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福島の再生

今日は午後から、福島県庁に行って、今後の仕事の進め方について打ち合わせをしてきました。福島特措法案はこれから参議院で審議されますが、法案の成立を見越して、あるいは成立しなくても、福島の再生の作業を始めなければなりません。
一つは、県全域の再生です。風評被害などに苦しんでおられます。次に、避難区域になった地域の再生があります。帰還を始めることができる地域では、住民への説明会を開きます。次に、インフラ復旧などをして戻っていただく地域では、対策をどう進めるか。他方、しばらく帰ることができない地域は、避難者や役場の支援をどうするか、避難者を受け入れていただいている自治体をどう支援するかが課題です。
県下全域の課題と避難区域の課題。避難区域にあっても、大きく分けて3つの地域で条件が違います。そして、各市町村ごとに状況が異なります。既に、市町村と、個別に協議を始めています。さらに市町村や住民の意見を聞き、県と一緒になって課題を解決していきます。
当初予定していた時間を超過し、帰りの新幹線に乗り遅れました。職員曰く「議論が盛り上がっていたので、『帰りの時間です』と言い出せませんでした」。後の新幹線の、自由席で帰ってきました。

消費税増税などの議論

今日は、民主党からの要請があり、「社会保障と税の一体改革合同会議」に陪席しました。いわゆる消費税増税法案の、与党による事前審査です。17時30分から23時30分まで、6時間の会議でした。今日は結論が出ず、明日も引き続き議論されるとのことです。
今夜は、高校時代の友人たちが、私の慰労会を開いてくれたのですが、私を抜きに盛り上がったとのことです(笑い)。

復興推進会議

今日19日、総理官邸で、第1回の復興推進会議を開催しました。従来の復興構想会議に代わる有識者会議です。政府が行っている復興事業について、第3者の目で見ていただき、足らない点を指摘していただく予定です。(2012年3月19日)
会議の資料は、復興庁のHPに載せました。資料3が現状と課題、参考資料3が基礎資料です。ご利用ください。

大卒のうち安定雇用は半分

大学卒業生のうち、安定した職業に就いている人の割合は約半数であると、内閣府が推計しています(3月19日、雇用戦略対話)。資料によると、卒業者約85万人のうち、大学院などへの進学が7万人。残り78万人のうち、就職したものの早期(3年以内)離職が20万人、無業や一次的な職が14万人、中退が7万人で、合計41万人。差し引き37万人が安定した就職になります。高卒になると、安定就業は3分の1です。
また、若者に、非正規雇用が多くなっています。また、希望者と採用側とのミスマッチも、指摘されています。「大学を出てよい就職をする」「新卒一括採用、終身雇用」という日本型雇用。これも理想型であり神話であったのですが、神話としても崩れてきています。

被災者支援業務1年

3月19日は、私にとって、1周年の日でした。昨年3月19日突然、官邸に呼び出され、被災者生活支援特別本部事務局次長に指名されました。その日から、被災者支援そして復興の仕事に、携わることになりました。その頃の生活は、2011年4月2日の記事をご覧ください。それは、今から思い返しても、大変でしかし貴重な経験でした。
3月19日は、3連休の初日でした。まずは、何をするか、そのためにはどれだけの職員が必要か、の検討から始めました。1人ではどうにもならないので、私を手伝ってくれる職員を、緊急に呼び出しました。
Y参事官とF参事官は、連休で休んでいるところ呼び出され(携帯電話がつながったことが、運の尽きでしたね。笑い)、その日から家に帰ることもできず、がんばってくれました。人集めと組織作り、職員への仕事の割り当て、次に何をしなければならないかの検討、さらには職場の環境づくり(机、電話、パソコンの手配)と。二人とも、自分の机がなく、歩きながら仕事をしていました(ページ下執務風景の真ん中の写真)。今となっては、懐かしい思い出です。

その後、復興本部になり、さらに復興庁という新しい省庁を作り動かすところまで来ました。この間、各省から駆けつけてくれた多くの職員のおかげで、成果を出すことができました。また、大きな仕事に取り組んでくれています。感謝します。しかも、これまでに経験したことのない仕事、これまで霞ヶ関が取り組んだことのない仕事が多いです。苦労をかけています。
他方で、様々な府省のたくさんの職員と、知り合うこともできました。普通の仕事をしている限りは、彼らとは知り合うこともなかったでしょう。もちろん、寄せ集め部隊の難しさもありますが。
それにしても、この1年は、早くて長い1年でした。毎日がとてつもなく忙しく、前日に何をしたかを覚えていない状態ですから。

被災された方々は、もっと大変な思いと経験をされたでしょう。その方々の期待に応えること。あわせて、私たちの仕事ぶりを、全国の国民が見ていること。私たちの仕事は、国民や後世の批判に耐えうるか。さらに、これを通じて政府や官僚の仕事ぶりを見直していただけるか、行政への信頼を少しでも取り戻すことができるか。といったことを、常に頭に置いて仕事をしてきました。資料は、なるべくHPに載せることで公開し、記録として残すこととしました。
悔いのない仕事をしたつもりですが、それが現地で実を結んだかどうか。他にやり方はなかったか。もう少し余裕ができたら、あらためてこの1年の仕事ぶりを、振り返ってみたいと思っています。