投稿者アーカイブ:岡本全勝

福島市役所で講演

2022年10月14日   岡本全勝

今日14日は、福島市役の管理職研修に行ってきました。
木幡市長は総務省(旧自治省)出身で、行政の専門家です。市役所の能力を向上させるために、さまざまな取り組みをしています。待機児童解消にも、就任早々に取り組み、早々に成果を挙げました。

企業と異なり、自治体は他社との競合のない「地域独占企業」です。競争のない組織は、どうしても「ぬるま湯」になります。顧客の要望に応えるのが鈍い、職員が研鑽しないなどです。これは自治体だけでなく、電力会社もそうでした。
そのような条件の中で、いかに住民の期待に応えるか、職員を育てるか。この二つが、企業と異なる「肝」になります。
先日紹介したように、自治体の管理職研修の良い教材や講師がいないようです。私にも、しばしばお呼びがかかります。

連載「公共を創る」第132回

2022年10月14日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第132回「政府による市場経済への介入手法」が、発行されました。

前回に続き、政府の経済的規模、公務員数といった「政府の大きさ」を説明するとともに、企業や非営利団体が公共サービスを担っている場合の扱いを説明しました。私立病院や私立学校は公立病院や公立学校と同じような公共サービスを提供していますが、政府部門には分類されません。医者にかかった場合の3割の自己負担、どのように国民経済計算に計上されているか知っていますか。

次に、財政支出以外の政府の手法の説明に入ります。まず、市場経済への介入手法についてです。この分野については経済学や財政学に詳しい説明があります。ここでは、そのような教科書に載っていない新しい手法を紹介します。私も、再チャレンジ政策や東日本大震災復興で、これまでにない手法を見てきました。それらを見ると、これまでの行政の手法や教科書の説明が「遅れている」と感じます。

執筆者たちが語る『現代官僚制の解剖』

2022年10月13日   岡本全勝

先に紹介した『現代官僚制の解剖』について、執筆者が座談会で語っておられます。
鹿毛利枝子・北村亘・青木栄一・砂原庸介「『現代官僚制の解剖』刊行に寄せて――官僚について何がわかり何がわからなかったのか」(有斐閣「書斎の窓」9月号、4ページから28ページ)。

執筆者たちが何を意図したか、何に苦労したか、何ができなかったか、今後の課題は何かを語っておられます。また、鹿毛利枝子・東大教授が執筆者でない立場で、意見を述べておられます。
調査に協力した立場として、不十分だった点については忸怩たる思いがあります。今後、内閣人事局が参画するなりして、改善して欲しいです。

25ページにわたる長文です。ご関心ある方は、お読みください。インターネットで読むことができるのは、便利です。

定時に退社すると批判された。変えてやる

2022年10月13日   岡本全勝

10月5日の日経新聞「私の課長時代」は、渋谷直樹・NTT東日本社長でした。

・・・民営化1期生で、あらゆる仕事に前例がありませんでした。会社の転換期に新しいプロジェクトを任せてもらい、育てられた自覚があります。その経験から、人材育成では部下を信頼し、仕事を任せることを強く意識しました。部下の提案にはとにかく全部、「ええやん。やってみよう」と。課長時代の送別会で色紙をもらった際、部下の間で「ええやん課長」と呼ばれていたことに気づきました。

この考えには原点があります。入社して間もない頃、業務効率にこだわり、集中して仕事をこなして定時に退社していました。すると、上司から「君はいつも早く帰るね」と批判され、全く評価されずにショックでした。当時、上司はまず部下にダメ出しをする組織風土があり、「自分が変えてやる」と誓いました。

誰でも意見を言いやすい前向きな空気感があると、新しいアイデアが生まれやすいです。「予算や人手が足りない」「前例がない」など、できない理由を考えるより、部下にはクリエーティブな人材になってほしいと願ってきました。
社長になってもキャッチフレーズは「ええやん」です。課長時代はリーダーの原点で、成長のチャンス。今は課長になりたくない人も多いと思いますが、固定観念にとらわれる必要は全くありません。ぐいぐい引っ張るだけでなく、肩の力を抜き、部下の潜在力をどんどん引き出すリーダーも良いと思います・・・

自治体研修のあり方2

2022年10月12日   岡本全勝

自治体研修のあり方」の続きです。
「人材育成の重要性」を首長さんも幹部も発言されますが、多くの自治体でそれが実行されているようには思えません。問題は、予算削減による研修機会の削減と、適切な研修がなされていないことです。

前者については、企業以上に自治体の力は、職員の能力とやる気に左右されます。そして国に言われたことをしていれば良い時代が終わり、これまで以上に職員養成が重要なのです。
この20年間に研修予算をどれだけ増やしたか減らしたか、各自治体で調べてみてください。多くの自治体で、財政課は経費削減をしていると思います。その効果は直ちには現れないのですが、長期的に効いてきます。

後者については、専門分野の知識の研修はそれなりの内容が行われているようですが、人材育成や管理職研修は、教材も教師も不十分なようです。
本屋に並んでいるリーダーシップの教科書は、一般の公務員にほとんど役に立ちません。幹部などの経験談では、十分ではありません。成功した人の自慢話でなく、悩んでいる職員やうまくいかない職員への手当が必要なのです。
私が「明るい公務員講座」3部作を書いたのは、「公務員の教科書」がないので、それをつくろうとしたのです。「管理職の必須知識講座」も、そのような意図です。
国家公務員においても、十分ではありません「国家公務員のためのマネジメントテキスト」。市町村アカデミーも力を入れますが、内閣人事局と総務省公務員部に頑張ってもらわなければなりません。