投稿者アーカイブ:岡本全勝

『勘定奉行の江戸時代』

2018年5月13日   岡本全勝

藤田覚著『勘定奉行の江戸時代』(2018年、ちくま新書)が、勉強になりました。
江戸幕府の行政機構は、私たち行政・官僚のご先祖様なのですが、私は勉強したことがありません。時代劇に出てくる代官は、有力商人から賄賂をもらって「お主も、悪よのう」、「いえいえ、お代官様ほどでは・・・」という場面が定番ですが(苦笑)。そんなことでは、業務は回りません。

勘定奉行は字面だけを見ると、現在の財政課・会計課と思いますが、もっと広く幕府の財政と幕府領の行政(この時代は主に農政)を司ります。また現代のように、政府が教育や福祉を提供しない時代ですから、幕府行政の大宗を担っています。そして、裁判も兼務して担当します。
採用試験(筆算)があり、能力によって、勘定奉行まで出世することがあります。幕臣でない子供が、養子に入り、試験に受かり、出世していきます。これも、驚きです。数字を扱えないと、仕事にならなかったのでしょうね。
幕府後半は、財政難に対応するため、行財政引き締めと貨幣改鋳を繰り返します。これも、勘定奉行の仕事でした。
へえと思うことが、たくさん書かれています。

積水ハウスの継続的被災地支援

2018年5月12日   岡本全勝

5月11日の河北新報に、企業が被災地で職員研修を行っている事例「新入社員 被災地に学ぶ」が紹介されていました。このホームページでも、紹介したことがあります。
ここに紹介されている、積水ハウスは、2012年から続けています。側溝掃除で泥だらけになった職員たちに「この後のビールが、おいしいやろうね」と言って、「研修ですから、禁酒です」と叱られたことを思い出します(2014年5月27日の記事)。

この新人研修は、現地で被害の大きさを学ぶとと、被災者への支援活動を行うことを組み合わせています。実はNPOの活躍の場でもあるのです。この研修を、2つのNPOが支えています。
一つは、研修内容を企画し、社員を被災地に連れて行くNPOです。もう一つは、現地で支援活動の需要を掘り起こしておくNPOです。大手企業の社員とはいえ、見ず知らずの人が突然仮設住宅を訪ねていっても、来られた方も迷惑です。それから「何を手伝ってもらおうかねえ」などと思案していては、時間の無駄です。

昨日の慶應義塾大学公共政策論で、話したばかりでした。
ありがとうございます。

ケインズ予測の的中と外れ

2018年5月12日   岡本全勝

4月23日の読売新聞に、吉川洋・立正大学教授が「豊かな21世紀 ケインズ予測現実と落差」を書いておられました。

・・・1930年、経済学者ジョン・メイナード・ケインズは100年後の世界がどんな社会になるか予測した。大不況の最中、多くの人は世界経済の将来に悲観的だったが、ケインズは「われわれの孫たちの経済的可能性」と題するエッセーで、21世紀前半の世界に楽観的な見通しを述べた。
予測のうち、一つは当たり、一つは外れた。
当時、最も豊かな国だったイギリスでも、100年後には生活水準がさらに4倍ないし8倍まで上昇するだろう。21世紀、人々は信じられないほど豊かになっているに違いない―。この見通しは当たった・・・

では、外れたのは何か。
・・・100年後には、人々の暮らしは想像もつかないほど豊かになっているから、およそ「経済」の問題はすべて解消してしまうだろう。人々は週5日、1日3時間働けば十分になっている。作り出すモノはあり余っているから、人々は豊かさの中で倦怠に悩まなければならない。何かを手にしたいという欲望を基にした経済の問題は消え去っている。
二つ目の予想完全に外れた・・・
この項続く。

慶應大学、地方自治論Ⅰ第5回目

2018年5月11日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅰ、第5回目の授業でした。
前回までで、統治としての地方自治を説明しました。今回は、地方自治の見方にはいろんな角度があることを説明した後、現実の日本の自治の説明に入りました。自治小六法を回覧し、収録されている法令の目次を配って、地方行政に関係する法令を説明しました。
地方自治小六法を見ることは初めででしょうし、地方公務員にならない限り、見ることもないでしょう。しかし、行政を進める際にはいろんな法令が関係するんだということを、感じてもらえれば結構です。建設、運輸、医療、福祉、教育・・・さまざまな行政分野で、このような六法があります。

今日の授業開始時には、学生は100人ほどでした。「減ったなあ」と思っていましたが、順次増えて。最終的には、231人の出席カードが出ました。200枚ほどカードを持って行ったのですが、足らなくなって。もらえない学生には、各自ノートを破って書いてもらいました。
毎回、さまざまな感想や質問が、書かれています。授業を進める上で、参考になります。
連休前に、小レポートを課していました。提出があったのは、先週提出された分を含めて231人。とんでもない分量で、すごい重さになりました。これを明日から読みます。かなりの重労働です。

慶應大学、公共政策論第5回目

2018年5月11日   岡本全勝

公共政策論も、第5回目の授業です。東日本大震災での、政府と自治体がしたこと、企業やNPOが貢献したこと。逆に、政府・自治体ではできないことを、見てもらいました。
人々の暮らし・公共空間は、何によって成り立っているか。どのような問題が、社会の課題と認識されるか。それに対して、どのような対策を打つことができるか。といった議論の具体例を見てもらったのです。
抽象論より、具体事例を写真などで見てもらう方が、関心がわきますよね。
USBメモリを持ち込み、大学が提供してくれるパソコンにつないで、投影します。便利になったものです。

こちらは、出席者は安定して50人前後です。小レポート提出は、52人。これはさっさと読めそうです。