今日は、仕事の進め方について、お話しします。と言っても、その取りかかり方です。
拙著「明るい係長講座」では、年間業務予定表の必要性と効果を、書きました。 あれは、組織の業務管理です。今日は、それを前提に、各人の仕事の管理をお話しします。
もちろん、私の職場にも行事や業務の予定表があり、私自身も手帳に仕事の予定を書き込んで、スケジュールを管理しています。しかし、それは会議や懇談会などの「行事の予定」=「時間の予定」であって、自分で考え片付けなければならない「作業の予定」=「頭の予定」ではないですよね。
例えば、「13日13:00~14:00 校長講話」と、手帳に書いてあっても、それは行事・業務の予定であって、私がまずしなければならないことは、その準備(レジュメの作成、話す内容の骨子づくり)です。重要なのは、本番の前の準備です。しかし、それをいつするかは、手帳には書いてないのが普通でしょう。
また、私たちの職場では、一つの仕事に没頭しておればよい、ということは少ないです。同時にいくつも仕事を抱えていて、どれもが、なかなか片付かないことって、多いですよね。
仕事が縦一列に並んで、来てくれればよいのですが。それも、簡単な仕事から順に。アリくらいの仕事の後ろにネズミくらいの仕事が。ネズミの後ろにネコが。ネコの後ろにイヌが・・というように(笑い)。
世の中、そうはいきません。縦一列でなく、横一列や集団で、こちらに向かってきます。昔、夜店やゲームセンターの射的で、そんなのがありましたね。右に出てきたトラに照準を合わせると、左の方でゾウが出てきて。そっちに気をとられていると、また奥の方でライオンが出てきて・・。迷っているうちに、的が隠れてしまい、どれも倒すことができないのです。
私たちの抱える仕事も同じで、大物や小物が混在していて、いらいらします。夜寝る前とか、朝机に向かった時に、仕事がいろいろ浮かんで、憂鬱になったことって、ありませんか。
私は、仕事を、次のように整理しています。
まず、抱えている仕事を、紙(A4の罫紙)に書き出します。大物も小物も。その際に、「当面の仕事」と「中長期的課題」とに分けます。「当面の仕事」には、締め切り日を書きます。
そして、それぞれの中は、「本業」「副業」「その他」に分類しておきます。副業といっても、考え事の整理や原稿です。その他とは、雑事です。もちろん、「本業」が一番大切なのですが、「その他」に入っている仕事にも、気がかりなことは、たくさんあります。
「なーんだ、それだけのことか」と、がっかりなさる人も、多いでしょう。
しかし、「明るい係長講座」にも書きましたが、目に見える形にしないと、人は忘れます。さらに、書き出すことで、まずは全体がつかめて、一安心します。
頭の中にあるだけでは、ぐるぐる巡りをして、不安を増長します。「あれもしなければ」「これも片付けなければ」と思っていると、いらいらするだけで、ちっとも進みません。
次に、急ぎのものとそうでないものを分類することで、急ぎの優先順位が見えます。そして、大物と小物が見えて、どれに力と時間がかかるか、配分がわかります。このように優先順位をはっきりさせることで、本人は安心し、仕事も進みます。
「見える化」は、仕事を整理するために、とても重要なことです。
処理できた項目には、赤鉛筆で「済み」と書き込ます。この瞬間が、うれしいのですよね。途中まで進んだ項目には、「あと、××が必要」と書き込みます。
順に片付いて、赤鉛筆で消していくのですが、残念なことに新しい仕事が入ってきて、加筆され、項目が減ることはないのです。数日経って、メモが汚くなると、全体を書き換えます。
私は、こんなことを、1週間や10日ごとに、繰り返しています。
貼ってはがせるメモ用紙(ポストイット)に、処理しなければならない仕事を書き込んで、机に貼っている人もいます。あれは見た目がきれいでないことと、全体像がつかめない、優先順位が見えないので、私は採用していません。
ノートに書き込む人もおられますが、私は、1枚の用紙の方が見やすいのと、すんだら捨てる主義なので、ノートは使っていません。
皆さんも、それぞれ工夫してやっておられることでしょうが、私のやり方を「明るい係長講座」続編として書きました。