投稿者アーカイブ:岡本全勝

永遠の都ローマ展

2023年10月9日   岡本全勝

先日、キョーコさんのお供をして、東京都美術館の「永遠の都ローマ展」に行ってきました。展示されている彫刻などは素晴らしく(複製もありますが彫刻の場合は、鑑賞するには問題ないですね)、なかなかのものでした。
目玉であるカピトリーノのヴィーナスのほか、カピトリーノの牝狼(歴史の教科書に出てきます)、コンスタンティヌス帝の巨像の頭部(写真で見たことはありますが、こんなに大きかったのですね)・・・。

もっとも、「永遠の都ローマ展」と銘打っていますが、カピトリーノ美術館展という方が正確でしょう。古代ローマから近世までの歴史をたどったもの、全貌を紹介する展示ではありません。
中世の教皇や貴族たちが集めた古代ローマの美術品。ローマ教会にとっては異教の品々です。それに気がついて教皇が手放して、ローマ市に寄贈したのが、美術館の起源のようです。ともあれ、現代に伝わったことはよかったです。ヴィーナス像は、地中に隠され、ずっと後になって掘り起こされたとのこと。だから、保存されたのですね。

見た後は、いつものように美術館の食堂で昼ご飯を食べました。ゆったりとした気分で、心地よい時間でした。室内を見渡すと、ほぼ満席。
で、男性は1割ほどで、残りは女性客です。お店の従業員に「男性客はこんなに少ないのですか」と聞いたら、「ええ」と笑っておられました。

秋は日本酒

2023年10月8日   岡本全勝

夏の間は、どうしてもビールになります。暑い日に、冷たいビールはおいしいです。ビールは、サントリーに義理立てして、プレミアムモルツにしています。飲食店では、料理によって日本酒やワインです。日本酒はもちろん、大震災被災地、特に福島県産を選んでいます。

暑い日が終わり、そろそろ家飲みを日本酒に変えるために、近所の酒屋さん(高原商店)に行ってきました。猛暑になる前に、貯めていた日本酒を飲み尽くしたので。いつものようにご主人夫婦にお願いして、「水のようにすっきり飲める酒」を選んでもらいました。

ところで、10月2日の日経新聞「中年Z世代「あえて酔わず」30年後、ビール市場が半減」によると、ビール(発泡酒などを除く)の消費量は、ピーク時の1994年に比べ7割減ったそうです。このまま年に2%ずつ減少すると、2050年代には現在から半減します。お酒全体では、1999年のピーク時から2割減ったとのことです。

私の推測では、かつてのような宴会で大勢で馬鹿飲みする機会が減って、各人がお酒の味を楽しむように変わったことも、消費量が減った理由の一つでしょう。私がそうですから。

ゆがむネット世論

2023年10月8日   岡本全勝

9月15日の朝日新聞オピニオン欄、山口真一・准教授の「歪む「ネット世論」 一部の声が強調されるリスク、メディアは認識を」が参考になります。

・・・インターネットの普及は、社会における情報のアクセス方法やコミュニケーションの方法を劇的に変化させた。人々はSNSなどのプラットフォームで意見や情報を自由に共有し、瞬時に大勢の人々に情報を届けることができるようになり、人類総メディア時代が到来した。
それに伴い、「ネット世論」という言葉をよく耳にするようになった。インターネット上では多様な人が様々な意見を言っており、政治的運動もしばしば起こっている。マスメディアもそのようなインターネットを人々の意見の場として取り上げ、報道することが少なくない。

しかし、実はインターネット上の意見分布が大きく歪(ゆが)んでいることが、筆者の実証研究で明らかになっている。それを世論としてマスメディアが報じたり、政府・政治家・企業・個人もそう捉えたりすることで、大きな問題が引き起こされていることを筆者は危惧している。
なぜインターネット上の意見分布は歪むのか。それは、インターネット上の意見には能動的な情報発信しかないためである。つまり、言いたいことのある人だけが言い続ける言論空間だ。その結果、極端な意見や強い信念を持った人々が大量に発信することが容易になっている。これは、通常行われるような世論調査が、聞かれたから答えるという受動的な発信であるのと逆である・・・

