石弘之著『感染症の世界史―人類と病気の果てしない戦い』(2014年、洋泉社)が、勉強になりました。スリリングでさえあります。人類がこれまで、いかに多くのまた強い感染症と闘ってきたか。大勢の死者を出しつつ、ここまで生き延びてこられたことが、奇跡のように思えます。
ウイルス、細菌、寄生虫によって、マラリア、コレラ、ペスト、インフルエンザ、はしか、風疹、結核。最近では、エイズ、デング熱、エボラ出血熱といった多くの患者や死者を出す感染症が人類を襲います。薬剤を開発したら、それに抵抗力を持った微生物(耐性菌)が生まれてと、人類と微生物との果てしない戦いが続いています。もっとも、人間中心でない視点で見ると、微生物と人類(及び他の動物)の「共生」の歴史です。
戦争で亡くなった多くが、戦闘ではなく感染症だったこと。動物のうち一番危険なのは、蚊であること。感染症で亡くなった有名人など。へ~と思うことが、たくさん書いてあります。