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授業の終了

今日で、無事に慶応大学の授業(春学期)を、終えました。休講もあり、授業は合計10回でした。予定していた内容・項目は、すべて話すことができました。
私がこれまで受け持った講義や講演の聴衆は、大学院生、公務員、学者がほとんどです。学部生相手の授業は初めてなので、少し苦労しました。学生は、行政学を履修しているとしても、現実の行政を知りません。また、近過去の日本の歴史や出来事を知らないのです。それに新聞も読んでいませんし(おっと、それは授業開始時での調査なので、現在は私の授業を受けている学生は、毎日、新聞を読んでいると思います)。第一次湾岸戦争、バブル崩壊、BSE牛問題・・・といっても、それを解説することから始めなければなりません。
学生の反応は、学期の途中でアンケートを取り、確かめながら進めました。ほとんどの学生が(全員とは言えませんが)、居眠りすることなく、熱心に聞いてくれました。まずは、理解してもらえたと思います。出席者も大きく減ることはなく、最後の授業も、60数人が出席していました。なるべく実例、体験を基に話しました。脱線も、たくさん入れました。90分間、興味を持ってもらうのは、それなりの苦労が必要です。
成績は、出席とレポートです。力作が提出されることを、期待しています。
この授業を基に、この秋から連載をする予定です。乞うご期待。また、秋学期は、地方自治論を担当します。どのような話にするか、夏休みに考えます。本に書いてあるような話だと、面白くないですよね、しかし、自治制度の基本は、教える必要があるでしょうし。難しいところです。

全国知事会議

7月12、13日に、全国知事会議が開催されました。資料が、知事会のHPに載っています。国から地方への税源移譲(三位一体改革に続くもの)や、国の出先機関の廃止などについて、議論されました。その中で、石原都知事が、「知事会として消費税を引き上げるくらいの提言をするべきでは」と、発言されたようです(13日付け日経新聞新聞など)。我が意を得たりです。もちろん、地方消費税のことだと思います。

活躍する年代・明治維新

朝日新聞12日の夕刊「窓」に、「維新に見る世代の力」が載っていました。
ペリー来航時の、英傑の年齢です。西郷隆盛27歳、大久保利通24歳、吉田松陰24歳、木戸孝允21歳、高杉晋作15歳、井伊直弼39歳、勝海舟31歳、徳川慶喜17歳、松平容保19歳。もちろん、井伊直弼以外が活躍するのはこの後ですから、もう少し歳を取ってからです。それでも、明治維新は15年後です。
日本人の寿命が短かった時代ですが、改めてみんなの若さに驚きます。

検証・行政の評価

11日の読売新聞1面には、2つの検証が載っていました。一つは、愛知県警によるもので、5月に起きた長久手町の籠城・発砲事件での初動捜査と救出作戦の問題点の検証です。もう一つは、総務省の年金記録問題検証委員会によるもので、社会保険庁の年金記録漏れ問題の原因解明と責任追及を行うものです。
行政の失敗や問題をなくすために、このような検証は必要なものです。問題が起きた場合、責任者がお詫びして、処分を受けるということは必要です。しかしそれは「責任を取る」ということで、原因究明・再発防止にはつながりません。空・鉄道事故調査委員会は、行政についてではありませんが、検証・原因究明を任務としています。今後、広く行政に関して、検証が行われるべきだと思います。
かつては、「官僚の無謬性神話」などもありました。私は、誰がこんな「神話」をつくったのか、不思議でなりません。「官僚は間違いを認めない人種である」ということが、間違って伝えられたのでしょうか。
行政執行の失敗の検証だけでなく、政策の検証も必要だと思います。課題は、誰がテーマを決め、誰が検証するかです。身内による検証も重要なのですが、客観性を担保するためには第三者による検証が必要です。
もう一つ、議会という最高の監視・評価機関があるのですが。

外国為替特会

9日の日経新聞「YEN漂流」は、外国為替資金特別会計を取り上げていました。この会計は、円高時に、ドル買い円売りで介入します。財源は政府短期証券とのことです(1年未満の国債。地方団体だと一時借入金のようなものといったらいいでしょうか)。ドルを買うので、結果としてドル(外貨)が残ります。それがたまって、9千億ドル(約100兆円)になっています。
これだけなら、借金で財産を築いたので、純資産はありません。円ドル相場が変化してドル高になると、持っているドルの価値(円での評価)が上がり、プラスになります。例えば100円借金して1ドル買ったとします。その後、ドルが値上がりして1ドル=120円になると、借金は100円なのに、持っているドルは120円になっているのです。
また、アメリカ国債で運用しているので、金利が収入になります。日本の短期金利(調達金利)と、アメリカ国債の金利(運用利息)との差が、収入になるということです。
ということは、この金利差が縮まると利益は減ります。また、円高になると、持っているドルの価値は減ります。持っているドル=アメリカ国債を徐々に売るのが一つの選択肢ですが、難しい問題もあるようです。
私も詳しくはないのですが、多くの人は、この特会を知らないのではないでしょうか。