カテゴリーアーカイブ:社会の見方

会社社会の終焉

2005年4月25日   岡本全勝
24日の朝日新聞は、「幸せ大国-未来を選ぶ」第4回「変容する会社社会」を載せていました。戦後日本の多くの企業は、終身雇用・年功序列・企業福利で社員を取り込みました。このほかにも、退職金制度・子会社への天下りなども、会社への取り込みを支えました。これが成り立ったのは、右肩上がりの経済成長と、各業界と国内での「鎖国」です。職員側も、それが居心地良かったのです。もっとも、会社の文化に同調しない人にとっては、苦痛だったでしょうが。
経済成長がなくなったら、そして異業種や諸外国との競争が始まると、これらの制度は成り立ちません。また、職場を変えようとする若者にも、不利な制度です。
「会社人間」が成り立たなくなっている日本社会で、最後に残っている会社人間制度、また最後までしがみついている会社人間が、公務員だという指摘があります。そこには競争がないから、そして過去の栄光にしがみついているからです。

人口減少

2005年2月11日   岡本全勝
少子高齢化・人口減少は日本だけでなく、いくつもの国で大きな問題になっています。ロシアでは人口が減少し、平均寿命は60歳を切っているそうです。中国は、国策として産児制限をしています。先進諸国は、子育てに力を入れています。イスラエルでは、アラブの「子沢山」に負けないよう、出産を奨励しています。ここに、少子化に対する政治対応の差が見えます。
中国では老後の保障制度が十分でなく、急速な高齢化・経済発展・富裕層と農民や都市の貧困層との分裂が問題を大きくします。ブッシュ大統領は、年金改革を1番目の課題としました。
日本経済新聞の連載「人口が変える世界」、同じく「ゼミナール・人口減少と経済」などをお読みください。

共同体の成員とは

2005年1月24日   岡本全勝
宮島喬著「ヨーロッパ市民の誕生-開かれたシティズンシップへ」(2004年、岩波新書)が、興味深かったです。ここで言うシティズンシップは、国籍とか市民権(自由権・政治的権利・社会保障の権利)ではなく、「共同体に参加する」ということです。
これまでの主権国家システムでは、「国籍」があることを前提として、納税や兵役の「義務」を果たすことで「成員資格」が与えられ、「参政権」が認められ、「社会保障」が受けられました。しかしそれだけでは、共同体に参加しているとはいえず、言語や歴史・習慣・宗教といった「共同体への参加」も重要です。たとえば、かつて「女子ども」は一人前でなく、今も「外人さん」は日本社会の完全な成員ではありません。
ヨーロッパは、この問題に正面から取り組んでいます。主な原因は、移民の増加です。かつてヨーロッパはアメリカ大陸へ移民を送る方でしたが、今や受け入れ国なのです。それは、旧植民地からの移住者、労働力の受け入れ、難民の受け入れです。その際に、まず誰に国籍を与えるかという問題と、次に国籍の有無にかかわらず「共同体への参加」をどうするかの問題があります。後者については、去年ヨーロッパに行ったとき感じたことを、【異質なものとの共存】として書きました。
いずれ、日本も直面する問題だと思います。日本ではまだ大きな問題になっていませんが、それは実態はあるのに目をつむっている、とも言えます。旧植民地からの移住者については、在日の人がおられます。労働力としての受け入れては、南米からの日系人などのほか、「不法滞在者」がいます。難民については、「受け入れない」という扱いがあります。すでに「単一民族神話」は崩れているのですが、誰にまで国籍を与えるかという問題、どのようにして日本社会に受け入れるかの両方の点で、まだ覚悟はできていないようです。
「内政派の岡本が、なぜヨーロッパの市民権を・・・」と思われるかもしれません。しかし、日本社会にどっぷり浸かっていると気づかない問題を知ることは有益ですし、「地域社会とは何か」を考えるいい教材だと思います。もっといろいろ勉強になることが書かれていますが、それは本書をお読みください。

署名記事

2005年1月20日   岡本全勝

20日の読売新聞は解説欄で、青山彰久記者が「全国知事会の力、分権改革へ責任ある政策提案が必要」を主張しておられました。賛成です。思うのですが、こういう記事を、なぜインターネットで読めないのですかねえ。それでも、署名入りの記事は、良いですね。責任がはっきりして。
今年から、朝日新聞が署名入り記事を増やしたのは、良いことだと思います。それに比べ、最悪は社説です。「社説」ですよ。その新聞社の職員が全員、そのような主張をしているとは思えません。毎日、職場で多数決を取っているとも思えませんし。少数意見はないのでしょうか、朝日、読売、毎日、西日本、南日本、北日本・・。
僕が社員だったら、耐えられませんね。「職員みんな同じ意見を持て」なんて。何を言ってもいい自治省・総務省に就職してよかったです。
すくなくとも、書いた記者の名前を、明記できないのでしょうか。でも匿名に関してもっとひどいのは、公務員ですかね。うーん、言っていることに矛盾がありますね。

平成17年度国の予算案

2004年12月24日   岡本全勝

昨年、警察官の増員に関し、「財務大臣は、地方警察官を3150人増員し、3.5億円を認めた」という記事を笑いました(→マスコミ論)。今年は既に18日に、地方財政対策の中で、3500人の増員が発表されました。読売新聞なども、「総務大臣が3500人の増員を認めた」と報道しています。さて、各紙は、国の予算をどう報道するでしょうか。(2004年12月21日)

また、やってくれましたね。23日の朝日新聞は、「復活折衝の主な結果」に「警察庁:地方警察官3500人増員=3億円」と載せていました。3億円で3500人。1人当たり8万6千円です。「激安警察官」。
書いた記者や載せたデスクは、何を考えているのでしょうかね。進歩がありませんね。でも、財務大臣と国家公安委員長の折衝って、何を議論していたんでしょうか。(12月23日)

朝日新聞だけを取り上げると不公平なので、他の新聞も指摘しておきましょう。読売新聞も23日、「閣僚折衝で復活した主な項目」で「警察庁:地方の警察官3500人増員(3億7400万円)」を載せていました。この社は、既に「総務大臣が、3500人増員を認めた」と報道したのにもかかわらず、再度こんな記事を載せています。矛盾した記事を載せて良いのですかね。
総務省のPRが不足なのか、地方公務員を増員するのは財務省の仕事と思っている新聞記者が悪いのか、10万円で警察官が一人雇える(年間ですよ)という記事を変に思わないデスクが悪いのか・・。僕のこのHPは、読まれていないということか。来年はどうなるかな。