子供の付き添い入院、過酷な環境

6月6日の日経新聞医療・健康欄が「子供の付き添い入院、過酷な環境 保護者の実態調査」を報じていました。

・・・子どもが入院する際、保護者が病室に泊まり込んで世話をする「付き添い入院」をめぐり、支援団体が調査したところ、食事や睡眠が十分に取れないなど、負担が重い環境に置かれている実態が浮き彫りになった。体調を崩したり、離職を余儀なくされたりする懸念があるが、対策は進んでいない。子どもの治療や療養に影響が出かねないとして、家族を心身両面で支える仕組みづくりを求める声が上がっている。

「ただ耐えるしかなかった」。6歳の息子が白血病を患った東京都の40代女性は2020年4月以降、計約2年にわたった付き添い入院をこう振り返る。
新型コロナウイルスの感染対策が強化された時期と重なり、病院側のルールで外出だけでなく、家族と交代することが禁止に。食事は院内でおにぎりなどを購入することがほとんどで、「満足に取れず、気がめいった」という・・・

・・・「孤独だ」「疲れている」。入院した子どもを抱える家族を支援する東京都のNPO法人キープ・ママ・スマイリングには切実な声が相次ぐ。
自身の経験から支援している理事長の光原ゆきさんは「子どものつらい状況を目の当たりにして苦しいなか、過酷な環境に置かれている」と強調。実態を明らかにするため、22年11〜12月にアンケート調査を実施し、経験者約3600人から回答を得た。
1日公表した調査結果は、寝食がままならないなど疲弊している実情が浮かび上がった。
世話やケアに費やした1日あたりの時間は「21〜24時間」が25.5%で最多。「15〜18時間」(12.7%)と続いた。
睡眠は不足しがちで、寝床は「子どもと同じベッド」が51.8%、「レンタルの簡易ベッド」が32.9%。約8割の人が熟睡できなかったとした。
病院では付き添う家族には食事が提供されないことが一般的だ。調達方法は限られ、「院内のコンビニや売店」が65.1%で最も多かった・・・