今日は、慶応大学法学部、公共政策論第11回の授業でした。三井住友海上火災保険株式会社の本山部長に来ていただき、企業の社会貢献について、お話しいただきました。
この授業では、社会(公共生活)を支えているのは、行政だけでなく、企業やNPOも大きな役割を果たしていることを説明しています。NPOについては、第7回の授業で、日本財団の青柳さんに来ていただき、話してもらいました。
企業については、どなたに来ていただくか、悩んでいました。企業の社会貢献は、本業、本業関連、本業とは関連が薄い貢献が、あります。
この会社を選んだのは、損害保険そのものが、社会を支えているからです。国民にとって、国家が基礎的な保険機能と最終の保険機能を果たします。前者は、例えば健康保険や失業保険です。後者は、例えば大震災での被災者支援です。
しかし、国家の前に、経済活動としての民間保険が、国民や経済活動のリスクを引き受けています。火災保険、自動車事故の保険、海外旅行の際の保険などなど。この機能がなければ、個人の生活も企業活動も、とてもリスクの大きなものになります。すると、本人が引き受けるか(破産する恐れがあります)、活動に乗り出さないか(新しい事業ができません)となります。
また、その事業の延長として、CSRに取り組んでいます。今日は、そのお話をしてもらいました。
この会社が取り組んでいる「事故防止、防災・減災」「気候変動への対応」「高齢社会への対応」「地域社会の発展」という4つの項目。これらは、私が授業で「社会のリスク」として取り上げた項目です。学生諸君には、すんなりと理解してもらえたと思います。
これまでの私の講義に関して、学生からは「企業は、本業とCSRをどのように関連づけているのですか」「儲からないCSRに支出することについて、株主は納得するのですか」といった質問も、寄せられていました。
本山部長の説明は明快で、私も勉強になりました。ありがとうございました。