カテゴリーアーカイブ:生き方

中高年社員、身につけた価値観を捨てる

2026年3月3日   岡本全勝

2月17日の日経新聞夕刊「「アンラーニング」で過去の価値観手放そう シニアや転職者に」から。
・・・これまで培った仕事のスキルや価値観を意識的に手放す「アンラーニング」に取り組む企業や個人が出てきている。雇用期間の延長に伴うシニア社員の増加や、転職者の増加が背景にある。「シニアは成長しない」「転職前のやり方で転職後もやり通せる」といった固定観念を捨てることで、新たな成長を目指す。

「ベテラン社員はアタマが固い」「若手より報酬が高いのに仕事の担当数が少ない」
森永製菓の人事部の桜沢典子さんはこの数年、幾度となく若手・中堅社員からミドル・シニア社員への不満を耳にした。一方で、50代以上の社員に個別に話を聞くと、また別の風景が見えた。
「ITは苦手と思われているし、挑戦しなくてもいいか」「若手の邪魔にならないよう何事も控えめがいいのかな」

ミドル・シニアに漂う遠慮や諦めの空気を変えなければ成長はない――。森永製菓は50代以上の社員が約4割を占める。今後も若手や中堅が減少する見通しのなか、50代以上の社員を「現役戦力」とするため2022年度から研修を始めた。そこで据えたテーマが「アンラーニング」だ。
アンラーニングとは、成功体験や固定観念を手放すことをいう。森永製菓では「必要ないスキルを一度しまう」、その上で「必要なスキルを学ぶ必要がある」という意識を持ってもらうアンラーニングを目指しているという。
例えば25年12月の研修では、10年後、20年後といった場面ごとにリストラなど予想もつかない変化にどう対応するかを決めるカードゲームをして、今後必要なスキルを確認した。研修の最後には習慣やスキルで「置いていくもの」「もっていくもの」をそれぞれがシートに記入した。
これまでの研修参加者からは置いていくものとして「プライド」「過去の武勇伝」などが挙がったという。人事部の桜沢さんは「ミドル・シニア社員が若手の見本になるよう、現役として学び続ける意識を持ってほしい」と話す。

青山学院大学の松尾睦教授(組織論)によると、個人を対象にしたアンラーニングは2000年以降、海外で研究が始まり、日本でも10年ごろから注目されるようになった。松尾教授は「雇用延長などでシニア社員が増えたり、人工知能(AI)の台頭でリスキリングの必要性が高まったりする中で、企業が特に意識するようになった」と話す。
転職などで仕事環境が大きく変わりうる現代は、年齢問わずアンラーニングの重要性が増している・・・

それは本当にタイパなの

2026年2月14日   岡本全勝

今時の言葉に、コスパ、コストパフォーマンス(費用対効果)という言葉とともに、タイパ、タイムパフォーマンスという言葉があります。両方とも和製英語だそうです。費用対効果は英語では、cost effectiveness だそうです。
タイパは、かけた時間に対する効果、時間対効果です。若者が重視するとのこと。電車の中で、あるいは歩きながらスマートフォンを操作している人を見ると、タイパが悪いことをしているなあと思います。本人は、空いている時間や歩いている時間にスマホを見るのだから、タイパが良いと思っているのでしょうが。

「ながら」は、効率が悪いです。人間の脳は、一度に一つのことしか処理できません。同時に二つのことをやっていると思っていても、実は頭はその切り替えに時間と労力を費やしているのです。アインシュタインの言葉に「美人にキスしながら 安全運転ができる人間は、 キスに十分集中していない」があります。歩きスマホは、危ないし、周囲の迷惑です。さっさと歩いて、立ち止まってスマホを操作してください。
「電車中なら迷惑もかけない」と思っているあなた。その間に、頭は疲れていますよ。一日のうちに、人間が集中できる時間は限られています。そして、疲れは蓄積されます。電車中で居眠りすることはお勧めしませんが、ぼけ~としていることにも効果があるのです。

あなたは、何のためにスマホを見ていますか。スマホに、あなたの注意と時間を奪われていませんか。それはあなたの人生を充実させ、幸せにしてくれていますか。忙しいことの成果は、何でしょうか。
その瞬間の時間対効果と、一日や長い目で見た時間対効果は別です。スマホ画面の注意を引きつける画像は、害毒だと心得ましょう。スマホは、あなたの時間と脳を盗むの泥棒です。
いつものように、老人の繰り言です。

幸福の一番の要素は自己決定

2026年2月8日   岡本全勝

生涯の生活設計」の続きです。掲載論文の中で、菅原圭さんの「幸福の基盤はひとり力を高め自分の居場所をつくること」もお勧めです。

日本の経済力が高いのに幸福度が低いことを指摘した上で。
・・・では、幸福ってどんな状態を言うのでしょうか。
まず健康であること。経済的不安がないこと。まわりの人との人間関係が良好なこと・・・・などがあげられます。
れ以上に、幸福であるためのいちばん重要な要素は「自己決定」なのです。
「世界幸福度調査」の評価軸は1人当たりGDP、健康寿命などのほか、望む生き方を自己決定できるかどうか、「ひとりひとりの人生の自由度」も採択しています。日本はこの「人生の自由度」が世界79位と、かなり低いことが注目されます。
しかも、日本人自身、幸福とは自分が望む生き方ができることだとわかっています。2020年、 経済産業研究所が日本人2万人を対象に行った調査でも、所得や学歴より「自己決定」が幸福度を高めるという回答が最多。 「自己決定」の幸福度は学歴の満足度の約9倍、年収の満足度の1・5倍も高いという結果が報告されています・・・

