投稿者アーカイブ:岡本全勝

野本弘文・東急会長の若き日の苦労

2024年3月13日   岡本全勝

日経新聞「私の履歴書」今月は、野本弘文・東急会長です。東急電鉄という鉄道会社に入社したのですが、「本流」でない住宅団地開発の部門に配属されます。その後も傍流勤めが長かったのですが、難しい仕事をやり遂げます。

7日の「入社」に次のような文章があります。
・・・父は無学だったが五島慶太翁のことを少しは知っていて、入社を喜んでくれた。入社前に福岡の実家に里帰りし、いよいよ東京に戻って社会人になるというとき。父の言葉をよく覚えている。
「どんな大会社でも小さな商店の集合体なんだよ。恐れることはない。しっかりとやって会社をもうけさせなさい。自分の給料は自分で稼ぐつもりでやりなさい」

商店主であった父の自負心がにじむ。この言葉をずっと大切にしながら仕事をしてきた。東急のような大組織の中にあっても、気持ちとしては自分の商店を開いているかのように、当事者意識をもつべしという教え。当時、新入社員の私は、東急内に新規オープンさせる「野本商店」をいかに経営していくか。経験が乏しいなりに考えていた・・・

8日の「厚木」には、次のような文章があります。小さな事務所に異動します。
・・・なぜここに配属されたのか。深く考えても仕方ない。「住宅開発については東急で一番になるぞ」。心の中で誓いを立てた。片道2時間ほどの通勤時間を勉強の場にして宅地建物取引主任者や測量士などの資格をとり、地主から信頼してもらおうと税金についても学んだ。工事現場の事務所にいつも顔を出し、問題があれば作業員の人たちと解決策を話し合った・・・
その後も、苦労されます。原文をお読みください。

経済成長の軌跡2024

2024年3月12日   岡本全勝

経済成長の軌跡2」(2021年)を更新しました。

 

 

 

 

(日本の経済成長と税収)
戦後日本の社会・政治・行政を規定した要素の一つが、経済成長であり、その上がりである税収です。
次の4期に分けてあります。「高度経済成長期」「安定成長期」「バブル崩壊後(失われた20年)」、そして「復活を遂げつつある現在」です。
1955(昭和30)年は、戦後復興が終わり、高度経済成長が始まった年。1973(昭和48)年は、第1次石油危機がおき、高度成長が終わった年。1991(平成3)年は、バブルがはじけた年です。第2期は「安定成長期」と名付けましたが、この間には石油危機による成長低下とバブル期が含まれています。第1期は18年、第2期も18年、第3期は21年です。
第4期の始点を2012(平成24)年にしたのは、アベノミクスを復活の起点と考えたからです。しかし、その後の経済成長ははかばかしくなく、第3期が続いている(失われた30年)とも見ることができます。すると、4期ではなく、成長の前期(1955~1991年、36年間)と、停滞の後期(1991~現在、ひとまず33年)と見ることもできます。

第4期に税収が伸びているのは、消費税増税と思われます。その他の解説は、「経済成長の軌跡2」(2021年)をお読みください。「経済成長外国比較2024」へ続く。

教員の精神疾患対策

2024年3月12日   岡本全勝

2月20日の朝日新聞教育欄に「先生のための「心の保健室」を 休職6000人超 メンタルヘルス対策、刀禰真之介さんに聞く」が載っていました。詳しくは記事を読んでいただくとして。

・・・文科省の調査では、「精神疾患で病気休職をしたり1カ月以上病気休暇を取ったりした教員」の割合は20年度に全体の1・03%だったが、22年度には1・33%に増えた。一方、厚生労働省の調査によると「1年間にメンタルヘルス不調で連続1カ月以上休職した労働者又は退職した労働者」の割合は、1千人以上の事業所では20年の0・8%から22年には1・2%になった。
いずれも割合が増えたのはコロナ禍の影響だろう。職場に行けなかったりマスクでコミュニケーションがとりにくかったりという環境の変化が主要因と考えている。教員の場合、一般の労働者より精神疾患の割合が高いのは、心の健康への取り組みの水準が極めて低いからだとみている・・・

