新型コロナ対策、日本の医療体制

5月29日の読売新聞1面、山口博弥・編集委員の「医療とワクチン 総力戦で」から。
・・・健康保険証さえあれば、いつでも、どこでも、安い自己負担で同じ質の医療が受けられる――。わが国で1961年にスタートした国民皆保険制度は、日本人の平均寿命を世界トップクラスに引き上げ、医療の評価を国際的に高めた。
だが、新型コロナウイルスの感染拡大で、非常時における日本の医療体制のもろさが浮き彫りになった。コロナ患者用の病床や医療スタッフを機動的に確保できず、調整する司令塔もいない。受け入れ病院で目詰まりが起き、本来救えたはずの命が失われる悲劇も起きた・・・

日本の医師は、どの地域で、どの診療科で働くかを選べる自由がある。民間病院が8割を占めるため、国や自治体からコロナ医療やワクチン接種の業務を強制されることもない。
カルテ開示、医師不足解消のための計画配置、専門医制度……。様々な法制化が議論される度に、日本医師会や各専門学会は「我々が自主的に取り組むから、規制は不要」と反対した。
背景にあるのは、「プロフェッショナル・オートノミー(職業的自律)」と呼ばれる医師の行動原理だ。患者の利益のため、外部の規制を受けず、自らの職業倫理に従って動く――。
菅首相は先月末、日医などにワクチン接種への協力を要請した。もちろん、すでに大勢の医師が現場で身を削っている。だが、世界に誇る日本の医療制度を維持したいのなら、さらに多くの医師が、職業的自律の理念で国の要請に応える責務があるのではないか・・・
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現在のコロナ対策の課題は、感染拡大防止、医療逼迫対策、ワクチン接種、そして国民の理解でしょう。先進各国より患者数が少なく医師も多いのに、医療が逼迫するのは、理解しにくいです。