カテゴリーアーカイブ:人生の達人

そしるより誉める

2014年7月20日   岡本全勝

肝冷斎が、毎日、漢文日録を書き続けています。その博覧強記には、驚きます。「よくまあ、有名でない中国古典を、たくさん読んでいるなあ」と。奇想天外な話が多くて、私にはついていけないことが多いのですが。たまには、役に立つことも書いてあります。7月19日は、五代・譚峭「斉丘子」より「神弓鬼矢」でした。本論の前に書かれていた部分が、納得できました。

「誉人者人誉之、謗人者人謗之」
読み:人を誉むる者は人これを誉め、人を謗る者は人これを謗る。
意味:他人を誉める者は他人もそのひとを誉め、他人を謗る者は他人もそのひとを謗るものである。

「君子能罪己。斯罪人也。不報怨。斯報怨也」
読み:君子はよく己を罪す。すなわち人を罪すなり。怨みを報ぜず。すなわち怨みを報ずるなり。
意味:立派な賢者は、「自分にこそ責任がある」ときちんと認識することができる。これはすなわち、逆に他人に(もしかしたら自分に責任があったかも・・・)と考えさせることになり、そのひとに責任を問うのと同じことなのである。
怨みがあってもこれに復讐することはない。これはすなわち、相手に(自分は復讐されてしかるべきなのに復讐されないのは、自分で反省しろということなのか・・・)と考えさせることになり、そのひとに復讐したのと同じことになるのである。

これほどまでの聖人君主、あるいは大人(たいじん)の態度は、なかなかとれません。飲み屋で、上司の悪口を言うことのブーメラン効果については、『明るい係長講座』(中級編p5)に書きました。
部下を動かすには、北風さんと太陽さんの、どちらがよいか。イソップ童話と同じで、私は太陽政策を採ります。誉めることの効用は、『明るい係長講座』(初級編p15)で、私の経験談を元に強調しました。わかりやすい挿絵付きです。
もっとも、北風さんと太陽さんの話には異説(前段)があって、旅人の帽子を取る競争では、太陽が負けます。これだと、目的に対して手段を間違うな、という格言になります。
すると、もっとわかりやすい言い方は、「豚もおだてりゃ木に登る」(豚を叱っても、木には登らない)です。でも、これだと下品で、研修会などでは使えませんね。「私は豚か」と、部下から反発を受けます。

我が家が一番

2014年7月5日   岡本全勝

仕事柄、出張に良く出かけます。若い時は、知らない土地を見ることができて、それなりにうれしかったのですが。最近は、やはり自宅が一番です。
まず、お風呂。出張で泊まるホテルは、ほぼビジネスホテルです。就職して、ユニットバスを初めて見たときは、感激しました。「こんなに狭いところに詰め込んで。しかも機能的にできているのだ」と。日本人らしい発明だと思います。
でも、最近は、あの小さな湯船に足を折り曲げて入っては、「足を伸ばしたい」とぼやいています。そして、洗い場がないので、ゆったりと体を洗うことができません。ぜいたくですがね。お金を出せば、もっと大きな湯船のある部屋に、泊まることができるのでしょうが。
次に、ベッドとその周辺。私は、どこでもすぐに寝る特技を持っています。でも、いつも寝ている布団が良いです。時に柔らかすぎるベッドは困るし、大きな枕は外す必要があります。自宅では、真っ暗でも、どこに何があるかわかっているのですが、ホテルではそうもいきません。なお、必ずパジャマを持っていきます。
その他に、揺れるバスの中で弁当を食べる「危険性」と「技」については、先日書きました(2014年6月16日)。あれは、食事ではないですね。英語で言えば、dinerでなく、mealでしょう。流し込むといった感じです。そして、長時間、新幹線やバスに縛り付けられていると、運動不足になります。帰って体重計に乗ると、もれなく太っています(苦笑)。
原因の一つは、全く無駄のない行程表を作ってくれる職員にあります。移動と、視察や意見交換を、隙間なく詰め込んでくれます。その職人技には感心します。ありがたいのですが、余裕がないのです(これまた苦笑)。来週も、出張が予定されています。元気よく行きましょう。

