投稿者アーカイブ:岡本全勝

善福寺川のカワセミ

2021年10月2日   岡本全勝

先日、いつもの散歩をしていたら、善福寺川べりで、対岸に向かって大きな望遠レンズのカメラを構えているおじさんがいました。何を撮っているのかと、その視線の先を見ると。
いました、カワセミです。あのきれいな翡翠色の羽です。川の中にある流木の先に止まって、しきりに頭を振っています。

よく見ると、何かをくわえて、飲み込もうとしているのです。獲物が大きくて、なかなか飲み込めないのです。5分ほどかけたでしょうか。ようやく飲み込みました。
写真を撮っていた人に聞くと、大きな川エビだったようです。
この場所でよく見かけるとのこと。その場所は、内緒です。

デジタル庁の課題

2021年10月2日   岡本全勝

9月23日の読売新聞解説欄は、「デジタル庁 新司令塔の課題」でした。佐藤一郎・国立情報学研究所教授の発言が、要点をまとめていて、分かりやすいです。

・・・2001年の「e―Japan戦略」以降、日本はIT戦略を数年おきに発表してきたが、いつもかけ声倒れに終わってきた。戦略の全体目標があいまいだった上、各府省庁が個別に小粒の施策を打ち出し、相乗効果を発揮できなかったためだ。失敗した原因の総括もなかった。
今回は、デジタル行政の司令塔となるデジタル庁の組織づくりから着手した点がまず評価できる。省庁にまたがるシステム関連予算をデジタル庁が一括計上する仕組みも、リーダーシップの源泉となるだろう。
ただし、システムを熟知しているのは現場の府省庁や自治体だ。強権的にシステムの一元化や標準化を進め、業務に支障が出る事態は好ましくない・・・

・・・デジタル庁は内閣直轄で、民間人材も多い。これまでにはない特異な組織だ。民間人の登用自体は問題ないが、役所と民間を行き来する人がいる以上、調達の公平性を担保する仕組みが必要だろう。弊害が起きていないかをチェックする仕組みを整えてほしい。中立的な立場でデジタル庁の成果を評価する仕掛けも講じるべきだ・・・

・・・日本のデジタル化は先進国の中でも周回遅れだ。海外は電子申請手続きなどがすでに進んでおり、デジタル化を住民が行政活動を可視化する手段とするための模索が始まっている。
世界の先を目指すには、行政の業務や組織をデジタルでどう変え、どのような社会を目指すのかの全体構想を描く必要がある・・・

1「失敗した原因の総括もなかった」とは、耳の痛い指摘です。省庁には、失敗を検証する仕組みがありません。
2 省庁は所管業務は法律に明示されているのですが、いつまでに何を達成するかの目標が示されていないことが多いです。その点、デジタル庁は、目標がはっきりしています。「制度所管」」でなく「課題所管」で運営してほしいです。「制度を所管するのか、問題を所管するのか

連載「公共を創る」第94回

2021年10月1日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第94回「社会の課題の変化―「個人救済」担い手と手法の変化」が、発行されました。

前回から、新しい弱者への支援の拡充を説明しています。
かつては個人の責任とされたリスクのいくつかが、国によって救うべきものに変わりました。すると、自己責任と控除との兼ね合いが、問題になります。

政府が困っている国民を救う際には、金銭的支援だけではありません。弱い労働者と強い企業と対等に交渉できる条件をつくったり、最低限の労働条件を定めることで労働者を守ったりします。自立のために、金銭支援でなく、自立を促すトランポリン型の支援をつくりました。男女共同参画や働き方改革は、社会の意識と仕組みを変えようとする試みです。

谷公一議員セミナーで講演

2021年10月1日   岡本全勝

今日10月1日は、谷公一衆議院議員のセミナーの講師に呼ばれました。演題は「道半ばの政治主導」です。8月10日の読売新聞に載った私の発言を読まれて、この題で話してほしいとの依頼です。
堅苦しい学問的な話では、聴衆に喜んでもらえないので、いろいろと小話を入れました。また、総理秘書官の経験を基に、総理とはどのような仕事かを話しました。

今日の東京は台風16号の接近で、雨が強かったです。その中を、約100人の方が出席して聞いてくださいました。今日から、コロナの緊急事態宣言が解除されたので、対面形式で行うことができました。何人かは、オンラインで参加でした。
谷先生には、自民党東日本大震災復興加速化本部幹部として、ご指導をいただきました。その昔に、議員が兵庫県庁から自治省に出向していた頃、一緒に仕事をした仲です。もう40年も前の話ですが。

日本の近代産業を率いた人たち

2021年9月30日   岡本全勝

栂井義雄著『日本資本主義の群像 ―人物財界史』 (2021年、ちくま学芸文庫)を読みました。日本の近代産業を率いた人としては、渋沢栄一が有名です。今年のNHK大河ドラマに取り上げられ、本屋にはたくさんの関連書籍が並んでいます。

この本は、渋沢栄一を筆頭に、明治から戦前までの財界人10人を取り上げて、その仕事ぶりを紹介したものです。簡潔にまとめられていて、読みやすいです。冒頭に、財界・経済界がどのようにしてできたのかが解説されていて、勉強になります。
歴史というと、政治家や武士が中心に描かれますが、経済を動かした人たちの役割も重要です。それら以上に、一般の人がどのように暮らしていたか、それがどのように変化したことの方がより重要ですが。こちらの方は、小説やドラマにはしにくいですね。

財界人10人で明治から戦前までの経済を描くのは無理がありますが、大まかな姿や時代の雰囲気が分かります。数字だけでは分からないことです。特に、近代産業が興り、成長する時代です。この人たちが中心になって財閥がつくられ、日本の産業界を引っ張ります。富国強兵・殖産興業を大方針とした政府と軍部の関係も、描かれます。
その後、才能と意欲のある個人が事業を起こす時代から、会社組織になって経営者が育成される時代になります。すると、特色ある個人事業家は少なくなります。

ところで、歴史小説にしろこの本にしろ、多くは成功者の話です。それは面白いのですが、他方で敗者もたくさんいます。それらも書かれていると、時代の動きがより分かり、また勉強になるのですが。それは、難しいですかね。