投稿者アーカイブ:岡本全勝

高齢者の就労・社会参加の形

2021年6月2日   岡本全勝

5月31日の読売新聞「安心の設計」は「変わるシルバー人材センター」でした。

・・・60歳以上の高齢者の仕事探しを後押しする「シルバー人材センター」が岐路に立たされている。保育や介護といった人手不足の業種で事業拡大が期待される一方、企業の雇用延長制度などで会員数の伸び悩みにも直面している。試行錯誤しながら変わっていくセンターの姿を追った・・・
・・・シルバー人材センターは時代の変化に直面している。雇用延長制度の広がりや、高齢者の健康状態の改善、「60歳代はシルバーではない」という意識変化を背景に、“シルバー離れ”が目立ち始めた・・・
詳しくは、記事をお読みください。

「高齢者の就労・社会参加のイメージ」という図が載っています。横軸に収入が、縦軸に負荷が取られています。右上の雇用や起業から、左下に向かって、シルバー人材センター、ボランティア(有償、無償)などが載っています。
・・・高齢者が「働きたい」と考えた時、就労先を探す手段は様々だ。
内閣府が収入のある仕事に従事している60歳以上の男女を対象として「今している仕事を見つけた方法」を尋ねたところ、「知人・友人等の紹介」が28.1%で最も多かった。
次いで「自分で起業」(15.7%)、「ハローワーク」(8.6%)、「求人情報誌」(7.8%)が続いた。「シルバー人材センター」は3.8%にとどまった・・・

学校での政治教育

2021年6月1日   岡本全勝

5月29日の朝日新聞読書欄、阿古智子さんによる「教室における政治的中立性」について。
・・・ 対立や問題からこそ、学びが生まれる。より多くのことを知り、理解できるようになるというのに。
人々が均質的な共同体に移行し、政治的対立に反対する傾向は、アメリカでも顕著だという。分裂した社会では、政治が二極化しやすく、重大な問題への解決策を生み出せなくなる。
著者は社会に「適合する」ことを示唆する「公民教育」と学校の外の政治的世界に真っ向から取り組む「民主主義教育」を区別し、横断的な学びを模索する。
イデオロギーが「左」または「右」に傾く学校でも、生徒たちは多くの問題への態度を決めきれず、そこに論争的な問題の議論の余地を見いだしていた。日本の多くの学校現場では、政治的中立性維持のため、教師は意見を伝えるべきでないとされるが、本書は、教師の意見表明が生徒の学びに及ぼす影響や効果を実証的に明らかにした・・・

・・・生徒全員が同性婚の合法化に反対というキリスト教の高校の教師は、卒業後の世俗的な環境(大学など)に向けて、生徒が自分で考える力を育てようとした。重要な問題を、他人任せにしてはならないからだ。
学校が論争的な政治問題を教えることをためらうならば、民主主義の担い手が育たない。公共の課題に対する熟議が進まないことは言うまでもない・・・

政治をできあがった制度として教えるだけでは、民主主義を教えることはできません。「無菌培養」で育てた生徒を、「細菌」がいっぱいある社会に放り出すことは、罪です。「細菌」には、善玉菌も悪玉菌も、無害なものもあります。しかも、その「細菌」は避けることはできない、いえ避けずに参加して、判断しなければならないのです。

建て替えられる建物、4

2021年6月1日   岡本全勝

建て替えられる建物、3」の続きです。
昭和53年(1978年)に自治省に入省し、すぐに徳島県庁に赴任しました。県庁近く(徳島市南仲之町)の木造アパートの2階に住みました。いま、グーグルのストリートビューで見ると、なくなっているようです。
2年後に本省に戻ったときは、豊島区目白(高田。都電学習院下駅の近く)の独身寮に入れてもらいました。中曽根康弘首相のご自宅の裏でした(中曽根さんはその後転居されました)。鉄筋コンクリート造り3階建てだったでしょうか、4畳半です。もっとも冬の間はほとんど職場に泊まり込んだので、洗濯をしに帰ったくらいでした。この建物も壊され、移転しました。

2年後に結婚して、六本木の集合住宅に入りました。これはその後、六本木ヒルズの再開発で、壊されました。
28歳の時に、鹿児島県庁に赴任しました。鹿児島市天保山町の宿舎(木造戸建て)でした。昔の建物で広く、正月には職員がたくさん来て宴会をしました。当時は桜島が活発に噴煙を上げた時期で、灰が窓の隙間から入ってくるという難点がありました。これも取り壊され、鉄筋コンクリートのアパート形式の宿舎になっています。

昭和63年(1988年)、33歳で東京に戻って、田端、次いで駒込の集合住宅に住みました。二人目の子どももできて、手狭でした。もっとも、私はほとんど家にいませんでした。この建物はまだ健在です。この項続く

連載「公共を創る」執筆状況報告

2021年5月31日   岡本全勝

恒例の、連載「公共を創る 新たな行政の役割」の執筆状況報告です。
続きを書き上げ、右筆たちに手を入れてもらい、編集長に提出しました。第4章1(2)「新しい不安への対応」のうち、孤立についてです。

2006年に内閣官房で再チャレンジ室長を務めて以来、孤立や生きづらい社会に、関心を持っていました。新聞記事やいくつかの関連書に目を通していたのですが。いざ、このような視点で文章にしようとすると、知見が足りません。もちろん、私はこの分野の専門家でなく、行政を語る視点として、孤立を取り上げているのですが。
ひとまず書き上げ、右筆たちに意見をもらいました。たくさん意見をもらいました。一部は、ズタズタにされました。ありがたいことです。

新型コロナ対策、日本の医療体制

2021年5月31日   岡本全勝

5月29日の読売新聞1面、山口博弥・編集委員の「医療とワクチン 総力戦で」から。
・・・健康保険証さえあれば、いつでも、どこでも、安い自己負担で同じ質の医療が受けられる――。わが国で1961年にスタートした国民皆保険制度は、日本人の平均寿命を世界トップクラスに引き上げ、医療の評価を国際的に高めた。
だが、新型コロナウイルスの感染拡大で、非常時における日本の医療体制のもろさが浮き彫りになった。コロナ患者用の病床や医療スタッフを機動的に確保できず、調整する司令塔もいない。受け入れ病院で目詰まりが起き、本来救えたはずの命が失われる悲劇も起きた・・・

日本の医師は、どの地域で、どの診療科で働くかを選べる自由がある。民間病院が8割を占めるため、国や自治体からコロナ医療やワクチン接種の業務を強制されることもない。
カルテ開示、医師不足解消のための計画配置、専門医制度……。様々な法制化が議論される度に、日本医師会や各専門学会は「我々が自主的に取り組むから、規制は不要」と反対した。
背景にあるのは、「プロフェッショナル・オートノミー(職業的自律)」と呼ばれる医師の行動原理だ。患者の利益のため、外部の規制を受けず、自らの職業倫理に従って動く――。
菅首相は先月末、日医などにワクチン接種への協力を要請した。もちろん、すでに大勢の医師が現場で身を削っている。だが、世界に誇る日本の医療制度を維持したいのなら、さらに多くの医師が、職業的自律の理念で国の要請に応える責務があるのではないか・・・
全文をお読みください。

現在のコロナ対策の課題は、感染拡大防止、医療逼迫対策、ワクチン接種、そして国民の理解でしょう。先進各国より患者数が少なく医師も多いのに、医療が逼迫するのは、理解しにくいです。