カテゴリーアーカイブ:社会の見方

ジャパンタクシー

2018年7月9日   岡本全勝

東京の町中を走るタクシーが、新しい形に変わりつつあります。
ジャパンタクシー」と呼ぶのだそうです。形は、写真を見てください。これまでの多くのセダン型ではなく、ワゴン型です。背が高く、ロンドンタクシーに似ています。

私は、タクシーを余り利用しないのですが。セダン型より背の高いロンドンタクシー型がよいと思っていました。低い天井と低い座席は、乗り込みにくいですよね。
先日、乗る機会がありました。天井が高いので室内が広く、椅子に座っている感じが良かったです。
難点を言えば、東京のこの形のタクシーは、黒が多いのです。もう少し明るい色になりませんかね。
また、天井についている「提灯」を、車体と似合う形に作れないのでしょうか。トヨタによる基本形は、天井の前方に横四角についていて、似合っているのですが。実際に走っているタクシーは、どの会社の提灯も、天井真ん中に目立つような色と形(提灯と呼ばれるように)で乗っていて、この車体の形と色に不釣り合いなのですよね。

車いすも、乗ったままで乗ることができます。映像(ページ上大きな写真の右下の「車いすの乗降方法」)をご覧ください。
少し注文があります。このビデオ、「チャプターいち」「ロッド」「タンブル」「ストライカー」「スカッフプレート」といったカタカナが出てきます。わかりましたか。「ピンが干渉する」といったことばも。
さらに、全部を見るには30分ほどかかるようです。安全のためには、必要なのですが。

アメリカ政治とメディアの分極

2018年7月3日   岡本全勝

山脇岳志・朝日新聞編集委員の「アメリカ政治とメディアの分極化ー鶏が先か、卵が先か?」から。詳しくは、原文をお読みください。

・・・1994年には民主党支持者と共和党支持者はかなりの部分で重なっているが、2017年には重なる部分が大幅に減少し、中心付近ではなく両極に位置する人々の割合が大きく増加している。両党の中央値も大きく離れている。ラクダにたとえれば、2004年調査までは「ひとこぶラクダ」だったのが、2017年には「ふたこぶラクダ」化していることがチャートから見て取れる・・・

・・・共和党支持者と民主党支持者の間の価値観が離れていくにつれ、対立政党に対する反感、否定的な感情のレベルが上昇している。下図からわかるように、2017年には、民主党支持者の81%が共和党に対し否定的であり、44%が非常に否定的である。同様に、共和党支持者も81%が民主党に対し否定的で、45%が非常に否定的である。対立政党に対し非常に否定的な意見をもつ人の割合は、共和党・民主党ともに1994年の2倍以上に膨れ上がっている。さらに、共和党支持者と民主党支持者の友人ネットワークのほとんどは、自党の支持者に偏っている。トランプ氏については、大統領に選ばれるずっと前から共和党支持者と民主党支持者の間に深い分断があるが、2017年の調査によると、トランプ大統領の職務能力に対する支持率の党派間格差は、過去60年間のどの大統領の支持率格差よりも大きい・・・

・・・メディアの分極化が国民の分極化を招いたのか、それとも、国民の分極化に応え、そのニーズを満たす形でメディアが分極化したのかについては、研究者の間でもさまざまな議論がある・・・
・・・この問題を研究してきたペンシルバニア大学准教授のマシュー・レバンドスキ氏(政治学)は、影響は限定的だとしつつ、メディアの分極化が国民を分極化させている一因だと指摘する。「人々は自分がもともと持っている考え方を強化するようなメディアを選択する。共和党支持者はFOX、リベラルな層はMSNBCを視聴する傾向にある」。番組によって、主に影響を受けるのはすでに極端な考えをもつ人々であり、「研究から示唆されるのは、イデオロギー分布の中心をシフトさせるのではなく、両極に位置する人々をもっと中心から引き離すことによって分極化の原因となる」としている・・・

結社が支える市民社会

2018年7月1日   岡本全勝

シュテファン=ルートヴィヒ・ ホフマン著『市民結社と民主主義 1750‐1914』( 2009年、岩波書店)。放ってあったのですが、大学の授業で非営利活動を話している際に、思い出し、山の中から探し出しました。

