今日、復興庁で、ハンズオン支援事業の成果を公表しました。詳しくは資料を見ていただくとして。例えば、鮭とクリームチーズのスプレッドは、県知事賞をもらいました。
新商品開発や売り込みの、経験やノウハウのない中小企業に、支援に入っています。復興庁の役割は、知恵と応援企業を伝えることです。補助金ではできない支援です。そんなに大きなお金はかかりません。このような支援の仕組みを考えてくれたのは、企業から復興庁に派遣された若手職員たちです。ありがとう。
投稿者アーカイブ:岡本全勝
熊本地震でのNPO
熊本地震でも、救助期から、被災者支援と復旧期に移りつつあります。もっとも今回の地震は、余震が続いていて、本格的に次の段階に移行するめどが立っていません。日本財団が県庁と協力して、「日本財団災害復興支援センター 熊本本部」を立ち上げてくれました。
東日本大震災で経験して驚きましたが、NPO(組織的ボランティア)の行動力には脱帽します。現地での直接支援とともに、どこにどのような要望があるか、誰が何を支援できるか。それがわからない状況の下で、それらのつなぎをしてくれます。全体を仕切れる組織があれば良いのですが、被災地の状況とNPOの性格からして、それは無い物ねだりです。「できる組織から動いてもらう」。それが重要なのです。
また、日本財団は、今回の地震災害における様々な支援活動を行う団体に対して、活動資金の助成をしてくださいます。これもありがたいことです。
明るい公務員講座、第19回
連載「明るい公務員講座」の第19回が発行されました。今回は「やってみよ―職場の技能を磨く」の第2回目で、「話す技術」その1です。
しゃべることは、子どもの時からやっていますから、特段の訓練を受けなくてもできます。それが、間違いの元です。しゃべることと、考えを伝えることは、別のことなのです。親しい者の会話は、親密さの確認です。主語は必要ありません。「私はあなたが好きです」とは、言いませんよね。「好きです」でしょう。それに対し、仕事場での対話は、事実を正確に伝えることが必要で、主語と述語と目的語が必要です。「私は、第2案に賛成です」とか。あなたが思っているほど、意思は通じていません。あなたも夫や妻に、「そんなこと言っているんじゃないわ」と、叱られたことはあるでしょう。今回の内容は、次の通り。
話してみよう書いてみよう、話すことは難しい、会話と対話の違い、何を伝えたいのか、「雄弁は銀、沈黙は金」ではない。
ところで、先日お会いしたある町長が、「連載を読んでますよ。カーネギーは、私も大学の時に、恩師に勧められて読んだんです」と言ってくださいました。私は、「へえ、私は役人になってからです」と答えたら、「全勝さん、それは遅い」と、笑われました。
検証なき国は廃れる
4月24日の日経新聞政治コラム「風見鶏」秋田裕之編集委員の「検証なき国は廃れる」から。
イギリスのブレア首相は2003年、イラク戦争に参加します。しかし、参戦する理由だった大量破壊兵器は、見つかりませんでした。イギリスでは、2009年に独立調査委員会が作られ、8年かけて検証を終えました。尋問に応じた要人は、ブレア首相を含め100人を超えます。
一方のアメリカは、イラク戦争だけでなく2001年の同時テロの教訓も、独立調査委委員会で洗い出し、それぞれ600ページの報告書を10年前に出しています。日本は戦争には参加しませんでしたが、支持しました。
・・・日本はなぜか、失敗を深く分析し、次につなげるのが苦手だ・・・元幹部を含めた複数の外務省幹部によると、これらを正式に調べ、総括したことはないという。多くの人が原因にあげるのが次の2点だ。
*日本人の性格上、失敗の責任者を特定し、批判することを好まない。
*これからも同じ組織で働く上司や同僚の責任を追及し、恨まれたくないという心理がみなに働く。
同省にかぎらない。日本の組織には多かれ少なかれ、こうした「ムラ的」な風土がある。ならば、ときには第三者が必要な検証をしていくしかない。国家の場合、その役割をになうべきなのは立法府である・・
太平洋戦争中の日本陸海軍が、検証と責任追及を怠ったことは、有名です。例えば、「失敗の本質」。
論旨の展開を無視して、ごく一部を引用したので、原文をお読みください。
木寺准教授、政治学入門書
木寺元・明治大学准教授が、『政治学入門』(2016年、弘文堂)を出版されました。若手研究者による共著です。編者の狙いは、次のようなものです。
・・・「政治現象と政治学を結びつける」というコンセプトのもと、政治現象を考える上での道具として、政治学のものの見方を届けます。
今の政治現象に関する具体例を用いながら、政治の仕組みの説明と、政治学の分析の基本的な方法の解説を融合させることで、政治学を使うと政治現象がどう見えるかを、わかりやすく説明します・・・
このような本は、重要ですね。政治学者向けに、世界の最先端の学問状況を知らせることも必要ですが、多くの有権者と有権者予備軍は、そんな「最先端のこと」は必要ありません(知りたい人は、それらを読めば良いのです)。
それよりは、今の日本の政治をどう学問的に分析するのか。そちらの方が、現在日本の政治に関心を持ってもらうために有用です。そして、政治を「本業としない」大学生たちに興味を持ってもらうこと。この狙いは、なかなか難しいです。各分野の最先端の研究を並べて、「政治学入門」とする方が、簡単ですから。
ところで、しばしば雑誌も新聞も、「日本の政治はダメだ」と書き募ります。それを毎日聞かされたら、国民も「日本の政治はダメなんだ」と思い込みます。戦後70年間、メディアや学界が「国民を教育した」結果がこれです。
すべてを肯定することも、すべてを否定することも、ともに正しくありません。良いところはよしとし、悪いところを指摘して代案を出す。そろそろ、成熟した言論の世界に入って欲しいです。そうしないと、進歩はありません。
すべてを否定することは、楽なんですよね(脱線。そのような論調を書いている人は、子どもたちをどのように教育しているのでしょうか。良いところを誉めなければ、子どもは育ちません)。