投稿者アーカイブ:岡本全勝

標準世帯は「親子3人+1匹」

2025年7月25日   岡本全勝

7月7日の日経新聞に「標準世帯は「親子3人+1匹」」が載っていました。

・・・犬と猫の存在感がかつてないほど高まっている。飼育数は子どもの人口を上回り、人工知能(AI)を活用した交流ツールや、体調管理のための高級サプリメントが登場。社会保障費の削減に資するとの研究もあり、2050年の家族像はペット抜きには語れないかもしれない・・・

・・・一般社団法人ペットフード協会によると、24年の犬と猫の飼育数は計約1595万匹。数だけでいえば、15歳未満の子ども(約1383万人)を上回る。住環境の関係で犬は減少傾向だが、猫人気は底堅いという。
国立社会保障・人口問題研究所の推計で、50年の子どもは約1040万人。世帯数などの推計をベースに、世帯あたりの平均飼育頭数や飼育率が現在のままと試算すると、犬と猫は約1390万匹。現在よりさらに差が広がる・・・
・・・矢野経済研究所(東京・中野)によると、23年度のペット関連市場は1兆8629億円と、過去10年間で約1.3倍に。阿部保奈美研究員は「1匹あたりにかける金額の増加や健康志向の高まりが要因」と話し、このまま成長が続けば、27年ごろに市場規模は2兆円を超える。

犬や猫のライバル候補も登場している。ロボットだ。
GROOVE X社(東京・中央)が開発したLOVOT(らぼっと)は、オフィスや介護施設など1000法人超に導入された。体温は犬や猫に近い38度前後。人を識別し、抱っこをせがむ姿は生き物のようだ。
故障すれば"専用病院"で治療し、壊れても記録を新しいモデルに移植できる。住環境やアレルギーの関係で動物を飼えない人から歓迎されるほか、犬や猫との死別を経験し「もうつらい思いはしたくない」とLOVOTを選ぶ人も多いという。

新たな家族となりつつあるペットが社会に与える影響について、研究も緒に就いている。
25年、国際学術誌で発表された英国の研究では、犬や猫の飼育はウェルビーイング(心身の健康と幸福)にプラスと指摘。金銭換算すると年収約1300万円増に匹敵し、結婚と同等の価値があるという。
東京都健康長寿医療センターによると、犬を飼う高齢者は認知症の発症リスクが約4割、心身の機能が衰えるフレイル(虚弱)のリスクが約2割低かった。犬や猫などペットの飼い主の介護保険サービス利用費は、飼っていない人の約半分だった。
研究を主導した同センターの谷口優協力研究員は、「ペットを飼う人は社会とのつながりを持ちやすい。ペットを介した家族や近所との交流が続けば、見守りや家事手伝いなど公的サービスに頼らない援助が期待できる」と分析する。
「かわいい」だけではないペットの潜在力は、人間中心の社会のあり方の見直しを迫るかもしれない・・・

山田昌弘・中央大教授の発言
・・・日本でペットが「家族の一員」として扱われ始めたのは1990年代ごろからだ。家畜の一種だったペットが、固有名を持ったかけがえのない存在としてみなされるようになった。
背景には社会構造の変化がある。離婚や単身世帯、高齢者の一人暮らしが珍しくなくなり、家族がいない人や、いたとしても不満を感じる人が増えた。家族が取り換え可能になった今、ペットが「理想の家族」の投影先になっている。
人は家族に「かけがえのなさ」と「自分らしさ」を求めている。両方を与えてくれるのがペットだ。人間は裏切るが、ペットは裏切らない。自分が世話をしなければ死んでしまうペットとは、損得勘定を超えた絆で結ばれていると信じることができる。友達や家族の前では気を使って言えないことも、ペットの前では素の自分でいられる・・・

配電盤と集電盤

2025年7月24日   岡本全勝

司馬遼太郎さんは、明治時代の東京、特に東京大学(帝国大学)を、欧米文明を受け入れ地方に配る「配電盤」と表現しました。とてもわかりやすい表現です。霞ヶ関の行政機構も、欧米から輸入した行政サービスを、日本各地に行き渡らせる配電盤でした。

組織に置き換えると、ヒエラルキー(階統制)で、上位の職から下の職へ指示が下りることに似ています。
他方で、集電盤という仕組みがあります。配電盤が電気を分配するのに対し、集電盤は別々の電気を集めます。個別に発電された太陽光発電を、一つにまとめる場合とかです。
これを組織に当てはめると、ある知識や指示を「分配」するのではなく、別々の情報や知識を「集めて整理」することです。ところが、ただ単に集めただけでは「おもちゃ箱状態」になって利用できないので、一定の目的や基準で整理する必要があります。

この集電盤機能は、意外と難しい作業です。配電盤機能なら、受けたものをそのまま伝えるか、指示をかみ砕いて伝えればすみます。しかし集電盤機能は、ある目的のために、雑多な情報から必要なものを選び出し、分類を設定してそれら情報を整理し、それを上司や関係者に説明しなければなりません。
目的がはっきりしている場合、例えば上司から指示があった場合は、比較的簡単です。とはいえ、どのような分類にするのか、何を取り何を捨てるのか。難しい場合があります。東日本大震災では、全国に避難した避難者を(地域と施設別に)把握する際に、これに該当しました。

