カテゴリーアーカイブ:社会の見方

新聞記者のツイッター記事

2012年5月9日   岡本全勝

5月1日の朝日新聞が、「記者ツイッター、あり方は」を、特集していました。朝日新聞では、記者が、朝日新聞の記者を名乗って、肩書きを公表して、ツイッターを発信しています。そのガイドラインも、発表しています。
私は、ツイッターを読んでいないので、詳しいことは論評できません。しかし、新聞記事のあり方を問う、基本的な問題に触れると思います。
ツイッター記事は、記者が個人ではなく、新聞社の一員として書くことです。「記事の内容は社を代表するものではない」とガイドラインは書いていますが、それは当然でしょう。しかし、代表しないとしても、記者の書いたツイッターが「事件を起こした場合」に、社は責任を問われるでしょう。
その点で、「署名」と「社の意見」という点からは、記者が書くものは「ツイッター記事」「本紙の署名記事」「無署名記事」「社説」に別れると思います。
そのような観点からは、新聞の署名記事と、ツイッターはどのような点が違うのでしょうか。署名記事は、社を代表するのでしょうか。
「社の組織による編集」をどう考えるかです。
さらに触れるなら、社説とは何でしょうか。これは「社を代表する意見」だと思いますが、記者はそれに縛られるのでしょうか。特定のテーマについて、社内にもいろんな意見があると思います。どのような手続で、意見を集約して「社の意見」としておられるのでしょうか。議事録はあるのでしょうか。ある論説委員の署名の意見なら、理解できるのですが。

日本企業人材の国際化

2012年5月8日   岡本全勝

4月30日の日経新聞オピニオン欄「グローバルオピニオン」は、スイスIMD学長のドミニク・テュルパン氏の「日本企業に多様性必要」でした。IMDは、世界各国の競争力ランキングを発表することで有名です。
・・長年日本をウオッチしてきた私にとって、日本企業に元気のない現状はとても残念だ。世界経済が大きく姿を変えつつあるなかで、日本企業はうまく対応できていない。あるいは日本の社会そのものも、豊かさを達成したことに満足し、以前は旺盛だった外への関心を失っていると思う。
日本企業の弱点は、多様性の欠如だ・・
・・日本には昔からジョブローテーションという優れた仕組みがあり、自分の専門の分野だけでなく幅広い業務を経験させることに熱心だった。自動車会社のエンジニアなら、エンジンの開発ばかりではなく、生産なども経験することで視野を広げ、タコつぼ化を避ける狙いだ。
だが、世界のさまざまな市場を渡り歩かせて、キャリアを積ませるネスレ型のグローバルローテーションはほとんど実践されていない。グローバル人材は、一朝一夕には養成できない。長期を見すえたブレのない取組が必要だ・・

外国人が日本で買っていく物

2012年5月4日   岡本全勝

外国人観光客が、日本で買っていく物はなんだと思いますか。日経新聞電子版の「映像ニュース」が伝えていました。「映像ニュース」の「話題・特集」から、「秋葉原で外国人に人気の商品」(前編)(後編)をご覧ください。
かつて日本人のヨーロッパ旅行の土産は、お酒、たばこ、チョコレートでした。その後、ブランドものの鞄やネクタイ、時計などに変わりました。アジアの人たちが日本で買っていく物には、意外なものがあります。
あなたなら、外国からのお客さんに何を勧めますか。私は文化的なものだと、東京国立博物館のミュージアムショップが、外国の方におもしろいのではないかと、紹介していました。他には、スーパーマーケット、ドラッグストア、文房具店などが、日本人の現在の暮らしを見てもらえるので、お勧めかなと思っています。
「これぞ日本だ」というものが思い浮かびませんが、和菓子屋さんも良いですよね。もっとも、生菓子は持ち帰ることはできませんが。

海外で売れるクールな日本製品

2012年5月2日   岡本全勝

5月2日の日経新聞「会社研究」は、三菱鉛筆を取り上げていました。
デジタル製品が次々と進化する中、地味に見える鉛筆やボールペンですが。連結売上高の4割を、海外で稼いでいるとのこと。握る部分にゲル状のバンドを巻き書きやすくしたボールペン「ユニ アルファゲル」は、韓国で売れています。福岡県の免税店で、韓国人観光客がこのペンを大量に買うようになりました。価格は、韓国の一般的なペンの5倍するそうですが、日本製のペンをクール(格好いい)と見る学生に人気が広がったそうです。このHPでは、なめらかなボールペンの「ジェットストリーム」を紹介したことがあります(2011年6月26日)。
もっとも、新興国では、フランスのBICが先行しています。

スーパーマーケットで考えるマイケル・サンデル

2012年4月23日   岡本全勝

食品の安全を確保するため、食品中の放射性物質の基準が、4月1日から改められました。簡単に言うと、これまで1キログラム当たり500ベクレル以下であったものを、100ベクレル以下にと厳しくしました。すなわち、200ベクレルの魚は、売ってはいけなくなりました。
ところが、より高い安全を売り物にする商店にあっては、国の基準よりさらに厳しい基準で品揃えをしています。たとえば「我が店では、国の基準の半分である50ベクレル以下の商品しか扱いません」と宣伝するのです。
これは、より安心を求める消費者の求めに応じようとするものです。

排気ガスの少ない自動車や消費電力の少ないテレビが、消費者に喜ばれるのと同じです。これはよいことですよね。
ところが、農水産物の場合は、少し事情が異なります。水揚げされた80ベクレルの魚は、スーパーに引き取ってもらえなくなります。水産業としては困るのです。

さて、ここからがマイケル・サンデル教授の出番です。
あなたが、スーパーの店長だとします。あなたの弟が被災地で漁師をしていて、「兄貴、80ベクレルの魚を買ってくれ」と売り込んできたらどうしますか。もちろん、原発事故以前は、その魚を買い付けていました。
さらに、隣のライバル商店が、「国の基準より厳しい自主基準」を売りにしている場合は、どうですか。

(注)大手スーパーのイオンでは、主な食品を50ベクレルとしています。農林水産省では、業者が自主検査する場合も、国の基準に従うことを求めています(平成24年4月20日通知)。