投稿者アーカイブ:岡本全勝

2007.12.08

2007年12月8日   岡本全勝
今日は、7回目の授業でした。地方財政のマクロの仕組みの解説に入っています。この分野は、私のホームグラウンドです。係員で3年間、課長補佐で2年8か月、課長で3年間、地方財政計画と交付税に関わってきました。今日と来週の2回で、お話しする予定です。
国の予算との関係なども、解説しました。なかなか聞けない話も、しました。聞いてみて、「なーんだ、そうだったのか」と思うことも、多かったと思います。おもしろかったでしょ。次回も期待してください。
レポートの選択課題を、追加しました。今日もらっていない学生は、来週もらってください。

政策の意図と効果、その検証

2007年12月7日   岡本全勝
税制改革議論の中で、証券取引優遇税制の議論がなされています。6日の朝日新聞は、「誰が恩恵を受け、効果はどうだったのか」と解説しています。この税制は、株式と公募投信の譲渡益と配当の税率が、20%から10%に引き下げられているものです。2003年に、株価が大きく落ち込んだとき、個人マネーを株式市場に誘導しようと作られました。
それから5年たって、株価は倍以上に回復しました。個人マネーも増えたようですが、欧米に比べれば、その比率はなお低いようです。
一方問題になるのが、この税制で誰が恩恵を受けたかです。株や投信を持つ個人の64%が、50歳以上です。もちろん、所得の高い世帯の方が、株・投信の保有は多いです。金持ちの高齢者が恩恵を受けているのではないか、という指摘です。

地域経済の分析

2007年12月7日   岡本全勝

内閣府から、「地域の経済2007-自立を目指す地域経済」が、発表されました。インターネットでも見ることができます。図表が多いですが、文章はそんなに多くないので、ご関心のある方は、ご覧ください。簡単には、最後のページ「おわりにー自立構造を模索する地域経済」をお読みください。今回の景気回復過程で、地域間のばらつきが指摘されています。そして、地域間格差は政治問題になっています。いくつも興味深い分析がされているので、参考になると思います。
今回の景気回復は、製造業が牽引していて、製造業の比率の高い地域が好調。公共投資が減って、それへの依存度が高い地域ほど減っている。建設業に代わる雇用の場がなく、就業者全体が減っているところもある。公務員数は減少しているが、全体の就業者数が減っているので、公務員の比率が上がっている地域がある。工業立地件数は1990年代前半に激減、海外生産比率は着実に上昇(図1-1-14)。設備投資額1億円につき、0.5人の新規雇用が発生(図3-4-6)。

キャリア官僚の責任

2007年12月7日   岡本全勝

6日の日経新聞連載「働くニホン」は、「公職にも新陳代謝。崩れる安定、新たな志問う」でした。キャリア官僚のエリートイメージが崩れた話も、書かれています。

社会の変化とお金の流れの変化

2007年12月7日   岡本全勝
構想日本の、J.I.ニュースにある「金融の自治・分権で新たな公共の担い手を」の図を見て、考えました。
日本には金融家計資産が1,555兆円あります。ニュースで「1500兆円の資産」と言われるものです。その図では、これまでの金融は銀行任せの間接金融で、企業に回っていました。一方、財政・税制は国任せで、それが地方団体に補助金として交付されます。記事では、これを地産地消に変えようと主張しています。銀行や国に任せず地域で決定し使うこと、間接金融から直接金融へ変えること、企業だけでなく地域の起業家やNPOにも回すことです。
私が考えたのは、発展途上国から成熟国への変化が、お金の流れの変化にも現れるということです。
まず、みんなの貯蓄した資金は、産業振興や社会資本整備に使われました。銀行に預けた金は、製造業を中心とした企業に流れました。生産優先です。税金も、公共事業など社会資本整備につぎ込まれました。この他、郵便貯金は、政府の財政投融資にまわり、これまた産業振興・社会資本整備に投入されました。
次に、資金の中央集権です。銀行や郵便局に預けた金と税金は、地域で使われず、中央に集められ配分されました。
この仕組み・流れは、効率的でした。しかし、生産振興優先時代が過ぎ、変化が進みつつあります。日本興業銀行がなくなったこと、財政投融資が縮小し、郵便貯金が民営化されたのは、その象徴です。税金の分権は、移行途上です。
また、家計からすると、銀行や郵便局に預けるだけでなく、自らの判断で、より運用益の上がる商品を選ぶ時代になりました。それは、リターンも増えますが、リスクも増えます。あなた任せでなく、自己判断と自己責任が求められます。もっとも、それが嫌な人は、金利のつかない銀行預金を選ぶでしょう。
税金についていえば、その使い道について、納税者の発言が強くなるということです。政府や市役所に任せきりでなく、どこに使われるかを監視するということです。その際、国にいったん集めるのではなく、税金を地産地消することで、より発言しやすくなります。また、税金として納めるのではなく、寄付によって、自らの意図を実現する方法も広がるでしょう。