休日夜間の電話受付、訪問診療

日経新聞夕刊「人間発見」11月15日の週は、ファストドクター代表 菊池亮さんの「夜間・休日の患者に安心を」でした。
・・・医師の菊池亮さんが2016年に創業したファストドクターは地域医療機関と連携し、夜間・休日といった時間外診療の総合窓口サービスを手掛ける異形のスタートアップ企業だ。新型コロナウイルス感染症が拡大してからは自宅療養の患者を24時間体制で往診し、地域医療を守る最後の砦として奮闘した・・・

16日の「軽傷者搬送に疑問 往診で問題解決図る」から。
・・・帝京大病院は外傷センター、高度救命救急センター、総合診療ERセンターが連携して救急医療を行っていました。夜間当直のある日は36時間労働です。非常に忙しかったですが、運ばれてくるのは軽症の患者も多かった。お年寄りが深夜に出たゴキブリに驚いてひざかどこかを打ってしまったとか。

全国で救急搬送される患者の5割は軽症者。この数の多さが気になった。
救急車で搬送される人の約6割は高齢者です。このうち95%は在宅医療を受けておらず、ふだんは外来で医療機関を受診している人が、休日や夜間だと本来必要がないのに救急車を活用している。
高齢者は人数が増えるだけではなく、世帯構成も変わってきています。昔は2世帯3世帯の同居が多かったですが今は独居や高齢者2人の「老々世帯」が当たり前です。頼れる人が身近にいなくて、夜間や休日は日ごろ受診しているかかりつけ医も機能していない。だから救急車を呼ぶしかない。こうした人たちへのケアが必要なんじゃないかと思うようになりました。
軽症者の救急車利用を減らすため、自治体は「#7119」という番号で医療の緊急度を判定する電話相談を実施しています。でもそこで多くの人に外来受診を薦めているのに、救急車の搬送件数は増える一方です。
不要不急の救急搬送をぐっと減らすには、夜間や休日に医師が患者のところに行く往診で問題を解決してしまえばいい。そう思い、14年ごろから診療所の設立方法や在宅医療について考え始めました。そして東京・世田谷を拠点に、医師の名倉義人さん(現・新宿ホームクリニック院長)と2人で在宅診療所を始めました・・・