サラリーマンの出世術

2014年7月3日   岡本全勝

朝日新聞6月27日オピニオン欄「あなたは生き残れるか」から。小宮一慶さん(経済コンサルタント)の発言。
・・私が就職した銀行も、競争が厳しい世界でした。スタートは一斉でも、少しずつ出世の階段を上る速度に差が生じてきます。その差に嫉妬し、何が何でも出世しようとする人も出てくる。
しかし、嫉妬深い人が出世を続けるのには、限界があります。猜疑心が強いため、周りの人の心が離れていくからです。生き残りのカギは、人生の指針になる価値観に支えられた「志」があるかにかかっています。それがあれば、嫉妬され、足を引っ張られても「くだらない」と平常心で乗り越えられます・・
・・志がない人は上司や取引先に見抜かれ、淘汰される可能性が高い。ただ、トップの座を争う局面では、志を持った者同士がぶつかりあう権力闘争に発展することが多い。ある上場企業では、新社長が就任直後に組織変更を断行。ライバルがいた所属部門を他部門に吸収させ、事実上の失脚に追い込みました。
権力を持てないと、志を実現する機会も失われます。水戸黄門も「天下の副将軍」でなければ悪代官に捕縛され、物語はそこで終わりでしょ。出世の階段で最後に待っているのは、権力の不条理劇であることをサラリーマンは忘れてはいけません・・
後の二人も、共通することをおっしゃっています。原文をお読みください。出世欲(権力欲)だけでは出世できず、正論だけでは出世できません。正義感に燃えている若者諸君、残念ですが、世の中はそうなっているのです。しかし、神様は見てくださっていると思います。

職員慰労会

2014年6月26日   岡本全勝

今日の放課後は、復興庁の国会班の慰労会(兼・岡本統括官を突き上げる会)に呼ばれました。6月22日で国会が閉会したので、打ち上げです。異動が決まった職員もいて、送別会もかねています。
国会班は、本庁と国会内の分室に別れて仕事をしています。国会議員に呼ばれて質問を取りに行ったり、資料を提出したり。出てきた質問を、各省と調整したり、復興庁内の各班に割り振ったりと、特殊技能が要求されます(私は、2年半、通常国会を3回経験した数少ない総務(国会担当)課長です)。
150日間の会期中、毎晩のように徹夜をして、国会答弁の準備をしてくれた職員たちです。本当に、頭が下がります。職員から、私が知らなかった「混乱」や「困ったこと」「苦労」を教えてもらいました。そして、「統括官のホームページに、今日の飲み会は書いてもらえますよね」「私たちのことを、誉めてください」と、率直な要求がありました(笑い)。
ご苦労をかけました、紺野君、岡田君、佐貝君。苦労をかけています、小座間君、坂本君、橋本君。これで全員ではないのですが、要求のあった職員だけ名前を出します。名前を出さなかった職員も、ありがとう。
ところで、今国会では、ついに「岡本統括官作成答弁」がありませんでした。これまで復興庁では、誰も担当参事官がいないような問が出たり、たくさんの参事官にまたがって主たる作成者がいない問が、しばしば出ました。私は答弁案を書くのが好きなのと、早くできないと最終確認する私が寝る時間が遅くなるので、ついつい答弁案を書いてしまいます。私が書かなくてすむようになったのは、組織と仕事が固まってきたことと、自ら書いてくれる参事官が増えたということです。少し残念ですが、これもうれしいことです。

メンタルヘルスを悪化させる職場、それがもたらす業績の低下

2014年6月21日   岡本全勝

6月13日の日経新聞経済教室「従業員のメンタルヘルス。企業業績に影響大」が参考になります。この研究によると、求職者が増えると、企業の利益率は顕著に低下します。研究では、400社のデータをもとに、2004年から2007年にかけてメンタルヘルスの不調により連続1か月以上の長期休職をしている正社員の比率が上昇した企業群と、それ以外の企業群とを比較しています。すると、影響はすぐには出ないのですが、数年後に利益率が目立って落ちるのです。
メンタルヘルスによる休職者は全体の1%未満なのに、なぜ企業全体の業績を悪化させるか。一つの解釈は、休職者本人だけでなく、そのような職員が職場にいることで、他の職員の働きぶりにも悪影響を及ぼしているということです。
では、どのような要因が、従業員のメンタルヘルスを悪化させるか。この研究によると、労働時間特にサービス残業が長いこと、仕事の裁量が少なく、担当する業務の内容が明確でないこと、早く退社しにくい職場風土があることなどです(この点は、私も注意しなければなりません)。
詳しくは「企業における従業員のメンタルヘルスの状況と企業業績」(2014年4月、経済産業研究所)をご覧ください。