カテゴリーアーカイブ:人生の達人

休日出勤

2014年10月19日   岡本全勝

休日に出勤すると、職場の電気が消えています。それを見ると、「誰も出勤していない=休んでいる」と安心します。しかし、そんなことは希で、おいおいと数人の職員が出勤して仕事をしています。
「どうしたの?」と聞くと、「来週××があるので、その準備です」といった答が、返ってきます。また、平日の朝にパソコンを開くと、深夜に職員から送られたメールがたくさんたまっています。休日出勤や残業をさせて、申し訳ないです。
復興庁(とその前身組織)は、発災直後の緊急時に比べれば、はるかに平常勤務になっていますが、なかなか残業無しとはいきません。
上司としては、なるべく先の見通しを立て、具体的な方向性を部下に示し、仕事を平準化して、無駄な仕事をさせないことが重要です。なにせ、「去年通り」「前例通り」がない仕事なのです。上司の力量が問われます。
先を読んで手を打っておかないと、いざという時にあわてます。先を読むのは良いのですが、何でもかんでも準備させると、部下が持ちません。
先週末に、「19日は、ビルの害虫駆除で薬剤が散布されるので、出勤してはダメですよ」と、部下に言われました。駆除されては困るので、今日はお休みです。

立食パーティ

2014年10月17日   岡本全勝

立食パーティは、何度行っても慣れませんね。飲み物のグラスと食べ物を載せた皿を持って、箸かフォークで食べる。なかなかそんな芸当はできません。グラスをテーブルに置いて、食べることに専念します。受付で会費を払ったら、引き出物として本や記念誌をくださることがあります。これは困ります。これで、片方の手が埋まってしまいます。帰り際にくれれば良いのに。そこで、私は「帰りにもらうので、預かっておいてください」と、もらうのを拒否します。
しかも、脂濃いものやお腹がふくれるような料理が多くて・・。ある人に聞いたら、「立食パーティは食べたり飲んだりする場ではない。会話を楽しむ場、人を知る場である」とのことです。よって、会場に行く前に、少しお腹に入れてから行くのだとか。

ハイテク企業のトップは、子どもにスマホを使わせない

2014年10月13日   岡本全勝

朝日新聞電子版、「ニューヨーク・タイムズ世界の話題」10月11日に「スティーブ・ジョブズ、家ではローテク父親だった」が載っています。
記者が、あのアップル社の創業者であるジョブズ氏に「じゃあ、あなたの子供さんたちはiPadが好きなんでしょうね」と聞いた時の答です。
「いいや。まだ、使ってないよ。家庭では、子供たちのハイテク使用を制限しているんだ」
これを聞いた記者は驚き、他のハイテク企業のトップにも取材します。その結果は。
・・多くのハイテク企業やベンチャー企業のトップが、家庭では同じようなことをしていた。ハイテク機器の画面を見る時間を厳しく制限し、翌日に学校がある晩はまったく使わせなかったり、週末でもアクセスできる時間を禁欲的といってよいほどに限ったりしていた・・
3Dロボティクスの最高経営責任者で雑誌ワイアードの前編集長クリス・アンダーソンは、どの電子機器についても家庭では親として管理し、使用時間を制限している。
6歳から17歳まで5人の子持ち。「私の子供たちも妻も、自分のことを『ハイテク心配過多のファシスト』と非難し、こんな規則がある友だちなんていないと抗議する」とアンダーソン。「でも、こんなことをするのも、ハイテクのこわさを直接知っているからだ。自分自身にも、とりこになるかもしれないこわさを感じるし、子供たちにそうなってほしくはない」と強調する。
その危険性とは、有害なコンテンツなどにさらされることだ。ポルノや他の子供たちからのいじめ。なんといってもこわいのは、両親も経験したように、こうした機器やネットの世界に依存する中毒症状に陥ってしまうことだ。
ハイテク専門のマーケティング・コミュニケーション企業OutCast Agencyの最高経営責任者アレックス・コンスタンチノープルは、5歳になる一番下の息子には、平日は電子機器をさわらせないようにしている。10歳から13歳までの上の子供たちの場合は、翌日に学校がある晩は30分しか使わせないでいる・・

子どもさんを持った多くの家庭で、悩んでおられるのではないでしょうか。スマートフォンは便利ですし、楽しいです。通勤電車の中でも、たくさんの大人がスマホをみています。私だってパソコンが横にあると、ついついニュースを見たりサーフィンをしてしまいます。すると集中できなくなります。便利さは、危険と中毒とを併せ持っています。「免疫のない」子どもには、もっと魅力的で、かつ危険でしょう。
子どもに、「××ちゃんも持っている」「友達は皆持っているよ」「持っていないと、遊んでもらえない」といわれると、親はついつい買い与えてしまいます(これは、子どもがおもちゃなどを買ってもらう時の、常套句です。あなたも覚えがあるでしょ)。しかし、スマホ、ケータイ電話はまだ世に出てから新しく、子どもに与える影響は十分に検証されていません。他方で、勉強に集中できない、犯罪被害に遭っているという負の影響は、たくさん報告されています。
子どもに、どのようにスマホを使わせるか。この記事では、年齢による制限など実例が報告されています。本文をお読みください。