・・・一般企業は労働安全衛生を守る意識が浸透しつつあるが、学校はその意識が乏しい。新たに休職する人や復帰後再び休職する人を減らす仕組みが不十分にみえる。例えば文科省の有識者会議がまとめた「教職員のメンタルヘルス対策について」によると、校長は休職中の教員に定期的に連絡をとり状況を把握し、復帰の時期を検討する。校長が中心の「一本足打法」といえる。この方法では校長の負担が増え、教員側は管理職の面談をたびたび受けなければならずプレッシャーになる・・・

・・・ キーワードは「信頼」。教員と産業保健職との信頼関係をつくることだ。メンタルヘルスの研修は産業医や産業保健師が行う▽心身の状態が悪くなったとき、同じ医師や保健師に話を聞いてもらえるようにする▽休職中に状態を話す面談もその保健師が担うという仕組みを考えている。「教職員のための保健室」が機能するようにしたい。
少子化が進めば、必要となる教員が少なくなり、採用倍率が高くなる――。そんな考え方は甘いと言わざるを得ない。人手不足で労働力の獲得に各業種がしのぎをけずる時代。病気休職が増え続ける職場を若者が選ぶとは思えない。下がり続ける教員採用試験の倍率を上げ、教育の水準を高めるには精神疾患の問題の解決が欠かせない・・・

日経新聞社説に取り上げられました。

2024年3月11日   岡本全勝

今日は13年目の、3.11でした。日経新聞の社説「東北の復興支え次の震災に生かせ」に、私の発言を取り上げてもらいました。

・・・能登の復興で生かすべき東北の教訓は持続性の高い街づくりだ。観光などで民間投資を呼び込める地域産業のあり方と、人口減少を考慮したコンパクトな街づくりを構想することである。
宮城県女川町は居住地を高台に移し、港周辺で若い世代を中心に観光の街づくりを進めている。当初は住民が流出し、20年分の人口減少が数年で一気に進んだ。その後は観光地として投資や移住が増え、人口減は鈍化した。街の持続性は高まったといえよう。

東北の復興に携わった岡本全勝・元復興次官は「街の将来を担う若者のいる市街地や中心集落は残すべきだが、高齢者がほとんどの小さな集落は集約することもやむを得ない」と提言する。東北には300を超える集落移転の事例があり、参考にしてほしい。
東北では人口の見積もりが甘く、防潮堤が守る地区やかさ上げした土地に空き地が目立つ。自治体は住民をとどめようと復興を急ぐが、当初は戻りたいと考えた住民も冷静に将来を考える段階になると心境を変えがちだ。丁寧に住民の意向を確かめ、長期的な視点で街づくりを考えたい・・・

NTT西の情報漏洩、自治体8割「流出元知らず」 

2024年3月11日   岡本全勝

先日紹介した、西日本電信電話の元社員による個人情報持ち出し事件「情報不正持ちだし、対策の不備と組織文化」。3月4日の日経新聞が、被害にあった自治体の8割が、漏洩元の企業を把握していなかったこと、知っていたのはゼロだったと伝えています。「NTT西系漏洩、自治体8割「流出元知らず」

・・・NTT西日本子会社から900万件超の個人情報が流出した問題を巡り、被害にあった自治体の8割超が漏洩元の企業を把握していなかったことが、日本経済新聞の調査で分かった。情報を取り扱う業者の監督は法律などで義務付けられているが、昨年10月の問題発覚後も実態を「把握すべきだった」と回答したのは3割にとどまった・・・
・・・同社に住民情報の取り扱いを委託した自治体側の対応についても、専門家は「個人情報の管理が企業任せになり、委託先の監督を義務づける法の趣旨が骨抜きにされている」と指摘する・・・

詳しくは原文をお読みください。皆さんの自治体、あなたの部署では、大丈夫ですか。