが、その後長く付き合いが続いたのは後者の方です。

人の悩みには2種類のものがあるようです。一つは目の前の課題解決です。もう一つは漠然とした不安です。後者は、話を聞いてもらうだけで、解決策がなくても安心できます。

話を聞いてもらえることは、若手だけでなく、この歳になってもありがたいことです。残念ながら、私は聞き上手ではなかったです。何人かの後輩たちからは「全勝さんに話を聞いてもらえた」と言われたことがあるのですが。まだまだでした。

支援型上司

2023年11月5日   岡本全勝

10月26日の日経新聞夕刊「私のリーダー論」、藤原美喜子アルファ・アソシエイツ社長の「カリスマより「サーバント」」から。

・・・研修などで管理職の卵たちと接し、求められるリーダー像が変わりつつあることを実感しているそうだ。いったいどんな変化なのか。

――ずばり、どんなリーダーが今、必要ですか。
「サーバント・リーダーシップを発揮できる人材です。サーバントという言葉は奉仕という意味ですが、『支援型』と言い換えるとよいかもしれません。部下の話をよく聞き、信頼感を醸成し、力を最大限発揮できるよう導く。自ら考え、自主的・積極的に行動する部下を増やすことをゴールとする。そんなリーダーシップの手法です」

――強烈なカリスマ性を有する人物が組織をぐいぐいひっぱる。こんなリーダー像はもう時代遅れですか?
「カリスマ型のリーダーは今は時代に合いません。黙って上司の言うことを聞けと言っても従順に従う人は若い世代ではいないでしょう」
「企業の管理職研修では約9割の人が部下について悩んでいます。指示したことはやるが自主的には動かないと」

――そんな状況下で、サーバント・リーダーシップはどう有効に働くのでしょうか。
「英国の投資銀行で働いていたころ、私が仕えたリーダーたちは部下の育成に自分の時間の半分くらいは割いてくれていた。それは、部下をちゃんと育てないと競争に生き残れないからです」
「研修を受ける管理職は、忙しくて部下を育てる時間がないとこぼす。でも私はそれは逆だと言います。部下が育っていないから上司であるあなたは忙しいのだと。部下のために時間を使い、ちゃんと育てたらあなたのために仕事をもっとするようになると」
「部下の話を聞きながら『君はここが長所だからそれを伸ばそう』と助言する。ミスが多ければ『こんなミスをしてはダメだ』ではなく、どんなミスが多いのかを部下と一緒に分析し、改善策を話し合う。そこまですると、部下の心は動き出します」

――従来のリーダー像とはだいぶ異なるため、モデルやお手本があまりないのでは。
「管理職は3つ、毎日部下に実行するだけでまずはいい。1つ目はおはようとか、体調大丈夫? など日常的な声かけをする。2つ目は部下が知らないことを減らそうという姿勢で教える。3つ目は部下の仕事を認めてあげる」
「子育てと似ている。そう思いませんか。子供には信号の青や赤の意味から教えていく。わからないことがあれば『誰でもそこから出発点だからね』と寄り添う。そんな上司がいたら、部下はもっとやる気が出せるはずです」