河合晃一著『政治権力と行政組織 中央省庁の日本型制度設計』

河合晃一著『政治権力と行政組織: 中央省庁の日本型制度設計』(2019年、勁草書房)を紹介します。
金融庁、消費者庁、復興庁が、どのような経過でつくられたかを分析した本です。2001年の中央省庁再編は、私も記録しました。『省庁改革の現場から』。本書は、その後につくられた組織を対象としています。
中央省庁再編は、全体を見通した哲学と制度設計の下に行われました。それに対し、本書の対象となった組織は、それぞれの時代の課題を解決するためにつくられたもの、特に復興庁は急ごしらえでつくられたものです。

このほかに省庁の組織改編としては、次のようなものが思い浮かびます。
・スポーツ庁、観光庁の設置(組織の格上げ)
・出入国在留管理庁の設置(新しい課題に対応)
・社会保険庁、原子力安全・保安院の廃止(行政の失敗による)
・少し古いですが、厚生省薬務局、農水省畜産局の廃止

私も、著者からインタビューを受けて、復興庁の設置についてお話ししました。それも反映されているとのことで、名前を挙げてもらいました(P126)。お役に立てたら、うれしいです。