投稿者アーカイブ:岡本全勝

国立公文書館、春の特別展

2018年4月29日   岡本全勝

大型連休が始まりました。東京は良い天気です。行き先を決めておられない方に、一つ良い場所をお教えします。

先日、国立公文書館の特別展「江戸幕府、最後の闘い ―幕末の「文武」改革―」を見てきました。見応えがあります。へえ、こんな文書が残っているのだと。幕府役人の人事カードとも言える書類なども。江戸城多聞櫓に残っていたのです。
幕末の知識があれば、より興味深く見ることができます。また、図録を見ると、よくわかります。5月6日まで、無料です。

公文書館からは、江戸城(皇居)の壮大な石垣を見ることができます。そのあと、皇居東御苑を散策するのも良いですよ。江戸城多聞櫓の一つが残っていて、公開されています。三の丸尚蔵館では、それに続く時代の展覧会をやっています。こちらも無料です。

加藤秀俊著『社会学』

2018年4月28日   岡本全勝

加藤秀俊先生が『社会学 わたしと世間』(2018年、中公新書)を出されました。先生は1930年のお生まれ。88歳になられるのですね。この本は、先生の社会学の集大成、そのエッセンスでしょう。  表題の「わたし」には、普通名詞の「私」と、加藤先生の「私」の、二つの意味があるようです。

「社会を世間と言い換えれば、よくわかる。社会学とは世間を対象とした学問、世間話の延長である」と主張されます。しかし、学問としては、それは都合が悪いのでしょうね。専門用語で、素人がわからない話をしないと、ありがたみが薄れるのです。そして、欧米から輸入したという権威付けも。多くの学問はそれで良いのでしょうが。私たちが生きて行くには、社会学・世間学を知っている方が、苦労をしません。そこが、ほかの学問との違いです。すると、平易な言葉で書かれている方がよいのです。

私は学生時代、授業の社会学が、今ひとつ理解できませんでした。清水幾太郎さんの本で、社会学とはこんなものかと理解しました。そして、加藤秀俊先生の本を読んで、社会とはこんなものだと理解しました。また、京都大学人文研究所の先生方の本を読みました。これらは、すごくわかりやすかったです。
大学の先生の本=西欧の輸入に対し、これらの本は、日本社会を日本語で分析していたのです。だから、加藤先生や人文研の本を「社会学」とは思わなかったのです。加藤先生が書かれているように、難しい専門用語で(西欧の社会を)語ることが、大学の社会学だったのです。
その傾向は、未だに続いているようです。「思想」というと、ソクラテスから現代フランス哲学まで、西欧の思想が解説されています。日本人、それも庶民の思想は出てきません。困ったものです。ここは、歴史学において、政治史や経済史から、庶民を含めた社会史や文化史に転換したことが思い浮かびます。エリートたちの思想とともに、庶民の思想を含めて、国民の思想と言うべきでしょう。これについては、別途書こうと思っています。

この本は入門書ですが、社会学の基本が整理されています。集団、コミュニケーション、組織、行動、自我、方法です。それぞれが、私たちの日常生活、現代の生活に即して解説されています。わかりやすいし面白いです。このうち、コミュニケーションだけがカタカナです。何かよい大和言葉はないのでしょうか。

ところで、加藤先生の本になじみのない人は、先生の文章に違和感を感じるところがあるでしょう。形容詞がひらがななのです。

まだ外国人には不親切な日本

2018年4月28日   岡本全勝

先日の夜のことです。地下鉄新宿3丁目駅で乗り換えた時、プラットフォームでまごついている白人女性2人がいました。英語で声をかけると、柱に表示された丸ノ内線の駅の一覧を示しながら、「中野新橋駅に行く方法がわからない」とのこと。

中野新橋駅は、丸ノ内線の支線にある駅です。ほとんどの列車は、本線の荻窪駅行きなので、途中の中野坂上駅で乗り換えます。
確かに、案内表示を見ても、直ちには理解できません。本線の駅が順に並んだ後、支線の駅が並んでいるのです。乗り換えることは、日本語表示でした。彼女たちは、英語の路線図も持っているのですが、小さくてよくわかりません。
と言うか、知っている私には理解できるのですが、初めての人には難しいでしょうね。駅のアナウンスは、「方南町方面は中野坂上駅で乗り換えです」と繰り返していますが、日本語でした。英語でこれですから、ほかの言語だと、もっと苦労するのでしょうね。

英語で説明したのですが、私の英語が通じているか不安だったので、「中野坂上駅まで一緒に行くから」と一緒に乗り込み、中野坂上駅では列車から降りて誘導しました。
オーストレイリア(オーストラリア)から休暇で来た、ご婦人と娘さんでした。聾唖者の学校の先生でした。
さび付いた私の英語では、説明は苦労しながらもできるのですが、聞き取るのは難しいです。

慶應大学、公共政策論第3回目

2018年4月27日   岡本全勝

公共政策論も、第3回目の授業です。
社会の課題を考えてもらうために、私が分類している社会のリスクを説明しました。この分類は、かなりの力作です。「こんなリスクもあるなあ」「こんな分類もあるんだ」と思ってもらえたと思います。
学問(特に社会科学)は、社会の事象をどのように捉えるか、その基礎として様々な事象をどのように分類するかが、基本です。それによって、社会の見え方が変わり、対策が変わります。同じ事象を、どのような切り口で分類するか、そこに研究者の力量が問われます。

そのあと、大震災対応について前回の続きを、スライドで説明しました。
授業は順調ですが、200人を相手に講義した後、引き続き50人を相手に話すのは、さすがに疲れますね。
夜、異業種交流会を終えて、自宅でこのホームページの加筆をしています。1週間が終わり、「心地よい疲れ」と言いたいところですが、それを通り越しています。サッサとお風呂に入って、寝ますわ。
次回授業は、連休の谷間の5月2日です。しかも、6月1日はお休みなのです。大学からの指示ですが、不思議な日程です。

学生諸君へ
授業中に紹介した、川喜田二郎さんのKJ法を書いてある本は、『発想法』(中公新書、1967年、改版2017年)です。
予防接種のジレンマは、手塚洋輔著『戦後行政の構造とディレンマ―予防接種行政の変遷』(2010年、藤原書店)です。

慶應大学、地方自治論Ⅰ第3回目

2018年4月27日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅰ、第3回目の授業でした。出席カードは201枚です。少しの学生を除いて、ほとんどの学生が9時からの授業に遅れず出席しています。
課題として出してある小レポートの、書き方のコツをお教えしました。
そのあと、地方自治論の本論に入りました。学生たちが、準教科書を読んでいることを前提に、ポイントを話します。まずは、地方自治の意義と機能です。ここは重要です。

小レポートについて、質問がありました。「取り上げる政策は、首長の施政方針のうち、大きなテーマが良いですか、その中の個別の政策でも良いですか?」。
どちらでも良いです。助言するなら、テーマは狭い方が、より具体的に書くことができるので、楽です。

タッチタイピングができるかと聞いたら、ほとんどの学生ができません。これもスマートフォンの普及の結果でしょう。企業の方に聞いたら、最近の学生(新規採用職員)は、固定電話が取れないことや、タッチタイピングができないことを、ぼやいておられますから。
練習しておいた方が、社会人になってから苦労しませんよ。練習ソフトがインターネット上で、無料で提供されています。やってみましょう。