・・・昨今、マスメディアは情報の取得源としてインターネットを頼りにしている。しかし残念なことに、その際にこのバイアスを見落とすことが多い。特に、SNS上でのトレンドやバズといった情報は、多くの人々の意見を反映しているように見えるが、実際には一部のノイジーマイノリティーの意見が目立っていることも少なくない。その結果、サイレントマジョリティー、すなわち静かに意見を持っているがそれを公然と表現しない大多数の声が、マスメディアに拾われない。
この現象がもたらす社会的な影響は大きい。ノイジーマイノリティーの声が過度に強調されることで、社会の中での意見や価値観の多様性が失われる恐れがある。また、一部の声ばかりがマスメディアを通じて大きく取り上げられてお墨付きを得ることで、不要な対立や誤解を生む可能性もある。さらに、一部の声が多数派として伝わり、公共の議論や意思決定の参考とされてしまう・・・

閻魔様の予告に気がつかない

2023年10月7日   岡本全勝

先日も紹介した「肝冷斎」。毎日、難しい古典漢文を解説しています。時にはわかりやすく、役に立つものもあります。9月1日の「無常信」から。

(原文) 一老人死、見閻王、答王不早与通信。
(読み下し文) 一老人死して閻王に見(まみ)え、王に早く通信を与えざるを答(とが)む。
(解説と現代語訳) ある老人が死んで閻魔様の前に出た。老人は、閻魔様に「どうして、もっと早くからお迎えがあると教えてくれなかったんじゃ?(心の準備ができなかったではないか、怪しからん)」と文句を言った。

閻魔様はおっしゃった。
(原文) 吾信数矣。汝目漸昏、一信也。汝耳漸聾、二信也。汝歯漸損、三信也。汝百体日益衰、信不知其幾也。
(読み下し文) 吾が信しばしばなり。汝の目漸くに昏、一信なり。汝の耳漸くに聾、二信なり。汝の歯漸くに損、三信なり。汝の百体日にますます衰う、信、知らずそれ幾たびなるやを。
(現代語訳) 「わたしからの通知は何度も行ったと思うんですが。あなたの目がだんだんぼやけてきたのは第一回の通信でした。あなたの耳がだんだん遠くなってきたのが第二回の通信でした。そして、あなたの歯がだんだんぼろぼろになってきたのが第三回の通信。そのほか、あなたの体中、日ごとにますます衰えてきたはずで、わたしの通知は何回あったかさえ覚えてないぐらいなんですが・・・」

続きには、若くして死んだ少年の例が出てきます。関心ある方は、どうぞ。

バーミンガム破綻、男女同一給与で

2023年10月7日   岡本全勝

9月20日の日経新聞に「英都市バーミンガム破綻 同一賃金軽視、10年のツケ」が載っていました。
・・・ロンドンに次ぐ英国第2の都市バーミンガムが事実上の財政破綻を宣言した。産業革命の中心地として栄えた同市は10年前から市職員の不平等賃金をめぐる時限爆弾を抱えていた。
「6億5000万ポンド(約1200億円)を超える同一賃金債務に見あう財源がない」。バーミンガム市議会は5日、地方財政法に基づく事実上の破綻通知を出した。人口114万人の中核都市の破綻を英メディアは大々的に伝えた・・・

バーミンガム市は、かつて男性職員には支給していたボーナスを、女性職員には支給しなかったことで、約5000人の女性職員から訴えられました。2010年に判決が出て、市は膨大な請求を受けました。その頃から抱えていた問題だそうです。
日本とは地方財政制度が異なるのですが、男女の賃金差別解消がこんな問題を引き起こすのですね。