カテゴリーアーカイブ:社会の見方

政策の意外な副作用

2014年7月20日   岡本全勝

日経新聞1面連載「規制、岩盤を崩す」7月18日は「空き家放置が合理的。新築優遇、人口減で裏目に」でした。東京都大田区の木造2階建てアパート大和荘、築46年で10年以上前から誰も住んでいません。朽ち果てて、危険な状態なのでしょうね。区役所は、再三、持ち主に対処を求めましたが、らちがあかないので、同意を得ずに代執行で取り壊しました。
なぜ放置されているか。持ち主の男性(94歳)に聞くと、「取り壊して更地にすると、土地の固定資産税が跳ね上がるから」だそうです。
・・固定資産税には、住宅が建っている土地の税額を本来の6分の1に抑える優遇措置がある。大和荘の約150平方メートルの土地にかかる固定資産税は今年度まで約8万円だったが、更地になる来年度からは優遇が減って約30万円になる。
税の優遇措置が始まったのは高度成長期の1973年。人口増に住宅の供給が追いつかず、農地などの宅地化を進める目的で取り入れた。それが「いまでは空き家を撤去せずに放っておく誘因になってしまった」(富士通総研の米山秀隆上席主任研究員)・・
私も、この優遇措置を受けています。それが、意外な副作用を生んでいるのですね。

W杯ドイツの活躍、移民政策

2014年7月16日   岡本全勝

サッカーのワールドカップを見ていて、ヨーロッパ各国もアフリカ系の選手が多いなと思っていました。優勝したドイツはどうなんだろうと思っていたら、7月15日の読売新聞国際面「独、移民融合のV」に解説がありました。
登録23選手中、移民系選手は6人です。得点記録を作ったクローゼ選手は、ポーランド出身だそうです。他に、トルコ系、ガーナ系の選手もいます。前回2010年の大会では、11人だったそうです。
2012年にドイツに来た永住型の移民は約40万人で、今やアメリカに次ぐ多さだそうです。総人口に占める移民系住民の割合は、20%に達しています。政府の政策として、少子高齢化による労働力不足に備えて、移民を受け入れ教育の機会を与えているのです。

事実の一部だけを報道する

2014年7月15日   岡本全勝

今朝7月15日の産経新聞に、興味深い記事が載っていました。「閣議決定、地方の「支持」鮮明 「反対・慎重」意見書案38議会が否決」です。
・・集団的自衛権の行使を容認する政府の閣議決定に対し、47都道府県議会と20政令市議会のうち、今年に入って38議会が閣議決定に反対・慎重な対応を求める意見書案や請願を否決、不採択としていたことが14日、分かった。意見書の可決は5議会にとどまり、半数以上の議会で政府への支持が表明された格好だ・・
興味深いのは、記事の後段です。
・・集団的自衛権の行使容認に反対・慎重な地方議会については、一部のメディアが今月1日の閣議決定前に盛んに取り上げ、「地方議会で異論相次ぐ」(6月30日放送のNHKニュース)、「地方黙っていない」(毎日新聞6月28日付朝刊)と報じていた。ただ否決した議会の数には触れていなかった・・
う~ん、事実だとすると、かなり意図的な報道ですね。

政策より政局に関心があるメディア

2014年7月14日   岡本全勝

7月13日の朝日新聞、「日曜に想う」、星浩・特別編集委員の「野党よ、再編ゲームより論戦を」から。
・・ところで、政界再編騒ぎのたびに、メディアの報道ぶりを考えさせられる。あまりも大げさに取り上げる傾向があるからだ。みんなの党の山内康一国会対策委員長からこんな体験を聞いた。
民主党や維新の若手議員と安全保障問題の勉強会を続けている。毎回5人から10人が参加。取材する記者はほとんどいなかった。ところが昨年秋、突然、36人の野党議員が顔をそろえた。多くのテレビカメラや取材記者が殺到した。どうやら、維新の議員が「野党再編に向けた会合が開かれる」とメディアにささやいたことで、騒ぎになったらしい。
「野党議員の政策勉強だと関心は持たれないが、再編となると、がぜん注目される。メディアの体質がよく見えました」と山内氏は苦笑いする。メディア側は、純粋な勉強会だと分かった後は取材に来ていないそうだ・・

メディア界の焼き畑農業

2014年7月13日   岡本全勝

7月13日の朝日新聞広告欄のインタビュー「仕事力。手嶋龍一が語る仕事、第3回」から。手嶋さんは元NHK記者です。このホームページでは、『1991年日本の敗北』(1993年、新潮社)の著者として紹介しています2008年1月11日
・・メディアの世界は大きな出来事が向こうから押し寄せてきます。まじめな若者ほど全力を出し切ってニュースに立ち向かう。早朝から深夜までデスクの指示を真に受けて働き詰めです。これではくたびれるだけでなく、知的にも油が切れてしまう。そう「メディア界の焼き畑農業」なのです。でも日本では、干からびると早速前線から放り出してしまう。ジャーナリストがこれほど若くして現場を離れる国は見たことがありません・・
このインタビューには、湾岸戦争開戦前夜、ブッシュ大統領に同行してサウジアラビアに行った際の、ワシントン・ポスト記者の働きぶりも載っています。お読みください。