先日、キョーコさんのお供をして、松戸市にある戸定(とじょう)邸を見てきました。
徳川慶喜の弟、水戸藩最後の藩主である徳川昭武が、明治時代に作って住んだ屋敷です。NHKの大河ドラマでも紹介されたとのことで、ご存じの方も多いでしょう。
私も一度は見てみたいと思いつつ、先延ばしにしていました。東京からだと、江戸川を超えれば松戸ですから、近くです。福島県の浜通の往復には常磐線を使っていたので、何度も通過していたのですが。
松戸駅から歩いて10分です。高台にあり、眺めもよいところです。建物も庭園も、きれいに修復されています。お勧めです。ただし、コロナ対策で、人数制限があります。しばらく待てば、入ることができます。
このような住宅が、よく維持保存されたものですね。私は時々、BS朝日の「百年名家」を見ます。「新しいものがよい、それも洋風がよい。古い日本のものは価値がない」と考えてきた近代日本の中を生き抜いてきた優れもの、運の良いものたちです。
テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」も、日本の古美術を発掘しています。この番組に先だち、イギリスの個人が持っている古美術・古いものを鑑定する番組がありました。「ヨーロッパは古いものを大切にするんだなあ」(少々けちくさいな)と思ってみていました。
ようやく日本も、新しく建て替える、買い換えることがよいこととは限らない。古いものにも価値がある。輸入物でなく日本にも良いものがある。美術館博物館に所蔵されているものだけでなく、個人宅にも良いものがあると、意識が変わったのでしょう。
駐車場売店の木陰で、ゆかりのコーヒーを飲みながら、地元の野菜を売っているおじさんに、いろんな話を聞いてきました。
最後に「どこから来られましたか」と聞かれたので、キョーコさんが「東京です」と答えました。たぶん私たちが立ち去った後に、おじさんたちは「関西弁だったよな」と、しばらくこの話題で楽しめたでしょう。お土産を買うとともに、良いことをしてきました。
この項続く