11月7日の朝日新聞が「コロナ交付金、2割の3.2兆円不用 会計検査院、昨年度の決算検査報告」を伝えていました。
・・・会計検査院は6日、国の2023年度決算検査報告を公表した。国費の無駄遣いや不適切な経理などは345件(前年度344件)で計648億円(同580億円)。新型コロナウイルス対策として20~22年度に国が地方に配った地方創生臨時交付金(コロナ交付金)では、総額18兆3千億円のうち約2割の約3兆2千億円が不用になっていた。
コロナ交付金は、コロナ禍の地方経済や地域の暮らしを支えるためとして創出され、医療機関への支援や飲食店などの休業要請への協力金などの事業が実施された。
検査院が内閣府や総務省と、能登半島地震の影響を受けた新潟、富山、石川各県をのぞく44都道府県の事業実施状況を調べたところ、約3兆2千億円の不用が出ていた。交付金は内閣府から総務省を通じて地方に配られる仕組みだが、約3兆円は内閣府にとどまったままで、地方分の不用は2396億円あった。検査院によると、国は地方で行われた事業を網羅的には把握しておらず、コロナ交付金の不用総額が判明するのは初めて。
コロナ交付金は原則として使途に制限はないとされ、自由度が高く活用が可能な制度とされた。だが、「イカのモニュメント(イカキング)」や「ゆるキャラの着ぐるみ代」などといった事業について、「コロナとの関連が見えない」などといった批判が出た。検査院の調査で多くの自治体が事業の効果検証を行っていないことが判明し、内閣府は22年11月、自治体に効果検証を要請した。不用額の背景にはこうした状況があるとみられる・・・
・・・コロナ交付金を使った無料のPCR検査事業などでは全国各地で不正が相次ぎ、会計検査院が2023年度末時点で集計したところ、338億円の不正受給が発生していた。うち国費は205億円で、そのうち170億円が返還されていない。
無料のPCR検査は全国で3340万件実施され、コロナ交付金は1853億円使われた。検査交付金事業では、25都道府県で事業者が検査数を水増しするなどして計約200億円の不正受給があった。
未返還分について、大阪府は10事業者に約50億円の返還を求めて訴訟やその準備を進めている。破産する事業者も出ており、回収困難になっているケースもある。
飲食店などが休業や時短営業をした場合に出す協力要請金は524万件支給され、約5兆8千億円が使われた。24都道府県で店舗の実態がなかったり、時短を行っていなかったりし、計109億円の不正受給が発生していた。事業者の倒産などがあり、うち27億円は返還されていなかった。
事業者がテレワークなどを導入する際に使える事業者支援交付金などでも、約7億円の不正受給が発生していた・・・