カテゴリーアーカイブ:著作と講演

連載「公共を創る」第168回

2023年11月9日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第168回「政府の役割の再定義ー日本の経済と働き方の特徴」が、発行されました。

行政機構の目標と評価について、官僚の説明責任を論じています。官僚ももっと自分たちの仕事を記録して、公表すべきだということです。私が素晴らしいと感じた著作を挙げました。一つは、黒江哲郎・元防衛事務次官の「防衛事務次官 冷や汗日記 失敗だらけの役人人生」です。この本については、このホームページでも紹介しました。
もう一つは、大村慎一・前総務省新型コロナ対策等地方連携総括官兼地域力創造審議官の執筆による「新型コロナウイルス感染症対策に関する地方連携推進の取組」です。これについては先月紹介したばかりです。

続いて、日本の経済発展と停滞の原因が日本型の職場慣行にあるとして、その説明をしています。日本の経済力、生産性の低さ、長時間労働を説明するために、図表も付けてあります。

連載「公共を創る」第167回

2023年11月2日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第167回「政府の役割の再定義ー組織における評価のあり方」が、発行されました。行政が国民の期待に応えるよう方向転換するために、行政組織にも目標設定と評価の仕組みを導入すべきであることについて議論しています。

各省が出す白書は、政策の動向と成果を整理したもので有用ですが、組織や政策の中長期評価には、1年単位ではなく、5年や10年での評価が必要でしょう。その際に、自己評価も価値がありますが、第三者による評価も重要です。

政策や組織の評価を行うのは、それらが与えられた目標を達成国民の期待に国民の期待に応えているかを判断するためです。そのような評価は、各政策と組織を単体として、かつ時系列で見て課題解決の状況を知ろうとするものです。
他方で評価には別の機能もあります。複数の政策を並べて評価し、資源(人と予算)をどのように配分するかを考えるというものです。もっとも、これは異なった政策目標間の比較であり、数値化による比較は不可能です。

組織の業績評価について、もう一つの評価があります。それは、何を達成したかでなく、何をしなかったかに注目するものです。「新しい社会の課題に答えていない」という官僚批判は、何を達成したかではなく、何に取り組んでいないかによるものだと考えられます。各省が「これをしました」「あれもやりました」と実績を誇っても、国民が期待している新しい課題への取り組みを行っていなければ評価は上がりません。これを防ぎ、是正するためには、どのようにすればよいのか。
まずは、各局長が所管範囲を見渡し、新しくどのような問題が生じているかを発見し、取り組むべき課題として俎上に載せることとでしょう。

JICA上級国家行政で講義

2023年10月31日   岡本全勝

今日10月31日は、JICA上級国家行政研修で講義をするため、幡ヶ谷のJICA東京に行ってきました。この研修の趣旨は、実施要領によると次の通り(一部を抜粋します)。
「開発途上国の社会経済の発展のためには、その基盤となる各国のガバナンス能力の向上が必要不可欠である。途上国の社会経済の発展を図る際に、政府・公務員に期待される役割は大きく、幹部公務員の政策企画立案能力および行政管理能力等の向上を図ることは途上国の重要な政策課題の一つである。
本研修は、我が国の戦後の発展過程における経験を参考としつつ、我が国の行政における政策形成の最近の動向や開発途上国における発展・開発のあるべき姿を、その歴史的な経緯を含めて紹介する。これにより、政策形成に関与する中央政府上級幹部の政策企画立案能力および行政管理能力を向上させることを目的とする。」
参加国は、次の14か国です。バングラデシュ、カメルーン、ガーナ、ギニア、ラオス、リベリア、マダガスカル、マレーシア、ナイジェリア、北マケドニア、パプアニューギニア、フィリピン、タンザニア、イエメン

3週間、しかも母国へ還元する報告書作成と発表もある、なかなか厳しい研修です。
東日本大震災の経験を基に、政府幹部の役割を話しました。皆さん熱心で、質問も盛りだくさんでした。混乱時での政治家からの要請を断る術や、民間分野との連携に興味を持ってもらったようです。もう一つは、こんなに大きな金額を使って汚職はないのかです。
私の講義は「素晴らしい」と褒めてもらえました。お世辞でもうれしいですね。
この10月は、合計7つ講演をしました。

連載「公共を創る」第166回

2023年10月26日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第166回「政府の役割の再定義ー組織の目標と評価ーそのあるべき姿を探る」が、発行されました。

各行政分野での方向転換を行うため、各省の局長による所管行政の課題と取り組み方針を公表してはどうかと提案しています。局長が発表した事例として、2つを紹介しました。
一つは、 藤井直樹・国土交通省自動車局長(当時。その後に国土交通省事務次官)が、季刊『運輸政策研究』(運輸総合研究所)2016年10月号に寄稿した「自動車を巡る課題―コンプライアンスと技術革新」です。そこには、自動車行政直面している新しい課題が取り上げられています。
もう一つは、吉川浩民・総務省自治行政局長の論文「協調と連携の国・地方関係へ~コロナ禍とデジタル化を踏まえて~」(月刊『地方自治』(ぎょうせい)2022年1月号)です。そこには、局長の体験を基に考えた、地方分権改革から20年間の成果と課題、喫緊の課題では新型コロナ対策で見えた地方行政の課題、自治体の大きな課題である電子化への取り組みが書かれています。

浜松市管理職研修講師

2023年10月24日   岡本全勝

今日10月24日午後は、浜松市で管理職研修に行ってきました。午前中に市町村アカデミーで講義して、昼の新幹線で移動しました。
事前に、参加者から質問や悩みを出してもらいました。すごい数の提出がありました。皆さん、悩んでおられるのですよね。もっとも、本邦初の悩みはなく、いくつかに分類されますが、似通っています。
私自身も職員として悩み、また管理職として悩み、そして同僚や部下が悩むことを見たのですが、乗り越えると「なーんだ、みんな同じことで悩んでいるんだ」と気がつきました。それで、「明るい公務員講座」を活字にしようと考えたのです。

中野祐介市長とも、会ってきました。私が総務省官房総務課長の時、課長補佐として支えてくれました。当時から優秀でしたが、同僚が立派になっていることは、うれしいことです。

昨日今日の2日で、3つの講義講演をこなしました。頭がこんがらないようにするのが、大変です。