他方で、目的がはっきりしていない場合はもっと難しいです。例えば新たな課題と思われる事象が頻発していて、それを認知し対策を考える場合です。社会的問題で言えば、引きこもり、孤独死、子どもの貧困、虐待、家庭内暴力などが、それに当てはまったでしょう。それら問題の定義も範囲もはっきりしません。というか、それを決めるために事象を拾い上げ、分類するのです。初めから範囲と分類が決まっているのではなく、作業の過程で定まっていくのでしょう。
組織の幹部や管理職は、日々、このような状態に置かれています。人工知能には、できない作業だと思います。

地方から東京へ女性の転出

2025年7月24日   岡本全勝

7月8日の読売新聞「参院選2025 地方と女性」「進学・就職で東京へ転出」から。

・・・「地元で夢は実現できなそう」 男女数不均衡 地域経済存立の危機
地方から都市へと、女性の転出が続いている。地方にはやりたい仕事が少ない、賃金に男女格差がある、女性だからと昔ながらの役割を求められるなど、様々な理由が指摘されている。20日に投開票が行われる参院選では、地方の課題や女性活躍も論戦のテーマになる。男女とも希望通りの生き方ができ、活力のある地方を作るにはどうすればいいのか、ふるさとを後にした女性の声などから考える・・・

・・・総務省の人口移動報告によると、2024年に東京に転入した女性は約21万6800人で、転出者より約4万2200人多い転入超過状態だ。男性の転入超過の約3万7100人よりも多くなっている。
内閣府の報告書「地域の経済2023」によると、15年以降、15~29歳を見ると、東京圏への女性の転入超過数は男性を上回り続けている。特に東北や北関東、甲信越からの女性の転入が多い。
その結果、男女数が不均衡の県が目立つように。20~34歳の未婚者の男女の人口比(女性1に対する男性の数)が全国最大なのは福島県の1・35。2位が茨城県で1・33、3位が富山県と栃木県で各1・32という結果になった。

報告書は「性別による人口の不均衡は、中長期的に地域の少子化・人口減少につながり、地域経済の存立を危ぶませる」と警鐘を鳴らしている。
なぜ女性は地方から東京に流出するのだろうか。公益財団法人「東北活性化研究センター」(仙台市)は20年、18~29歳の女性にアンケートを行った。東北6県と新潟出身で、進学を機に東京圏に移り住み、現在も東京圏に居住している760人のうち、「進学の際に地元に戻る気はなかった」と答えた女性は55%にのぼる。

一方で、「特に考えていなかった」(27%)、「地元に戻るつもりだった」(18%)という女性も少なくない。同センターの橋本有子さんは、「地方に多様な業種や職種がなく、『自分の夢ややりたいことが実現できなそう』と考えている女性は多い。DX(デジタルトランスフォーメーション)やリモートワークなどを推進することで、地元の企業に就職しようという気持ちがある女性に戻ってきてもらうことが大切だ」と話している・・・
参考「読売新聞「あすへの考」に載りました

イエメン国研修

2025年7月23日   岡本全勝

今日7月23日は、国際協力機構の「イエメン国研修 復興計画策定能力向上」の講師に、横浜まで行ってきました。
近年、毎年呼んでもらっています。国際協力機構の同種の支援(発展途上国の能力向上、特に戦後復興)はいくつかあり、その一つです。
イエメンは、内戦が続いていて、膠着状態のようです。これが収まらないと、戦後復興は本格的には開始できません。

写真と図を使った説明は、よく理解してもらえたようです。アラビア語への通訳は、まったく理解できません。その前に、私の資料がアラビア語に訳されているのですが、数字以外は理解できず。
たくさん質問が出て、持ち越しになったものも。

こども食堂、高齢者や外国人の居場所

2025年7月23日   岡本全勝

このページでも何度か取り上げている「こども食堂」が、広がっています。「むすびえ」によると、1万か所を超え、公立中学校数を超えました。子どもだけでなく、高齢者の居場所にもなっています。さらに、外国人もつながる場になるようです。子どもの貧困対策ではなく、居場所作りなのですね。

7月16日に、岡山市で開かれた「こどもの居場所づくりトップセミナー」での湯浅誠さんの発言を、時事通信社のiJAMPが伝えていました。
・・・湯浅誠さんが「こども食堂は地域のいろいろな方たちの居場所だ」と述べ、子どもだけでなく、高齢者や外国人を含め多様な人々がつながる場をつくることの重要性を訴えた。
湯浅氏はこども食堂を「子どもを中心とした地域のまぜこぜの居場所」と表現。「食べられない子が行くところというイメージがついてまわるが、地域の方々が所得や属性にかかわらず集まる場所がほとんどで、約3分の2で高齢者が参加している」と説明した。
外国人もこども食堂を利用している。湯浅氏は「(外国人)研修生などは職場と自宅の往復だけで暮らしていて、地域とつながりを持てないことが多い」と指摘した上で、こども食堂での触れ合いが「話したこともない外国人」に対する地域住民の不安を解消する効果を生んでいるとの見方を示した・・・
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