カテゴリーアーカイブ:社会の見方

会計士による不祥事調査

2011年3月7日   岡本全勝

3月7日の日経新聞法務欄は、「特命会計士活躍」でした。企業で発覚した不祥事の調査を、委託を受けた公認会計士が行うという話です。強制力は持っていませんが、電子メール記録の解析、文書や帳簿の調査をして、本人の自白を引き出すのです。推理小説のようですね。記事には、近年の企業の「不適切な会計処理」による不祥事の例が、表になっています。
管理者からすると、身内の調査ではいかに正しくても、なかなか世間の人に信用してもらえません。部外者を入れることで、信用度が高まるのでしょう。第三者による調査が、用いられるのです。もちろん、管理者からすると、隠したいことがあっても、隠すことはできなくなります。もし、会計士が「共謀して」隠すと、後で発覚すると信用をなくすことになります。アメリカのエンロン事件では、世界最大級の会計事務所が解散に追い込まれました。

政策拡充の効果検証、育児休業制度

2011年3月6日   岡本全勝

3月4日の日経新聞「経済教室」は、大石亜希子千葉大准教授の「非正規社員の育休重視を」でした。
育児休業制度が法制化されて、19年になるのだそうです。まだ新しいのですね。この間、休業中の所得保障も拡充され、賃金の50%になっています。これは、OECD各国の平均を、上回っています。2009年度にこの給付を受給した人は、18万人です。しかし、年間出生数の2割でしかないのです。また、7割の女性は仕事を辞めていて、就業継続率はほとんど上昇していません。
教授の分析では、正規雇用社員は育児休業を取得し、就業を継続しています。しかし、非正規雇用が増え、彼女たちは就業を継続していないのです。25歳から34歳の女性雇用者のうち非正規雇用の割合は、1995年には27%だったのが、2010年には42%にもなっているのです。

ところで、この論文の中に、次のような耳の痛い記述があります。制度が拡充してきて、OECD各国を上回ったという指摘に続いてです。
・・ところが、このように相次ぐ育児休業給付の拡充が、実際に育児休業の取得を促進し、女性の就業継続率を引き上げる効果をもっていたかどうかは、これまでまったく検証されてこなかった。政策評価の観点からは、驚くべきことといえよう・・

古新聞の回収

2011年3月5日   岡本全勝

私の住んでいる地域では、区役所によるごみと資源の回収の他に、新聞配達店が古新聞を回収してくれます。新聞社によって違うのですが、A新聞は毎月第1土曜日が、回収日です。今日が、その日でした。
回収用の紙袋が配られ、それに入れて早朝に出すと、トラックで回収していきます。そして、袋1つにつき、トイレット・ぺーぺーを1個くれます。回収した古紙を再生したという「しるし」でしょう。1紙1か月で、だいたい2つになります。わが家は2紙取っているので、毎回3~4つもらえます。他社の新聞も、回収してくれるのです。
なかなか良くできた制度だと思います。分別してきちんと出そうという気になります。一家庭にとっては、大した金額ではないのですが。トラックの荷台に積まれた古新聞の量を見ると、大変な量の回収です。
区役所の資源回収もかなり進んでいて、プラスチック類、ペットボトル、古紙、缶、瓶などを決まった日に、回収してくれます。でも、先に書いた古新聞の場合は、トイレット・ぺーぺーをもらえるという、目に見える形(再生した)が、やる気を起こさせます。

戦後の後

2011年3月3日   岡本全勝

3月2日の朝日新聞オピニオン欄は、「日はまた昇るか」として、アメリカの日本専門家2人の主張を載せていました。ハーバード大学ゴードン教授は、次のように述べています。
・・問われているのは『戦後の後』の日本のあり方です。ふたつの問題があります。ひとつは、欧米先進諸国に追いつこうとこれまでやってきて、その目標を達成したのですが、今度は自国の経済が低迷し、後ろからは新興国が猛追しています。もうひとつは、少子高齢化です。日本が考えねばならないのは、経済が縮小するときにどのような道を選ぶのか、労働人口が減るときに生産力をどう補い、安定した暮らしを維持し続けるのか、という課題なのです・・
・・日本が直面する課題は、高度成長を支えた条件が崩れた後、限界ある状況下でどう生きるかということです。これは、実は日本だけでなく先進諸国共通の課題であり、新興国もやがては直面する問題です。日本は他の国に先んじて挑戦するだけなのです・・
・・日本はこれらの問題を解決したわけではありませんが、ポスト工業社会という状況を最初に経験するということは、他者に知恵を与えるポジションにあるわけです。かつての高度成長のように心躍るモデルではないでしょうが、依然重要な仕事です。昔はよかったとノスタルジーにひたり、後ろ向きになってはいけません、日本は新しい役割を追求すべきです・・

自信のない日本の若者

2011年2月26日   岡本全勝

日米中韓の4か国の高校生を対象とした調査結果が、報道されていました。25日の読売新聞、26日の日経新聞など。調査は、心と体の健康についてですが、興味深いのは、自己評価についてです。
「私は価値のある人間だと思う」は、日本7.5%、米国57.2%、中国42.2%、韓国20.2%です。
「自分を肯定的に評価するほう」は、日本6.2%、米国41.2%、中国38.0%、韓国18.9%。
「私は自分に満足している」は、日本3.9%、米国41.6%、中国21.9%、韓国14.9%。
「自分が優秀だと思う」は、日本4.3%、米国58.3%、中国25.7%、韓国10.3%。
いずれも、日本が飛び抜けて低いです。本心から思っているのでしょうか、内心は別だけど謙虚に振る舞っているのでしょうか。心配になります。
親との関係においても、日本の高校生は、自分の優秀さを親が評価していることへの肯定率が低いとのことです。米国91.3%、中国76.6%、韓国64.4%に対し、日本は32.6%です。
このような傾向は、本人が一人で考えて身につけたものというより、社会の風潮を学んだ、影響を受けたことの方が大きいと思います。私たち親の言動、マスコミの言動が、このような傾向をつくっているとしたら、私たちの責任ですね。