投稿者アーカイブ:岡本全勝

授業再開

2008年1月12日   岡本全勝
冬休みも終わり、大学の授業を再開。といっても、来週で終わりですが。今日は、第8章地方財政の課題です。ここは、私の本業分野です。1学期間でも話しきれないほど、話すことがあります。でもそれを、1時間半に収めるのです。そこで、ごくごくポイントを絞って、話しました。資料もわかりやすいのを用意したので、理解してもらえたと思います。
全体像とポイント、現在の仕組みと問題点、それとわかりやすい実例。これがうまくいくと、わかりやすい話になります。今日は、満足。

湾岸戦争での日本の失敗

2008年1月11日   岡本全勝

月刊「論座」で、岡本行夫さんのインタビューが連載されています。2月号は、第一次湾岸戦争です。岡本さんは当時、外務省北米一課長でした。私は、日本がいかに国際社会で独りよがりだったかの実例として、この時の日本の失敗を出します。参考文献として、手嶋龍一「1991年日本の敗北」(1993年、新潮社。新潮文庫に「外交敗戦―130億ドルは砂に消えた」として再録)を上げています。しかしこれは、あくまで小説です。当事者である岡本さんの証言は、重みが違います。
湾岸危機での日本政府の対応の失敗の原因は何だったのでしょうか、という問いに対し、次のように答えておられます。
「反発を覚悟で率直に言います。第一に時の指導者がビジョンと同盟論を十分に理解していなかった。第二に何人かのカギとなる官僚が事なかれ主義をとったり、国益よりも省益を重視した。第三に国会対策など国内事情から日本の貢献策を海外にPRできなかった。そして第四に、これが基本ですが、国の政策は国会に代表される民意を超えることはできない。つまり、日本はまだ国際安全保障問題に未熟だったことですね」
詳しくは、原文をお読みください。官僚と政治家の失敗が、生々しく書かれています。できれば、その失敗をした他の当事者の弁明も、聞いてみたいのですが。
この時の経験と失敗を勉強することは、日本の政治家と官僚にとって不可欠だと思います。

888,888番

2008年1月10日   岡本全勝
888,888は、2008年1月10日、宮城県の常陸さんでした。
今年は春から縁起が良いですよ。
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官僚制、無責任の体系

2008年1月9日   岡本全勝
大連載「行政構造改革」で、官僚の欠点を考えています。思い出して、丸山真男先生の「軍国支配者の精神形態」(1949年、『増補版 現代政治の思想と行動』1964年、未来社所収)を、引っ張り出しました。
それは、官僚制の無責任です。丸山先生は、東京裁判(極東軍事裁判)で被告人(太平洋戦争の指導者)の発言を分析し、首相や大臣など戦争指導者の指導力と責任意識の欠如について、「無責任の体系」と名付けました。
それは、「既成事実への屈服」と「権限への逃避」によって、成り立っています。前者は、「既に始まってしまったことだから仕方ない」といって、既成事実に流されることです。これは、方向転換できない官僚制の欠点と、同じと言っていいでしょう。
後者は、「法規上の権限はありません」「法規上困難でした」といって、専門官僚に逃げ込むことです。官僚制あるいは官僚的行動が無責任に陥った、最大の実例です。
そこではまた、国策の最高方針を決定する御前会議や最高戦争指導会議などの、討議の空虚さも指摘されています。そこでの討議内容は、あらかじめ部下である軍人官僚によって、用意されているのです。
もっとも、この事例は官僚制の欠点ではなく、政治家と軍人が官僚的に行動したものです。

ねじれ国会・憲法

2008年1月8日   岡本全勝

8日の読売新聞「この国をどうする」、大山礼子教授の 「衆院の権限強化が必要」 から。
・・憲法は、予算や条約については、国政を運営するために決定しなければいけない事項なので、衆院の優越を強く定めています。一方、法律案は、現状を変えようとするものですから、衆参両院でゆっくり議論してもいい、という考えなのだろうと思います。
 ただ、予算関連法案は実質的には予算の一部のような法案ですから、衆院の意思をもう少し尊重するような合意を与野党がどこかでしないと、なかなかたいへんだと思います。どちらが与党になっても、ねじれが起きる可能性はあるのですから、合意できる余地はあるのではないでしょうか・・
今は与党が衆院で3分の2以上の議席を持っていますが、次の衆院選でおそらく割り込むでしょう。そのとき、いったいどうするのか。最終的には憲法改正になりますが、衆院の優越を強めないと将来はやっていけないでしょう・・
これまでの国会は、政府法案が提出される前に自民党内の事前審査で大方が決着してしまい、野党との論戦は一応するけれども、法案はあまり修正しないで成立させるのが慣例でした。でも、ねじれ状態では、法案提出後に国会でいろいろなやりとりをして合意を形成しなくてはなりません。
 この臨時国会でも、話し合いで成立した法案はありました。ただ、残念なことに、話し合いは国会審議の外で行われ、与野党がどんな主張をし、どの辺りで妥協したのか国民に十分に説明されていません。裏で交渉してもいいが、同時に、国民の前で政策決定のプロセスを演じてみせて記録に残す、ということも民主主義では大切です・・