カテゴリーアーカイブ:生き方

老人とは

2019年5月29日   岡本全勝

5月26日の日経新聞文化欄、久間十義さんの「令和の新老人」から。

・・・ぼうっとしているうちに平成が終わり令和が始まった。昭和(戦後)生まれの私は現在満65歳になる。恥ずかしながら、うかうかと時を過ごしてきた感は否めない。
20年前、まだ40代半ばだったとき、65歳は充分年寄りに見えた。というか、当時の私は65歳の方々を一仕事終えた老人と思いなしていた。あとは余生を過ごすだけの「一丁あがり」の人たちだ、と。
しかし自分がその歳になって、大変な間違いだと気づいた。まず「あがり」も何も、一仕事やった覚えが私にはない。気がつけば定年を過ぎたけれど、まだ老いて死ぬ間際という意識もない。身体はそれなりにくたびれてきても、頑張ってメンテナンスすれば後十年や二十年は図々しくやっていけそうな気配なのである。要はエセな新老人が一人、しゃあしゃあと生きているのだ・・・

・・・米国の「失われた世代」を代表する批評家マルコム・カウリーが『八十路から眺めれば』で、老化の目安を「美しい女性と街ですれ違っても振り返らなくなったとき」と断じていたが、まあ、すべてにそんな按配だ。
カウリーは他にも「片足で立つことができず、ズボンをはくのに難渋するようになったとき」とか「笑い話に耳を傾けていて、他のことはなんでもわかるのに話の落ちだけがわからないとき」とか、色々挙げていて、ぐさぐさくるボディーブローにうなだれる・・・

先駆者の苦労、石井幹子さん

2019年5月11日   岡本全勝

5月5日の日経新聞、The Style 照明デザイナーの石井幹子さんのインタビューから。
東京芸大を出て、フィンランドで、照明器具製作会社に勤めます。帰国後、大阪万博の施設照明を手がけて有名になります。しかし海外での仕事を体験すると、日本の夜景の寂しさが我慢ならなくなってきます。

・・・京都での国際照明委員会の世界大会を控えた1978年、京都タワーから夜の街を見渡すと、見えるのは道路照明とネオンばかり。数々の歴史的建造物が光に浮かぶ欧州とは比ぶべくもない。大会までになんとかしなければとしない72か所の照明プランを市役所に持ち込むが、一顧だにされなかった。「これは実物を見せなきゃわからないんだ」
二条城と平安神宮の許可をもらって道路から照らすと、続々と見物人が集まる。手応えを感じ、仕事で訪れる街々で自腹を切って「照明実験」を続けた。名古屋、大阪、広島・・・。「もう布教活動ですよ。ライトアップ教」。8年目、横浜市内の12か所を照らした4日間のイベントで、来場者は10万人に達した・・・

いまは、普通に見ることができるライトアップ。先駆者は、苦労されたのですね。私が、当時の市役所の担当職員だったら、どのような対応をしたでしょうか。

がんの公表と励ましと

2019年4月22日   岡本全勝

4月17日の朝日新聞オピニオン欄「がん公表、相次ぐけど」、海原純子さん(心療内科医)の発言から。

・・・芸能人やスポーツ選手といった有名人が、ブログやSNSでがんであることを公表するケースが相次いでいます。常に注目を集める有名人の場合、公表したほうが落ち着いて治療できるし、頑張る姿を見せることで、自分や同じ立場の人を支えたいという動機もあるでしょう。

ただ、公表に対する反応を見ると、受け止める側の私たちに、もっと細やかな気遣いが必要だと思うことがあります。SNSには「がんとの闘いに勝ってください」「頑張って」といった励ましの言葉が並びます。病気がわかった人を支えようという気持ちはすばらしいと思います。
一方、患者の側には、がんの治療を「勝つ」「負ける」で表現されるのはとてもつらく、落ち込むという方も多いのです。有名人による公表を、誰もが自分の勇気に変えられるとは限りません。「あの人はあんなに勇敢にがんに立ち向かっているのに、なぜ私は……」という二重のつらい思いに苦しむ人も出てきます。みんなが、がんに敢然と立ち向かえるほど強いわけではないのです。
がん治療が著しく進歩しているのは確かです。でも「勝つ」が、完治や、症状を抑えられる寛解を意味するなら、治らないがんに苦しむ人たちは、「自分は負けなのか」と思ってしまいます・・・

自分が病気になったとき、どのように心の平静を保つか。家族や知人が病気になったときや落ち込んだときに、どのような声をかけるか。難しいです。

大坂なおみ選手、精神面の強さ

2019年1月27日   岡本全勝

全豪オープン優勝、おめでとうございます。すばらしいですね。
多くの方が、昨晩26日の実況中継を、ご覧になったのではないでしょうか。私は、テニスは詳しくないのですが。考えたことと述べます。

世界で一番になるには、素質、体力、技術、練習など様々な要素が必要でしょう。それとともに、今回の試合を見ていて、精神面の重要性を改めて感じました。
第2ゲームで、あと1ポイントで優勝というチャンスがありながら、それを逃しました。休憩を取った際、そしてその後も、ミスが続き、大坂選手はやや気持ちが弱くなっているように、私には見えました。
その後の、精神面での立ち直り、あるいは立ち直ったことが、勝利につながったのだと思います。このクラスになると、相手との我慢比べであり、自分との闘いでもあるのでしょう。
皆さんも、同じように思われたのではないでしょうか。例えば、朝日新聞の記事

体力や技術など人一倍の能力とともに、自分の気持ちを落ち着かせる、奮い立たせる能力も必要です。
いつもいつも、うまく行くことばかりではありません。うまく行かないときに、どのように我慢し、立ち直るか。「明るい公務員講座」でお話ししています。どの世界でも同じですね。

人生の先輩、ロールモデル

2019年1月21日   岡本全勝

1月20日の日経新聞My Storyは、魚谷雅彦・資生堂社長の「聞くこそものの上手なれ」でした。1954年生まれ、奈良県の先輩です。
「自然にあふれた奈良県五條市に生まれ・・」と書いてありますが、明日香村と同様に田舎です。あちらは、市ですが。

高校生の時に、英語力をつけるために英会話学校に通い、奈良公園で外国人に片っ端から声をかけて英語を磨いたそうです。(ここは、私と違います。反省)
大学卒業後、ライオン(歯磨)に入社。外国に行きたかったのですが、歯ブラシの国内営業に配属されます。先輩の助言で、まずは営業で結果を出すべく、聞くことに徹します。成果を上げ、職場でも認められます。
そして、アメリカ・コロンビア大学経営大学院に留学できます。そこでも悩むのですが、留学生の助言で「脱皮」します。
その後は、日本コカ・コーラなどで業績を上げ、2014年から資生堂の社長です。

先輩たちの生きざまは、勉強になります。目標を持ち、努力すること。自分に足らない点は、先輩たちに聞くことです。
詳しくは、原文をお読みください。