気が小さい上司の悩み

2014年10月10日   岡本全勝

仕事での悩みを一つ、吐露します。職員に仕事を頼むときです。
簡単な事案や、担当がはっきりしている場合は、問題ありません。悩むのは、ややこしい案件で、担当者がはっきりしない場合です。自分で片付けることができる案件なら、自分でやってしまいます。その方が早いですから。また、全く担当者がいない事案の場合は、数人の「何でも屋」を決めてあるので、彼らに頼みます。
困るのは、複数の担当者にかかわるけど、決め手がない場合です。何人かの顔を浮かべて、誰に頼もうかと、しばらく思案します。たいがいは、内容との関係度より、引き受けてくれそうかどうかで、選んでしまいます。
その職員を呼んで、「この案件は、難しいのよ。あんたの担当と違うと思うけど、やってくれる?」と言ったとき、「わかりました、やってみます」と言ってくれる職員には、本当に感謝します。今日のS君、先日のO君ありがとう。
若い時から、この方法でやってきました。しかし、若い課長の時に、いつも引き受けてくれている係長から、「いつも私ばかりですか」と、まじめに抗議されたことがあります。このときは、まいりました。確かに、この方法は正しい仕事術ではありませんね。
でも、「それは私の担当ではありません」という返事が、間違いなく返ってくる職員に頼んでも、ムダです。こちらも気分が悪くなります。私は気が小さいので、「いやです」と面と向かって言われると、心臓が凍ってしまいます。「いつも、好きなように仕事を命じているではありませんか」という、陰の声が聞こえてきそうですが、本当です。
また、頼まれたときに、私から「それは私の担当ではありません」とも、言うことができません。それで、何でも引き受けてしまいます。かつて、ある大臣から、「何でも吸い込むブラックホール全勝」というあだ名をもらいました。それを聞いたある職員は、「あれは、ゴミ箱だと言われているんでっせ」と、笑いましたが(本業の様子3)。
もちろん、部下からの依頼も、断ることができません。たいがい、彼らは困って、私に相談に(頼みに)来ているのですから。私でできることなら、頭を下げに行くくらいは、安いものです。
職場では上司に従い、仕事では部下に従い、家ではキョーコさんに従う。男は三界に家なし。
原典(本歌)はもちろん、「女三界に家なし」ですが、これって、現代では通じない(許されない)表現ですよね。でも、妻が夫に従っていたら、こんな説教は必要なかったのでしょう。実際は夫が妻に従っていて、願望を述べたのがこのような表現だと、私は理解しています。「我が家は違います」という方がおられたら、一度話を聞かせてください。

先達の経験談

2014年10月7日   岡本全勝

粕谷一希著『粕谷一希随想集3 編集者として』(2014年9月)p337に、次のような記述があります。
・・これまで10回の連載(「乏しき時代の読書ノート」)で、敗戦直後から昭和27、28年までの私の読書歴を簡単にスケッチしてきた。それは15歳、中学3年生から大学までの7、8年間である。それはある人々からすれば、その程度のことかといわれそうだし、ある人々からすれば、ナント迂遠な迷走をつづけたことかといわれそうである・・
この文章に、とても共感しました。立派な先達がこのような感慨を述べられることに、私のような凡人も安心します。人生観を変えるような本もあれば、時間の無駄だった本もあります。しかし、それが今の私を作っています。
読書だけでなく、人生もそのようなものなのでしょうね。いろんな回り道をして、今の私があります。最初から結末や過程がわかっている人生って効率的ですが、面白くないでしょうね。結末がわかっている人生なら、たぶん生きよう(たどろう)とは思わないでしょう。
回り道をして、後からみたら無駄だと思えるような過程を経て、ある目的に達する。人生は、そのようなものなのでしょう。もちろん、迷い道ばかりで、一つのことを成し遂げないようでは、満足感は得られないでしょうが。3千メートルの頂に立つ場合に、まっすぐ垂直のようなはしごを登るのか、富士山のような裾野の広い山を登るのか、八ヶ岳のような山を迷いながら登るのか。人生は、頂もわからず、登山道もわからない山を登っているのでしょう。若い時から、先達の経験談や失敗談は、すごく勉強になりました。
ところで、伊東元重先生が、『東大名物教授がゼミで教えている人生で大切なこと』(東洋経済新報社、2014年8月)を書かれました。この本は、大学生に「人生の戦略」を教える本ですが、先生の経験談でもあります。先日、先生に「まだこのような本を書かれるには、早いのではありませんか」と申し上げたところです。しかし、大学生や院生からすると、伊藤先生の経験談は宝物でしょうね。