ご不快構文

2月6日の日経新聞夕刊「令和なコトバ」は「ご不快構文 それ、謝る気ないですよね?」でした。
ちまたにあふれる○○構文の中でも、断然感じが悪いのが「ご不快構文」だそうです。企業や政治家などが不祥事を起こしたときやりがちな、「ご不快な思いをさせて申し訳ありません」という決まり文句を使った謝罪文のことです。

・・・公認心理師で臨床心理士の信田さよ子さんも昨年、複数の相手から、まったく同じこのフレーズを使った謝罪メールを受け取った。「相手が不快に思ったから謝るのではなく、やった行為について謝罪するのが本来の謝罪。自分のやったことを記さない謝罪文はありえないとツイートすると、たくさんの共感の声が届きました」

信田さんはDVの加害者が二度とDVをしないためのプログラムなども手がける。同じ過ちを繰り返さないためのポイントがあるという。①謝り償う②何をやったかを認める③再発防止を誓う――という3つだ。
「『ご不快な思いをさせて……』メールには、②のアカウンタビリティー(説明責任)が抜けている。謝罪は、相手がどう思ったかではなく、自分が何をしたかに軸足を置くべきなんです」・・・

・・・ちなみに英語でご不快構文に近い言葉は、Non-Apology Apology(謝罪でない謝罪、謝罪風の謝罪)。ご不快構文同様、「もし私の言葉があなたを傷つけたなら謝ります」というように、相手に責を負わせるタイプの謝罪を意味する「イフポロジー(If+Apology)」という造語もあり、謝罪でない謝罪の好例として紹介される・・・