9月22日の日経新聞経済の日曜に考える「社外取締役、義務づけは必要か」。「社外取締役のいる企業の割合が東証1部で6割を超えた。企業統治の観点から上場企業に選任を義務づけるべきか、今まで通り各企業の判断に委ねるべきか」というテーマです。富山和彦さんの発言「ムラ型統治、打破を」から。
・・なぜ社外取締役が必要か、米国と日本では全く理由が異なる。米国では社内で最高経営責任者(CEO)の権限が非常に強く、高額報酬を得ようとして会計操作などの不正に走ることがある。2001年に破綻した米エネルギー大手のエンロンがそうだ。だからCEOが暴走したときに解任できるよう、全取締役の過半数は社外と(上場規則で)義務づけられている。
一方、日本では社長の権限はそれほど強くなく、暴走するほどパワーのある人も少ない。取締役会では社長以下のサラリーマン役員が互いの顔色を見て、空気を読みながら物事を決める。あつれきを避けようとするから、不採算事業からの撤退といった重要な意思決定を先送りする。こうした「不作為の暴走」を許す「ムラ型ガバナンス」が日本の大企業が抱える最大のリスクで、ムラの空気をかき乱すのが社外取締役の使命だ。
「少数の社外取締役で取締役会の意思決定を変えられますか」という問に対して。
・・日本の取締役会はしこりを残さないようにと事実上、全会一致が原則だから、少数でも社外取締役が反対すれば決議できない。だから量より質が重要で2人でも十分機能する。例えば不振事業の再建案が上がってきた時、社外取締役が「事業の存続は難しいと思う。撤退や売却を検討していなければ賛成しかねる」と述べれば差し戻しになる。私自身、社外取締役として似たような経験がある・・
後は、原文をお読みください。