巨大インターネット企業独占への戦い

8月7日の日経新聞に「グーグル検索、違法な独占 米司法省の訴え認める」が載っていました。
・・・米裁判所は5日、米グーグルの検索サービスが独占に当たると認める判決を出した。バイデン米政権は巨大テクノロジー企業の行き過ぎた市場支配力の是正に動いてきた。裁判所が規制当局の主張を認めたことで、米アップルなどに対価を支払ってスマホに検索機能を標準搭載する商習慣の見直しを迫られる。
「グーグルは独占企業であり、独占を維持するために行動してきた」。米首都ワシントンの連邦地方裁判所は5日、原告の米司法省などの主張を認めた・・・
・・・特に問題となったのはグーグルがアップルなどのスマートフォンメーカーに対価を支払う代わりに、グーグルの検索を標準にしてもらうという契約だ。裁判資料によると費用は21年で260億ドル(約3兆8000億円)にのぼる。
巨額の資金を駆使した手法が他社の参入を阻み、独占を生んでいるという司法省などの主張を連邦地裁が認めた・・・

・・・米国では独禁当局の訴訟が業界構造の変化を促してきた歴史がある。1970年代には司法省が通信大手AT&Tを訴え、その後の会社分割と料金競争につながった・・・バイデン政権ではテック企業の肥大化による問題の是正に動き、司法省がグーグルとアップルを、米連邦取引委員会法(FTC)がアマゾン・ドット・コムとメタをそれぞれ提訴。いわば分担するかたちで5社すべての巨大テックに対峙してきた。
欧州連合(EU)も巨大テック企業の活動を制限するデジタル市場法(DMA)の本格運用を開始し、アップルの違反を指摘した、消費者保護を強化するデジタルサービス法(DSA)と一般データ保護規則(GDPR)という3法で巨大ITの傍聴に対応している。
日本の公正取引委員会も同様だ。23年10月には米グーグルの検索サービスについて独占禁止法違反の疑いで審査を始めた・・・