続いて、次のように書かれています。
・・・この経済産業研究所の調査結果で気になるのは、 中年期になると幸福感がぐんと落ち込むことです。うなずく人も多いのでは・・・
「自己決定」どころか、思いどおりにいかないない現実に、自分を抑えて毎日を過ごしている。そんな人が増えてくる。それらが、中年期になると幸福度が大きく落ち込むという結果をもたらすのでしょう・・・

こんなことも。
・・・福度を引き上げることはけっして難しくありません。 誰にでも簡単にでき、 お金も時間もかかりません。
その方法とは、何でも最終的には「自分ひとりで決める」。とくに「大事なことは自分自身で決める」。これだけです・・・

もちろん、自分で決めたことは、うまくいかなかっても他人のせいにはできません。関心ある方は、原文をお読みください。
幸福度高い人は主体的に行動

生涯の生活設計

2026年2月7日   岡本全勝

地域社会ライフプラン協会の情報誌『ALPS』1月号の特集は、「シングルライフ」です。「シングルの家計管理」「シングルライフの「不安」や「困りごと」をサポートするサービス」などが載っています。

ライフプランという言葉も、今では普通になりましたが、そんなに古い言葉ではありません。協会のホームページには、次のように書かれています。
・・・『生涯にわたって充実した生活を送るための人生設計』を“ライフプラン”と呼んでいます。広い視野から見ると、その人個人だけでなく、家族を含めた生活設計といえます。
私たちは、「マイホームを持ちたい」「子どもを希望通り進学させたい」「退職後、海外に長期滞在してみたい」など、様々な夢や希望を持っています。
ライフプランとは、自分や家族に関する将来の夢や希望を明確にしたうえで、その実現のために作成する総合的な計画のことです。
このページでは、地方公務員をはじめとする皆様にライフプランに関する基本的な考え方や具体的な作成方法についてのコンテンツを紹介しています・・・

・・・人生100年時代といわれるようになった昨今、退職後にはそれまでの労働時間に匹敵する、あるいはそれ以上の自由時間を持てるようになります。あなたの人生を、現役時代から生涯にわたって有意義で充実したものにするために、「生きがい(仕事・家族・個人・社会)」をもつことと、それをしっかり支える生活基盤である「家庭経済」「健康づくり」の“3つの要素”をバランスよく計画し、実践していくことが大切です・・・

家族や地域社会で支え合って生きていた時代、会社など勤め先が面倒を見てくれた時代が終わり、自分と家族の人生を各自が設計し責任を持たなければならない時代がやってきました。しかし、私たちは、まだそのような状況に慣れていないようです。

ストレスとの付き合い方

2026年2月4日   岡本全勝

1月14日の読売新聞「心身の異変 自分知り改善」から。

・・・「ストレス社会」と呼ばれる現代。2人に1人以上が「ストレスがある」ことを自覚しているとされる。ストレスを抱えて心身に不調をきたしてしまう人も少なくないなか、最新研究からストレスの正体に迫り、上手なつきあい方を探る。

「ストレス」という言葉には原因となる刺激の「ストレッサー」と、受けたときに生じる「ストレス反応」の二つの意味がある。世界的には戦争や病気などを背景に、この考え方が広がり、1936年、カナダ人生理学者のハンス・セリエ氏が学説として発表した。
日本で広く知られるようになったのは95年、阪神大震災でのPTSD(心的外傷後ストレス障害)や、2015年に大手企業の社員が、長時間労働の後に命を絶った問題などとされる。ただ、1990年前後のバブル絶頂期、「24時間戦えますか」のキャッチフレーズの裏でも多くの人が過労ストレスによる不調の末、倒れていたとみられる。

ストレス反応は、敵と遭遇したときの「闘争―逃走反応」として、人間に備わる本能だ。命の危機に対し、心拍数や血糖値を上げ、筋肉を緊張状態にし、その一瞬を乗り切る。現代社会のように、長く続くことは想定されていない仕組みだ。
危険やストレスがあると、恐怖や不安などの感情を作り出す脳内の「扁桃体」が反応し、「視床下部」を介して、コルチゾールやアドレナリンなどの物質が体中に伝わる。自律神経系のうち交感神経が働くと、体は緊張状態になる。人間には、体の状態を一定に保つ「恒常性」があり、副交感神経が体を休める働きを担う。このバランスが崩れると、心身に影響が出る。

症状が表れやすいのは、その人の一番弱い部位と言われる。筋骨格系が弱っていると頭痛や肩こりが起き、呼吸器系ではぜんそくが悪化する。血管が弱って動脈硬化が進むと心臓病のリスクが高まる。免疫に影響して風邪を引く人もいる。
胃腸の異変を経験する人も多い。日本人の10~20%が抱える過敏性腸症候群(IBS)は腸に異常はないのに下痢や便秘が続く。脳と腸は相互に影響し合っており、腸が不調だとネガティブな感情になることもある。
セリエ氏は「ストレスは人生のスパイスである」と語った。ただ、昭和医科大ストレスマネジメント研究所の中尾睦宏所長は、ストレスへの耐性には個人差があるとし、「心身の不調は体が出す早期のサイン。長引くと重い病気や精神疾患につながりかねないので、気づいたら体を休めてほしい」と訴える・・・