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利益の源泉、2つの型

18日の日経新聞経済教室「米金融危機」は、池尾和人教授の「裁定型業務の限界超えよ。価値創造支援重要に」でした。要旨は次のようなものです。
金融活動には、利益の源泉をどこに求めるかで、2つのタイプがある。一つは裁定型金融と呼べるもので、流通過程での価格の差異に利益の源泉を求めるもの。安く買って高く売ることで利益を上げるタイプ。金融資本市場の自由化が開始された1980年代以降、資産価格に多くの歪みがあり、裁定型金融で利益を上げることができた。デリバティブのように、従来取引対象になっていなかったリスクを対象とした。しかし、裁定が成功すると、一物一価が成立し、裁定取引では利益は上げられなくなる。
もう一つのタイプは、価値創造支援型で、取引先企業の価値向上に貢献し、利益の一部を受け取る。
わかりやすい、解説です。

2008.09.20

20日の東京は、台風も去り、良い天気でした。わが家のアサガオは、「今ごろ盛りかね」と思うくらい、大きな花をたくさんつけています。窓の外からは、虫の音が聞こえています。

消費税引き上げ

18日の東京新聞が、企業に対する景気アンケートを載せていました。そこに、消費税引き上げについての回答があります。歳出の無駄を省いた上で引き上げるが41%、景気回復後に考えるが23%です。引き上げるべきではないは、6%です。引き上げ時期は、2010年度が30%、2011年度が25%です。かなり理解が進みました。
自民党総裁選での議論でも、時期は別にして、その必要性は認識されたと思います。

道路移管の財源措置

18日の朝日新聞や日経新聞が、県に移管する国道や河川について、財源を交付金で措置することにした、と伝えています。国交省はすでに、直轄全体の約1割の道路と河川を、県に移管することを表明しています。その財源をどうするかが、問題だったのです。
県が管理するものは、県が財源を負担することが原則です。しかし、道路や河川は、そうなっていません。まず、国が管理する道路河川(A)について、県は負担金を取られています。県が管理する道路河川には、二種類あって、一つは国の補助金が出るもの(B)、もう一つは国の補助金が出ないもの(C)です。
Cが分権の理想ですが、それならば、Aもやめてもらわなければなりません。しかも、Bは建設事業だけ補助金(基本は2分の1)が出て、維持管理には補助金はありませんが、Aは建設事業(基本は3分の1)も維持管理(基本は45%)にも負担金を取られています。現状が平等ではないのです。知事会は、Aの負担金を廃止することを主張していますが、実現していません。分権推進委員会第3次勧告の対象テーマです。
今回は、Aの一部を、Bに移そうということです。一気にCには行かないのです。すると、A並みの財源負担割合(国から見ると建設事業は3分の2、維持管理は55%)の交付金をつくると、国も県も損得なしとなります。もちろん、これは財源負担割合(仕組み)であって、毎年の事業費は変動します。
この枠組みを地方が受け入れるかどうかが、次の課題になります。