加藤 文元ほか著「人と数学のあいだ 」(2021年、トランスビュー)に、次のような話が載っています。90ページ「作家の孤独」以下。
数学者は難しい問題を、多くの場合一人で解きます。孤独な作業です。他方で、それを他人に理解してもらわなければなりません。証明を説明しなければならないのです。そして、それを理解できる人が必要です。文中では、共鳴箱と表現されています。
それは、結論を得る過程でも必要なことでしょう。間違いを指摘してくれたり、違った角度から意見をくれたり。
孤高の天才で終わっては、社会に認められません。分かってくれる人がいないと、大きな仕事はできないのです。