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読者からのお便り

多くの人に、このHPを見ていただいています。意外な人から、「読んでるよ」と言っていただくことがあり、うれしいです。メールでのお便りも、時々いただきます。
昨日「訂正・景気回復と財政再建」を書いたら、ある人は「はじめの議論は分かったが、後半(累乗の部分)が分からない」とか、別の人からは「税収と利払い以外に、名目成長率に連動する歳出も多いだろう。その他の要素もあって、あんな簡単な議論ではないよ」という指摘もいただきました。
その通りです。そもそも、あの議論は、今のような財政状態は異常であること、現世代の消費を後世の負担につけ回していることは早くやめるべきであることを主張するものです。そして、早急に財政再建をするためには、歳出削減が必要だが、それだけではとうてい無理であり、また景気回復だけでも無理なことを述べた文脈でした。地方団体関係者に、「もう、これまでのようにはいかないよ」ということを、理解していただくためのものでした。講演会などで、「わかりやすいように、ごく単純化」した話です。もっとも、不正確になってはいけませんが。
ところで、最近の記事で反応が大きかったのは、「日本の男性は惚れやすい=自己認識が甘い」でした。イタリアと日本が同じなのは理解できないとか、日本の女性がしっかりしていることは同感だとか・・(笑い)。

景気と財政

今朝(18日)の日本経済新聞に、「長期金利1%上昇なら、国債費増加は税収の3倍」という記事が載っていました。1%金利上昇による国債費(金利払い)の増加は、1兆2千億円。一方、名目成長率も1ポイント程度高まり、税収は1%強の4千億円増収が見込める。その差8千億円も歳入が不足する、という内容です。
私が、「景気回復では、財政は再建するどころか、破綻する」と主張していることです。詳しくは、拙著新地方自治入p121、「地方財政改革論議」p25をご覧ください。誰にもわかる簡単なことです。でも、なぜもっと真剣に議論されないのでしょうか。「見たくないことを見ない」ということでしょうか。それは、あまりにも無責任です。(2004年6月18日)
この考えは、短期間にはこの通りですが、長期的には税収増は累乗になるので、税収増の方が大きくなります。指摘を受けたので、訂正します。

自己認識

12日の朝日新聞別冊beに、日本の男性は惚れやすい、という話が載っていました。世界22カ国の調査で、一目惚れの経験がある男性は、中国が1番で73%、メキシコが72%、日本とイタリアが第3位で68%です。最下位のアメリカは27%、次いでイギリスは34%です。
日本の男性が惚れやすいのは、「不釣り合いな相手を、恋の相手と錯覚する自己認識の甘いタイプが多いから」だそうです。ふむふむ。一方、日本女性の一目惚れ経験者は平均より低く、48%とのこと。やはり、日本の女性は、しっかりしていますわ。

行政減量会議

行政減量会議での議論が、進んでいます。9日の日経新聞が、要領よく整理していました。重点削減分野(業務)を選ぶ作業で、すでに決めた8分野(農林統計など)に加え、7業務(官庁営繕など)を追加し、さらに4業務(国税・特許など)を検討対象としました。
これまでの定員削減が、全省庁一律に、人を減らすことに重点が置かれていたのに対し、今回の方法は重点業務を絞って行うことが特徴です。「全省庁一律」に対し「重点分野」、「人減らし」に対し「業務減らし」です。業務を減らさない限り、人は減らすことができないのです。
官僚が行う査定(予算・業務・人員)には、限界があります。財務省主計局も総務省行政管理局も、各省の反対を押し切って厳しい削減を押しつけるだけの権限と権威は持っていません。
各省の官僚は、予算・人員・権限を増やすことが目標の一つ(評価の基準)でした。減らすなんてことは、もってのほか。「わが省のこの業務は不要だから廃止しよう」と思っていても、そんなことは言えません。各省の官房が飲めるのは、「うちだけが削減されたのではない、横並びだから」という案です。
官僚に任せず大臣が査定をしても、同様です。各省大臣は対等であり、閣議で拒否権を持っています。内閣制にあっては、総理のリーダーシップがない限り、大胆な削減は難しいのです。
また、与党の政治主導も働きにくいです。各省・各業務分野に族議員がいるので、個別分野削減には抵抗します。党内での合意形成は難しいです。
いつも言うように、官僚主導・族議員政治ができたのは、右肩上がりだったからです。一律削減・シーリング方式は、その象徴です。よって、今回は、民間有識者による会議を使っています。問題は、これが実行の段階になったときです。当然、対象となった省庁、族議員は強く抵抗するでしょう。権限はそのままで補助金だけをなくすという三位一体改革ですら、ああだったのですから。有識者会議には、削減を実行するだけの権限と権威はありません。もちろん民主主義社会で、審議会がそこまで力を持つのは問題です。ここでも、「改革派」対「官僚・族議員・業界」の戦い、総理のリーダーシップ、各閣僚のセンスが見えるでしょう。
さて、日経新聞も指摘していましたが、業務を廃止縮小しても民間委託・独立行政法人化をしては、人件費が委託費に変わるだけで効果は少ないです。完全に廃止することが無理な業務も多いでしょう。直営から切り出したときに効率になるかどうかは、競争があるかどうかによります(拙著「新地方自治入門p245)。

井戸敏三兵庫県知事「地方分権、道州制より府県に任せよ」

10日の朝日新聞「私の視点」は、井戸敏三兵庫県知事の「地方分権、道州制より府県に任せよ」でした。「その際、大切なことは一つの事業を国と地方が重層的に分担する成長時代のシステムを改め、一つの事業は一つの主体が権限と財源と責任を持って担う「分配自立型」に転換していくことだ」「ところが、現在の道州制論議は中央省庁を巻き込んだものになっていない。昨年の三位一体改革の決着から明らかなように、既得の権限に対する中央の執着は強い。現状のままで道州制を導入しても、国から地方への事業や財源の移譲が進む保証はなく、集権構造を温存したまま、府県合併が進むことになりかねない」。