カテゴリーアーカイブ:行政

他自治体からの被災地への職員応援

2024年2月12日   岡本全勝

能登半島地震の被災自治体に、他の自治体から職員が支援に入っています。報道でも取り上げられています。

「能登半島地震の被災地では、少なくとも1千人超の自治体職員が全国から集まり、被災自治体の業務を支援している。派遣先は主に、「対口(たいこう)支援」の方法で割り振られた。災害が続く近年、経験の共有とともに、自治体同士がスムーズに支援し合える取り組みが進む・・・」1月26日の朝日新聞夕刊「つながり深まる自治体支援 能登へ職員派遣 全国から1千人超、国が橋渡し

「能登半島地震からの復旧に向け、被災自治体ごとに支援役の自治体を割り振る「対口(たいこう)支援」が採用されている。ペアになることで役割を明確にし、やりとりを円滑にする狙いがある。サポート体制を強化するには災害に強い人材の育成も必要になる・・・」1月29日の日経新聞「被災地と支援自治体をペアに 役割明確化

被災自治体では突然に膨大な、そして経験したことのない仕事が生まれます。被災者支援、避難所運営、がれき片付け、仮設住宅斡旋、町の復旧などなど。国も支援に入りますが、自治体事務は自治体職員が慣れています。
東日本大震災から、他の自治体が応援職員を派遣することを本格的に始めました。姉妹盟約を結んでいる自治体同士もありますが、総務省が斡旋する仕組みを作っています。「被災地方公共団体に対する人的支援の取組」。制度の解説とともに、実際の活躍風景を載せてくれると、わかりやすいのですが。

難民申請者、滞る公的保護

2024年2月11日   岡本全勝

1月23日の日経新聞に「難民申請者、滞る公的保護 来日増で手届かず「野宿」も」が載っていました。

・・・難民認定を申請中で困窮する外国人に対する公的補助が滞っている。こうした人には「保護措置」として国が最低限の生活費などを支給するが、決定まで半年以上かかる例が後を絶たない。新型コロナウイルス禍の入国制限が緩和され、対象者が急増したためだ。民間団体の支援からもこぼれ、野宿を余儀なくされる人もいる・・・

こんなことが起きているのですね。本文をお読みください。

板垣勝彦著『行政手続きと自治体法務』

2024年2月5日   岡本全勝

板垣勝彦著『行政手続きと自治体法務』(2024年、第一法規)を紹介します。
板垣先生は横浜国立大学教授であり、実務経験をも活かした、公務員に役に立つ著書や論文をたくさん書いておられます。市町村アカデミーでも、人気の講師です。

宣伝文には、「自治体における行政手続について、行政手続法や個別法・条例・判例など、法務の観点から解説。公正・透明な行政手続の実現のために注意すべきポイントや手続の改善方法等が理解できる」とあります。
自治体職員向けに、個別事例(自治体が敗訴した事例)も紹介して、実務で問題になる点を説明しています。
現場で役に立つ本です。

かつての政と官

2024年2月4日   岡本全勝

日経新聞「私の履歴書」1月は、元財務次官の武藤敏郎さんでした。

15日の「政官関係」に、次のような話が載っています。
・・・細川護熙非自民連立政権の1994年度予算編成の話を続ける。社会保障担当の主計局次長として、野党自民党きっての厚生族議員である橋本龍太郎政調会長に状況を報告しなくてはと考えた。自民党本部を訪ねると、閑散として人の出入りがほとんどない。
橋本さんは「我々は野党だから、次長さんのような偉い人がわざわざ来なくていいよ」と皮肉交じりの口調で話された。真顔に戻ると「僕は自民党と大蔵省は夫婦みたいな関係だと思っていたよ。だけど、いざ下野すると、役人どもは冷たいね」とつぶやかれた。
私は「官僚は時の政権に仕える立場なので・・・」と口ごもった。橋本さんは「それはきれい事だな」と納得されなかった。自民党が大蔵省に向ける視線は厳しかった・・・

20日の「主計局長」には、次のような話が載っています。
・・・私は2001年に情報公開法の施行を控え、予算編成の透明性の向上が重要な課題になると考えた。族議員や各省と密室で調整を重ねるばかりでは、財政再建にも限界がある。国民の理解を深めるオープンな情報発信の努力も必要だと思った・・・

OECDの対日経済審査報告書

2024年2月1日   岡本全勝

1月11日に、経済協力開発機構(OECD)が2年に1度の対日経済審査の報告書を公表しました。ウエッブで「主な結論」をクリックすると、日本語の要約を読むことができます。
日経新聞、1月12日「日本に定年制廃止を提言 OECD、働き手の確保促す」は、次のように伝えています。
・・・経済協力開発機構(OECD)は11日、2年に1度の対日経済審査の報告書を公表した。人口が減る日本で働き手を確保するための改革案を提言した。定年の廃止や就労控えを招く税制の見直しで、高齢者や女性の雇用を促すよう訴えた。成長維持に向け、現実を直視した対応が求められる。

OECDは高齢者や女性、外国人の就労底上げなどの改革案を実現すれば出生率が1.3でも2100年に4100万人の働き手を確保できると見込む。出生率を政府が目標とする1.8まで改善できれば5200万人超を維持できるという。

高齢者向けの具体策では、定年の廃止や同一労働・同一賃金の徹底、年金の受給開始年齢の引き上げを提示した。
OECDに加盟する38カ国のうち、日本と韓国だけが60歳での定年を企業に容認している。米国や欧州の一部は定年を年齢差別として認めていない。
日本で定年制が定着した背景には、年功序列や終身雇用を前提とするメンバーシップ型雇用がある。企業は働き手を囲い込むのと引き換えに暗黙の長期雇用を約束することで、一定年齢での定年で世代交代を迫った。
職務内容で給与が決まる「ジョブ型雇用」は導入企業が増える傾向にある。岸田文雄首相は23年10月の新しい資本主義実現会議で「ジョブ型雇用の導入などにより、定年制度を廃止した企業も出てきている」と述べた。
OECDは年功序列からの脱却などを指摘するが、大企業を中心にメンバーシップ型の雇用は根強い。マティアス・コーマン事務総長は11日の都内での記者会見で「働き続ける意欲が定年制で失われている」と強調した・・・

このほか、次のような項目も提言しています。
・段階的な消費税増税などの税収確保
・年功序列賃金からの脱却
・同一労働・同一賃金の徹底
・非正規労働者の被用者保険の適用拡大