カテゴリーアーカイブ:人生の達人

記者懇談会

2014年11月7日   岡本全勝

今日午後に、記者さんたちを相手に、懇談会(説明会)をしました。官庁ではそれぞれに違いはありますが、記者さんたちを相手に、年に数回、業務の概要説明を行います。復興庁では、不定期ですが、年に2回くらいやっています。重要事項の発表の他に、行うのです。「バックグラウンド・ブリーフィング」も、記者さんに背景や事情を理解してもらうのに、重要です。私は、好きです。
記者さんたちは、それぞれに問題意識を持って、官庁に対して取材をします。それは重要なのですが、役所としては、まず基本的な知識を持ってもらって、それから取材をしてもらいたいのです。記者の多くは、1年未満で交代していきます。全体像を知らずに、重箱の隅を研究されても、良い記事になりません。
私としては、現場での復興がどこまで進んだか、復興庁は何をしているか、これから何が課題かを、客観的公平に見てもらいたいのです。そのためには、私も、何が進んで、何が進んでいないか、さらに今後の課題は何かを、正直に提供しなければなりません。
もっとも、復興庁を長く取材している記者さんと、現場を取材している記者さんは、もし私が問題点を隠しても、鋭く指摘してくるでしょう。
質疑応答は、私にとって、真剣勝負の場です。記者会見の場で、答えにくい質問に、「××なので、コメントを差し控えます」という答を返す人がいます。しかし、記者懇談会やバックグランド・ブリーフィングの場合に、はぐらかしては信用を失います。もちろん、質問の内容によりますが。
私の発言が、ぎりぎり活字になるかならないか、活字になっても良いかを判断しながら、答えなければなりません。「わかりません」「それはお答えできません」を連発すれば、次回から記者さんは参加しなくなるでしょう。
なので、この懇談会は、彼ら記者たちが、官庁側の説明者の力量評価をする場です。「この統括官は、今後取材しても無駄だな」「この参事官は、取材してみようか」と。私にとっても、記者さんたちそしてその後ろにいる国民が、どのような点に関心を持っているのかを知る、貴重な機会です。

上司への説明資料の作り方

2014年11月5日   岡本全勝

私が失敗したことや、上司はどのような資料を作って欲しいかかなど、経験を元に、若手職員に仕事の仕方を伝授することは、先輩の務めです。『明るい係長講座』は、そう思って書いたものです。その後も、笑いながら(職員が萎縮しないように)、資料の作り方や説明の仕方を、「指導」しています。復興庁の職員は上達が早く、わかりやすい資料を作ってくれます。1枚にまとめること、結論を先に書くとか。
最近、さらに上級編を、指導しています。大臣説明資料を、事前に私に説明に来てくれます。資料は良くできています。パワーポイントを使ったりして。しかし、私に言わせると、それは「別添資料」なのです。その資料を基に、職員が口からつばを飛ばして説明してくれます。そこで、私は一言。「この資料は良くできている。でも、もう一声や」「今、私に言ったことを、この資料の前に1枚付けてくれ」。
この資料は、何を言いたいのか。すなわち、大臣に了解を得るのか、大臣に報告するのか。この資料は、大臣が会議などで使う資料なのか、単に大臣に理解を得るための資料なのか。発表事項なら、いつどのようなかたちで発表するのか。それらを1枚目に書いて、彼らが作った資料は「別添1」や「別添2」になるのです。
合格点をもらえるかどうかの判断は、簡単です。「大臣に説明する時間が取れないときに、大臣に渡して、新幹線の中で読んでもらって、わかってもらえるかどうか」です。口からつばを飛ばさなくても、目を通せばわかるかどうかです。パワーポイントの資料の前に、「送り状」が必要なのです。

国会審議など

2014年10月29日   岡本全勝

今日は午後から、参議院復興特別委員会の審議でした。大臣の所信表明と先日の被災地視察を受けての質疑です。新大臣にとって、初めての質疑でした。いろんな角度からの質問が出ます。
私は、昨晩(28日)、福島視察から上野駅について、それから職場に帰って(そんなことはめったにしないのですが)、職員が作ってくれた答弁案を確認しました。職員に見つからないように執務室に入ったのですが、めざとく見つけた職員(O君他)が、「ちょっと良いですか」と、別件でゲリラ攻撃をかけてきました。
でも、20時過ぎには、お腹をすかせて、家に帰りました。お風呂に入ろうとして服を脱いだら、そんなときに限って、携帯メールが鳴るのです。その後は、日付変更線をまたぐまで、電子メールで部下とのやりとり。私は自宅で仕事をしていますが、職場で残って作業をしている職員に感謝します。
朝は、8時半から、アメリカの研究者と京都大学の研究者さんの、インタビューでした。というか、その時間に変えてもらいました。質問は、どのようにして復興庁ができたのか、どのように復興庁を作ったのか、何が良くて何が悪かったのかなどです。当時の実務を仕切った坂本参事官にメモを出してもらい、記憶を呼び戻しながら、答えました。
手前味噌ですが、被災者支援本部、復興本部、復興庁は、良くできた組織であり、うまく運営し、よく仕事をしたと、自己評価しています。もちろん、職員たちが頑張ってくれたからです。最初は、こんな大きな組織になるとは、思っていませんでした。「小さな本部で良いのに」と考えていたのです。反省。予告しているように、いずれこの経験は記録に残します。原稿に着手しているのですが、続きまへんわ。
今週は、月火と出張、今日は国会対応と、自分の時間が取れません。電子メールと資料がたまり、職員との打ち合わせは延期しと、たくさん仕事を後送りしました。ごめん、今日相手できなかった職員諸君。

各部局との交渉は公平に、嘘を言わない

2014年10月26日   岡本全勝

日経新聞10月21日「私の課長時代」は、TOTO社長の喜多村円さんでした。1999年3月期に上場以来初の赤字に転落。喜多村さんが経理課長になった2000年3月期も業績は厳しく、経費を削減する必要がありました。現場の人に会社の状況を理解してもらうために、全国の拠点を行脚して予算交渉をします。
当時、営業企画本部長だった後の張本邦雄会長との議論です。数億円の予算カットをめぐり、20分議論する予定が2時間経っても話がまとまりません。「もう時間切れだ、帰れ」と言われ、「ここに(会議室に)布団を敷いてくれ。納得いくまで話をさせてくださいよ」と言い返したそうです。
・・経理は公平性以外に武器がありません。嘘を言わないことと、駆け引きをせずストレートに接することを心がけていました。相手によって態度や判断を変えていたら、信用を得られません。役員にたてついたこともありました・・
管理職になってから、部下から決裁を求められた際に、「あなたの意思は何ですか? 何がしたいの?」と聞くことにしておられるそうです。
・・自分の思いがなく、人にやらされていることでは長続きしないし、成功する確率も落ちる。固い意思があれば、周囲の人を巻き込んで新たな成果を生む原動力にもなるのです。人を巻き込むには甘い仮説では通用しません。仮説に至るまで、客観的な事実の積み重ねが大事です。それには勉強しなければなりません・・