「組織構成員の分類その1。分野別、階級別、コース別」の続きです。
前回述べたのは、表に出ている「見える区分」です。これらの他に、「外から見えない区分」もあります。
D 同じ階級(例えば課長職)の中にも、できる課長・普通の課長・出来の悪い課長がいます。能力の差・業績の差です。
人事評価は、これをしています。良い表現がないので、「能力差」(ability)と呼んでおきましょう。2:6:2の法則は、これを指しています。人事担当者や管理職にとって、Aの分野別、Bの階級別、Cのコース別を前提として、Dの能力差を踏まえて誰をどこに配置するか、特に出来の良くない職員の配置が仕事です。あわせて、成績の低い職員に仕事をしてもらうことが、大きな悩みです。
本屋に並んでいる職場の解説をした書物には、AとBが書かれていてDが書かれていない、書かれていても「評価の仕組み」の解説にとどまっていることが多いです。
でも、きれい事だけでは、組織は動きません。『明るい公務員講座 管理職のオキテ』で、これについても説明しました。
また、Cについても、余り書かれていないでしょう。特に正規と非正規の差、同じような職務をしていても処遇に差があることについて書いたものは見かけませんね。
なお、このほかに、
E 非公式の役割分担があります。これは、社会学の教科書に出てきます。
この項続く。