市民結社(アソシエーション、社交団体)が、19世紀欧米の市民社会そして民主主義を支えた点を分析しています。有名なところでは、トクヴィルの「アメリカの民主主義」です。アメリカやイギリスに限らず、驚くほどの社交団体が作られ、市民(といっても男性ですが)が参加したのです。
個人・家族と国家との間にある「中間集団」の役割は、もっと評価されるべきです。その反対が、孤独な群衆であり、アトム化です。コミュニティであれ、同好会であれ、宗教、学校、会社まで、人はさまざまな集団に帰属して、生活と精神の安心を得ます。

本書には、日本語の文献案内もついていて、価値があります。紹介されている「結社の社会史・全5巻」(2005~06年、山川出版)も買ってあるのですが。本の山に埋もれています。

ところで、NPO(非営利活動団体)に、何かよい名前はないかと考えています(日経新聞夕刊コラム第19回)。「結社」は一つの候補者です。漢字二文字です。ただし、政治結社や秘密結社という印象がついて回ること、なにやら古く感じることから、人口には膾炙しないでしょうか。

在宅医療、武藤真祐先生

2018年6月27日   岡本全勝

6月23日の朝日新聞オピニオン欄「広がる医療の地域格差」に、武藤真祐さんが出ておられました。

・・・私は在宅の患者さんを往診するクリニックを、都内4カ所と宮城県石巻市で運営しています。またシンガポールでは、在宅医療サービスと、それを支えるためのICT(情報通信技術)やAI(人工知能)の企業を経営しています・・・
・・・その経験から、医師や看護師、介護スタッフなど、チームで医療を支えるのが大切だと考えます。
クリニックでは、書類は医師以外のスタッフが8割方作ったものを医師が仕上げます。在宅医が移動中に診療内容を電話で口述すると、石巻の専門スタッフがカルテの下書きデータを作ります。医師が診療や患者とのコミュニケーションに時間を使えるようにするためです。専門外の病気を診る場合、グループ内の専門医が相談にのります。テレビ会議で週3回、スタッフの研修をして情報共有をしています。効率化を図るとともに、スタッフや地域の間の格差をなくす努力をしています・・・

記事にも出ているように、石巻市で在宅医療を行ってくださっています。かつて、このホームページでも紹介しました。「被災地から発信する新しい地域包括ケアモデル」(2013年6月8日)

SNS時代のスポーツ中継

2018年6月26日   岡本全勝

6月22日の朝日新聞オピニオン「いいね!スポーツ中継」、水越伸・東大大学院情報学環教授の「昭和の型から抜け出して」から。

・・・一般の人がSNSで発信できるようになり、スポーツの見せ方は一つではないという事実と、その面白さに気づいてしまったんです。10代のネットの利用時間は、テレビの視聴時間を上回っています。受け手のニーズの変化に合わせ、送り手も中身を工夫する必要があります。

ところがそんな時代に、日本のテレビは古い型から抜け出せていません。昭和時代に隆盛だったプロ野球や大相撲、プロレスを基軸とした従来の型です。王や長嶋、力道山といったスーパースターだけに焦点を当て、勝利の物語にしか関心を示さない。サッカーW杯でも特に民放は、日本の本田や香川らスター選手のことばかりやっています。
型を持つのが悪いわけではありません。大学の論文を書くにも講義を進めるにも一定の型はあります。ただ、例えば武道でいえば、ある流派の中でその型だけを神格化していたら異種格闘技では負けますよ。「もっと違う型もありうるのでは」と意識することが大事だと思います。

例えば成功した選手の物語もいいけど、うまくいかずに無念に終わった選手もしっかりとり上げて欲しい。「どうしてうまく行かなかったのか」に焦点を当てることは、その競技に取り組む子どもたちのためにもなります。
また、日本人選手だけをとり上げるのもやめて欲しい。テレビのプロが思う以上に、型にはまっていない視聴者は多い。もっと多文化的であるべきだと思います・・・