岡本全勝 のすべての投稿

金融庁の10年・行政のあり方の変化

金融庁の前身である金融監督庁が発足してから10年になるので、各紙が金融庁の業績を取り上げています。20日の朝日新聞は、「こわもて金融庁、転機」で大きく取り扱っています。
当初は不良債権処理に腕をふるい、20以上あった大手銀行は6グループに集約されました。日本の行政のあり方としても、それ以前の護送船団行政からの大転換の代表例でした。もちろん、日本経済と国際金融市場の大変化が、その背景にあります。
次にその延長として、銀行保護から預金者・投資家保護に重点を移しました。これもまた、日本の行政のあり方の大転換の現れです。この流れは、現在進められている消費者庁構想に続きます。この観点からは、今の金融庁は、金融機関(業界)育成と消費者保護という、相反する行政を行っています。
この間、国家公務員総定数は削減されていますが、金融庁の定数は400人から1,200人へと3倍になっています。極めて珍しい例です。機動的に定員を配置したのです。また、事前調整型行政では公務員は少なくてすみますが、事後チェック型になると検査員が大幅に必要になることがあるのです。

高校の同窓会

今日は、授業のあと、奈良女子大学文学部付属高校の東京地区同窓会へ。高校を卒業して、もう35年もたちます。顔がわかるのは、2年先輩、2年後輩までですが。顔を見てすぐわかる人、話しているうちに思い出す人、それぞれに懐かしかったです。
1年先輩たちの幹事団の企画で、内容の濃い同窓会でした。プロのコントラバス奏者となっておられる先輩の演奏付きでした。

分権政府方針・新聞社の評価

日経新聞21日の社説は、「分権改革の後退は許されない」でした。・・政府は20日、地方分権に関する要綱を決定した。地方分権改革推進委員会がまとめた第1次勧告よりも後退した内容だ。これでは福田康夫首相の意欲を疑わざるを得ない。我々は政府が勧告を全面的に実施するように求めてきたが、残念な結果である。地方分権は中央省庁から権限を奪う改革である。役人任せにすれば内容が玉虫色になるのはいわば当然だろう。自民党内でも族議員が改革に反発している。若林正俊農相のように福田内閣の一員にもかかわらず公然と異を唱える閣僚すらいる。だからこそ、福田首相の指導力がなければ前に進まない。これでは先行きが不安だ。今回先送りしたり、あいまいな表現にとどまった項目については、首相がその実現を改めて指示すべきだろう・・
別の記事では、「国道・河川管理、国と途方協議へ」を書いています。・・政府が地方分権改革推進要綱を20日決定したのを受け、権限移譲の具体策を詰める議論が本格化する。地方への権限移譲が小幅にとどまれば、国の出先機関の廃止や財源移譲をめぐる論議は勢いを失う・・
さらに別の記事では、中西晴史編集委員が「実態は先送り・時間稼ぎ」を書いておられます。・・政府の分権改革推進本部がまとめた推進要綱は「08年度中に結論を得る」「08年度中をめどに制度改正の方向を得る」「計画の策定までに結論を得る」のオンパレードだ。「分権先送り・時間稼ぎ」要綱とタイトルを変えた方がよい。・・全体として分権への熱意は感じられない。中央省庁の劣化が指摘されるほどに、権限死守の姿勢を強め、抵抗の岩盤を一段と硬くする。国道や河川の都道府県への権限移譲に一歩踏み出したかに見えるが、具体策はいずれも関係自治体と「調整を行った上で」とある。関係自治体との個別折衝に持ち込めば、「勝算あり」という自信さえ感じさせる・・
毎日新聞社説は「地方分権要綱、国の出先機関にメスを入れよ」でした。・・やはり先が思いやられる。政府は20日、国から地方への権限移譲の基本方針となる地方分権改革推進要綱を決定した。「地方分権改革推進委員会」が先月まとめた1次勧告を受けたものだが、焦点の農地転用許可に関する表現が後退するなど、完全実施から遠い内容となった。今後、分権委は国の出先機関の地方への移譲や統廃合という「本丸」の議論を本格化する。組織そのものの削減だけに中央官庁はさらに露骨に抵抗しよう。官製談合事件の舞台となった北海道開発局の解体的見直しも含め、ひるまず作業を進めねばならない。各省の抵抗で踏み込み不足の内容だった1次勧告だが、自民党族議員の反発に遭い、要綱はさらにトーンダウンした。首相が仮に消費税増税を探るのであれば、政府自ら身を削る姿勢を示すことは当然の前提だ。国の出先にメスを入れることは、避けて通れぬ関門である・・
朝日新聞は、「分権、霞ヶ関の壁。政府要綱、第1次勧告から後退」を大きく解説していました。・・内容は、省庁に丸められた。「分権は内閣の最重要課題」と首相は繰り返すが、省庁主導のままでは、このさきの国の出先機関の統廃合や税財源問題でも、多くの成果は望めない。分権がピンチだ。
「農地転用・国の許可権限死守」分権委の第1次勧告の一つの目玉は、農地転用問題だった。分権の歴史上、初めて担当省庁の合意を得ず、自治体への権限移譲を勧告したからだ。それが政府要綱では「移譲」の文字が消えた・・
「国道管理・出先機関守る思惑も」国交省は分権委との協議で、国道の15%相当、ひとつの県内で完結する1級河川(全国で53本)の約4割は都道府県に権限を移す方針を提示。これまでの全面拒否を初めて転換させた。道路財源の無駄遣いで世論の批判を浴び、分権論議でも守勢に立たされた結果といえた。だが、分権委側が求めてきた「国道の維持管理事務の一括移譲」を拒み、個別の路線ごとに移譲する手法にこだわった。これは、第2次勧告で全国の地方整備局(約2万1千人)の国道管理部門を丸ごと削減されるのを未然に防ぐ布石にも見える。
それぞれ部分的にしか引用できませんので、原文をお読みください。

政府の方針決定

20日に、政府の地方分権改革推進本部が開かれ、「地方分権改革推進要綱(第1次)」が決定されました。各紙が夕刊で伝えています。例えば、日経新聞は次のように書いています。・・同勧告は農地転用の許可権限や国道管理などの地方への移譲を求めたが、要綱は具体論には踏み込まなかった。最終的な分権計画策定へ向け、政府内の調整が難航するのは必至だ・・。
また、丹羽宇一郎地方分権改革推進委員会委員長がコメントを出しておられます。・・特に、第一次地方分権改革の時には進まなかった直轄公共事業の地方への移管や、市町村への権限移譲について要綱に明記されたことは、評価したい。・・また、今後「検討を行う」事項については、要綱にあるとおり、是非とも勧告の内容を踏まえた結論となるよう、各閣僚の御尽力をお願いしたい。委員会では、今後も審議を進め、8月初めにも国の出先機関の見直しについて中間報告を行い、年内には、法制的な仕組みの見直しなども含めて第2次勧告を行う予定である。