カテゴリーアーカイブ:生き様

省庁改革本部の同僚

2021年2月18日   岡本全勝

2月18日の日経新聞「交遊抄」は、米女太一・アサヒ飲料社長の「民間からの出向組」でした。
・・・20年以上前、それまでアサヒビールで人事や営業に携わっていたが、民間からの出向として内閣の中央省庁等改革推進本部事務局で働くことになった。そこで出会ったのが日本商工会議所理事の荒井恒一さんだ。当時、私たちは霞が関の官庁組織を再編する仕事に携わっていた。法制局で法案を審査してもらうと、多くの指摘が返ってくる。へとへとになってデスクに戻ると、隣で黙々と仕事をしていたのが荒井さんだった・・・

2001年に実施された省庁改革の準備のために、省庁改革本部事務局が作られたのは、1998年6月でした。各省と民間から、職員が集められました。米女さんも、その一人です。
私は、富山県総務部長から、事務局の減量担当参事官に赴任しました。米女さんとは、班は別でした。私たち官僚でも、この仕事はきつかったので、民間からの出向者は、もっと苦労したと思います。
私の減量班も、20年経った今も年に数回集まっています。コロナでしばらく開催できず、コロナが収束するのを待っています。

春はもうすぐ

2021年2月13日   岡本全勝

東京は、良い天気の日が続いています。わが家の椿は、たくさんの花を付けています。メジロがやってきます。
ご近所の紅梅白梅も満開で、良い香りを漂わせています。ミモザも、鮮やかな黄色い花を咲かせ始めました。
散歩途中では、桜が小さなつぼみをたくさん膨らませています。もう1月半で、桜が咲くのですからね。
春は、もうすぐそこまで来ています。このまま真っ直ぐ、春にはならないのでしょうが。

鎌田浩毅・京大教授。新著と最終講義

2021年2月9日   岡本全勝

鎌田浩毅・京大教授が新著『首都直下地震と南海トラフ』(2021年、エムディーエヌコーポレーション)を出版されました。
2011年の東日本大震災以来、日本列島は大地変動の時代に入ったようです。もっとも、地球の方はそんな短い時間では動いていませんが。首都直下地震や南海トラフ地震はかなりの確率で起きることが予想されています。
本書は、「地球科学を学んでこなかった人にも最後まで読めるように、徹底的にわかりやすく書いた」とあります。室井滋さんとの対談もあり、読みやすいです。

鎌田先生はこの3月で京都大学を定年退職されます。「科学の伝道師の総決算」と銘打たれています。
3月10日の最終講義を、オンラインで見ることができます。

吉田博展

2021年2月6日   岡本全勝

東京都美術館で開かれている「吉田博展」がお勧めです。
風景だけでなく、光と空気、湿度までを写し出しているように、私には見えます。これが、絵ではなく木版画だということに、二度驚きます。日光東照宮陽明門の作品は、90回重ねて摺っているのだそうです。
私の説明より、「見どころ」が、わかりやすいです。「瀬戸内海集 帆船」の色の変化は、感激します。

これだけの芸術を、学生時代には教えてもらわず、長く知りませんでした。私が知ったのは、まだ20年ほど前でしょうか。剣山の版画(この展覧会のポスターになっています)を見てからです。
故ダイアナ妃が、作品を執務室に飾っていたことは有名です。
日本の芸術について、日本人は知らないのか、西欧を高く見て日本を低く評価しているのでしょうか。若冲も、アメリカ人に発見されてから、日本で評価が上がりました。

人を評価することは、自分を評価されること

2021年2月3日   岡本全勝

若い時に、職員の採用面接を担当したことがあります。職員採用の責任者である先輩から、「しっかり見てくれよな。採用予定者を幹部面接に出すと、今度は私の人物眼が査定されるのだから」とハッパをかけられました。なるほどと思いました。

私は採用されて最初の配属先が、徳島県財政課でした。いくつかの部局を担当して予算を作ります。次の配属は自治省財政課で、これは交付税の単位費用をつくる査定も仕事でした。その後、鹿児島県財政課長、自治省交付税課長補佐、総務省交付税課長と、予算査定に長く携わりました。
予算査定を続けていくうちに、これも同じだと気がつきました。
初めのうちは、膨大な要求を受け(当時はまだシーリングがありませんでした)、それを切るのが仕事だと思っていました。先輩や同僚に「要求ないところに査定なし」「疑わしくは罰する(予算をつけない)」といった「勇ましいセリフ」を教えられ、実行していました。
しかし、だんだんと釈然としなくなりました。「削るだけなら、電卓に0.9を入れて、要求額に掛けていけば収まるではないか」とです。

できばえの良い予算とは、知事に喜んでもらい、県民にも喜んでもらえる予算です。そして、要求部局に喜んでもらえないとしても、納得してもらえる予算です。
それは、数字だけでは見えません。要求側と何度も意見交換をして、その事業の効果を調べるだけでなく、相手側の本音を聞くことも重要でした。簡単に言えば、要求通りにつけるのなら、議論はなくてもすみます。つければ、喜んでもらえます。

重要なのは、要求通りにつけることができない場合に、どのように納得してもらうかです。
先輩たちが「日頃の人間関係が重要」「事前に現場を見ておくことが重要」といった教えのほか、「君の全人格的闘いだわな」と助言をくれました。
査定官は、予算査定結果という予算書で評価されるとともに、査定の過程で人格識見を評価されているのだと気づきました。
このような経験と見方の積み重ねで、「蟻の目と鷹の目」「全勝Aの後ろに全勝Bがいて、Aを監視する」「閻魔さまの前で、どう説明するか」「周囲の人は私をどう見ているか」といった、私のものの見方ができました。