1月28日の日経新聞「経営の視点、ブランドを死守したネスレ」から。
・・数年前、ネスレ日本は、イオンと大げんかした。イオンがプライベートブランド(PB=自主企画)で、ネスレのチョコレート菓子「キットカット」に似た商品を発売し、大量に陳列した。しかもその横に本物のキットカットをわずかな量だけ並べていたのだ。
ネスレ側は、この「仕打ち」に激怒。イオンは売上高の約10%を占める最大の販売先だったが、一切の販促費を止めた。イオンにおけるキットカットの販売は減少。ネスレ日本の売り上げも落ち込んだが、平然とこう言い放った。「キットカットは中身をPBと入れ替えたとしても、必ず売れる」。その価値がわかっていないことへの抗議だった。
「本物ブランドは味と品質に優れるだけでなく、消費者の感情に入り込んでいる」とネスレ日本の高岡浩三社長は話す。グローバル成長には世界共通のメガブランド商品が不可欠。それを育てるには時に販売減のリスクを冒してでも、ブランド価値を守るこだわりが必要というわけだ・・
日本企業が、アジアで日本製品をまねた偽物や類似品に困っていますが・・・
投稿者アーカイブ:岡本全勝
政治の役割、国家嚮導行為
高橋信行著『統合と国家―国家嚮導行為の諸相』(2012年、有斐閣)を、本屋で見つけました。
「国家嚮導行為」とは、「政治的計画や予算、外交、国防といった、国家の進むべき基本方針に関わる創造的・積極的な作用」と定義されています。そして、国家が国家として存在するためには、国家がその時々の課題に応じて積極的に政策を遂行することで、国民を国家につなぎ止め、統一がもたらされるという考えです。
連載「行政構造改革―日本の行政と官僚の未来」で、政治家と官僚の役割分担を論じた際に、政治家や政治の役割を書きました。そして、「立法は国会に、行政は内閣に、司法は裁判所に分担される」という三権分立の考えが、政治の役割を忘れさせていることを指摘しました(連載第三章一1統治の中の政治)。
「国会=法律の決定」→「内閣=法の執行」では、誰が政策の立案をするかが抜けています。「法律の決定」の前に、「政策の立案」が必要なのです。すると「政策の立案」→「法律の決定」→「法の執行」という流れになります。そして、現代国家では、政策の立案の多くは内閣が行います。高橋和之先生の「内閣によるアクション―野党と国会によるコントロール」を、わかりやすい説明として紹介しました。
また、政治目標(政治課題)の設定と政策の統合が、与党と内閣の大きな責務であること。この「政策の立案」の多くを官僚に委ねることが、官僚主導です。官僚への批判と官僚主導の問題は、官僚が政治家の仕事を代行していたことを指摘しました(第二章四1政治の責任)。
連載を中断し(総理秘書官になって、とても時間がとれませんでした)、時間が経ってしまいました。月刊誌で14回、200ページを超えるまで書いたのですが。ライフワークと考えているので、勉強を重ね、いずれ本にしたいと考えています。官邸でも現在の職場でも、政策の立案や政と官の役割を、日々体験させてもらっています。経験や知識は増えているのですが、今の仕事の状況では、執筆はいつになるやら(決意表明ばかりで、反省)。
高橋先生の本は、公法学からのアプローチですが、私の視点からも勉強になりそうです。もっとも、読み終えるには、時間がかかりそうないので、読んでいない時点で紹介しておきます。
情報セキュリティセンター
内閣官房に、情報セキュリティセンターがあります。先日出席した会議では、政府機関がサイバー攻撃にあった事例が報告されていました。
手口が巧妙になっているので、職員には「変なメールを開かないように」注意を呼びかけています。また、時々「引っかけメール」を送って正しく対応できるか、訓練もしています。
組織管理者、監督者には、次々と新しいリスク管理が求められます。セクハラやパワハラ、個人情報保護、部下のメンタルヘルスなどは、かつてはなかった組織のリスク管理です。管理職が知っていなければならない「知識」が増えています。そして、予防だけでなく、起きてしまった場合の対処も重要です。『明るい係長講座』の次に、「管理職が知っていなければならない組織管理常識集」をまとめたいと思っているのですが・・。
政府機関だけでなく、個人も危険にさらされています。最近では、スマートフォンを利用している際に、銀行口座からお金を引き出される、あなたの名前で他人を中傷するなどの被害が多いようです。被害に遭わないように、子どもへの教育も重要です。
福島復興再生総局の立ち上げ
今日2月2日(土曜日)、福島で、福島復興再生総局の第1回会合を行いました。制度上は2月1日(昨日)に発足したのですが、昨日は国会などがあり、「店開き」できませんでした。その後、県庁で知事に、総局の立ち上げと平成25年度予算案などを報告しました。知事からは、感謝のことばをいただきました。
組織を強化し、予算を用意したので、これを実行して、期待に応える必要があります。
国勢調査ができない国
1月30日の朝日新聞に、「ボスニア・ヘルツェゴビナ、国勢調査また延期へ」という記事が載っていました。1991年に実施して以来、国勢調査ができないのです。
ボスニア・ヘルツェゴビナでは、1992年から95年まで、激しい内戦が続きました。1995年の和平合意による現憲法は、3つの民族の均衡を定めています。議会や政府は、ボシュニャク(モスレム)人、セルビア人、クロアチア人の3民族から均等に選ばれることとなっています。国勢調査で、3民族の人口比が異なる結果が出ると、この憲法と政府の正当性が疑われることになります。
しかし、国勢調査がないと、人口も年齢分布もわかりません。いろいろと困難なことがあるでしょうね。何か別の手法で、国民を把握しているのでしょう。でないと、税金徴収や行政サービスができません。