投稿者アーカイブ:岡本全勝

「病院の経営を考える会」に出演

2024年11月1日   岡本全勝

今日11月1日は、品川で開かれた「病院の経営を考える会」に出演しました。「災害からの復興と創造」の題で、講演と討論です。神野正博先生(社会医療法人財団董仙会理事長)、植田信策先生(石巻赤十字病院副院長)とご一緒しました。

この会は名前の通り、病院関係者を対象に経営を考えるものです。今回の主題が、能登半島地震での医療の役割と復興でした。私の話が通じるのかと思いましたが、主催者から「広い視野から話してください」とのことなので、引き受けました。

100人を超える医療関係者が、聞いてくださいました。人口減少、そして災害、そこでの病院の役割と復旧は、皆さん切実な話題だったようです。地域の人口が減り、患者が減る見通しで、病院経営をどうするかです。鋭い質問も出ました。

仕事で座り過ぎはよくない

2024年11月1日   岡本全勝

10月19日の朝日新聞夕刊、鎌田真光・東京大大学院・医学系研究科講師の「「仕事で座り過ぎ」はダメ?」から。

・・・産業構造の変化や機械化などに伴い、仕事中の体の活動量が減っていることは、多くの人が実感しているだろう。では、実際にどれくらい減ったのか。東京大学大学院の鎌田真光講師(運動疫学)らが調べたところ、過去70年間で少なくとも約1割低下したと推定されることがわかった。「人類の進化とのミスマッチが起こっています」。鎌田講師は、危機感を持つべき問題だと警鐘を鳴らす。

鎌田講師らは、総務省の労働力調査で329に区分された仕事の就業者数に、それぞれの仕事の活動強度を掛け合わせて、それらを合算。日本における職業上の活動強度の平均値を年ごとに出し、8月に研究結果を発表した。
活動強度は、米国の先行研究で全職業について算出された強度を用いた。例えば、引っ越し業に携わる荷役従事者は、かなり高い。農林漁業従事者や建設作業者、宅配業の配達員、介護職員、看護助手なども高い方に分類される。一方で、デスクワーク中心の管理職や事務、販売従事者は、活動強度が最も低い層だ。記者職も低い方に分けられる。
そうして算出した活動強度の平均値を、1953年から2022年まで年ごとに比較した。すると、職業分類方法に大きな変更がない1962年から2010年の48年間では、9・6%の低下がみられた・・・

・・・「例えばさらにさかのぼり、江戸時代と比べれば、身体活動の減り幅はもっと大きいはずです。そもそも、人類は高い強度の身体活動に適応するようデザインされ、進化してきました。人類進化生物学の研究によると、二足歩行が始まり、狩猟採集で食べ物を得た時代は1日平均、9キロ~15キロは歩いたと言われています。そうした長い期間でみると、時計の針をちょっと巻き戻した70年間だけで、1割も減った。急速に進む非活動化は、人類の進化とのミスマッチとみるべきなのです」
このミスマッチはどんどん広がる。例えば、厚生労働省は2000年に、10年間で1日の平均歩数を1千歩増やすことを目標とした。しかし、14年の調査では、平均歩数は約1千歩減少し、その後も減少傾向にある。

身体活動量の低下がこのまま進むと、どういったことが起こるのか。
「がんや循環器疾患、2型糖尿病など様々な疾患のリスクにつながります。デスクワークでずっと座っている働き方は体にとって自然でないととらえるべきです」
「座りっぱなしは筋肉の働きが抑えられ、代謝が低下し、血液の流れも悪くなります。そこで、立って仕事ができる高さのデスクの活用や、30分間に1回、軽いストレッチなど、仕事を中断して短時間でも身体を動かす時間をとることが推奨されます。それも個人に任せるのではなく、『それが当たり前』と会社を挙げて推進するくらい、積極的な採り入れ方が必要でしょう」・・・

・・・世界20カ国への調査では、日本人の平日の平均座位時間は1日7時間と最も長い結果が出たこともあり、日本は世界トップクラスの「座り過ぎ国」と指摘されるという・・・

市町村アカデミー、議員研修

2024年10月31日   岡本全勝

市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)では、市町村議員向けの研修(セミナー)も開いています。今年度第二回の、今日と明日の1泊2日が始まりました。100人を超える方が集まってくださいました。

今回は、次のような内容です。
「多様な人材の地方議会への参画促進」谷口 尚子・慶應義塾大学法学部政治学科教授
「縮退の時代に生き残るための新しいまちづくり実践論」西村 浩・株式会社ワークヴィジョンズ代表取締役
「ヒト・モノ・カネを繋げるローカルハブ構想~十勝バスの挑戦~」野村 文吾・十勝バス株式会社代表取締役社長
「ジェンダーギャップの解消~誰もが住みやすい地域」浜田 敬子・ジャーナリスト

ニュースを避ける人々

2024年10月31日   岡本全勝

10月5日の朝日新聞オピニオン欄「ニュースを避ける人々」、澤康臣・早稲田大教授の「攻撃的なSNSに疲労感」から。

・・・英オックスフォード大学のロイタージャーナリズム研究所は、人々のニュースへの態度を調査しています。ニュースへの関心自体の低落傾向が続く中、2024年調査(47カ国・地域が対象)では「あえてニュースを避けている」人の割合が39%に上りました。17年から10ポイント上昇し、避けていたニュースは戦争や災害、政治などでした。このように、情報の中でニュースだけを避けようとする傾向は「選択的ニュース回避」(selective news avoidance)と呼ばれ、注目されています。

従来の「ニュース離れ」は、長くニュースの器だった「新聞離れ」にも重なる意味合いがありました。SNSなど、新しいプラットフォーム経由でニュースに触れる機会自体は増えていました。選択的ニュース回避は、「別の新しい器に盛られても食べない」という態度で、ニュース自体への忌避感です。
「避けたいと思うニュース」は各国によって傾向が異なるようです。23年調査では、例えば米国では右派が環境問題や格差社会の話題を強く忌避、左派は犯罪や個人の安全の話題は比較的避けようとする傾向がある、としています。

同研究所が「ニュースの量にへきえきしているか」と聞くと39%がイエスでした(24年調査)。ただ、この「へきえき感」を、単純に量の問題と考えるべきではない。ニュースへの接触方法が、ネットやSNS経由へと移ったことで起きる現象の一つだとみています。批判、罵倒など強い言葉ほど拡散しやすいのがSNS空間ですが、ニュース伝達でも、特に戦争や政治ではとげとげしい言葉や感情的なコメントなどの量が多く、そのためにニュース疲れを感じている面が強いのではないかと思います・・・

・・・戦争や災害、政治などのニュースは決して愉快ではありません。それを落ち着いて伝えることがニュース回避への処方箋かもしれません。不愉快な事実こそ、「民主主義の運転手」たる市民が社会を安全に進ませるには必要なのです。ニュース回避が進めば、民主主義は危機にひんします・・・